大懶獣(だいらんじゅう)
前回の記事で樹懶(ナマケモノ)のことを書いたので、今回はナマケモノについて少し調べてみました。ナマケモノは、哺乳綱異節上目有毛目ナマケモノ亜目の総称で、前後の足が三本指のミユビナマケモノ科と、前足だけが二本指のフタユビ(二指)ナマケモノ科が現生しています。また、今は生きていない絶滅科がいくつかあります。
意外かもしれませんが、ミユビナマケモノ科は地上での動作は遅いのですが、泳ぎは上手です。これは生息地のアマゾン近辺では雨季があって、洪水にさらされることもしばしばあるため、泳ぐ技術を身につけていない個体は生存できないからです。ただし、フタユビ科は泳ぐ時に頭が水上に出ないため、泳げません。
ナマケモノが、16世紀のヨーロッパで初めて紹介された時は、餌を全く摂らないので、風から栄養を摂取する動物だと考えられていたそうです。しかし、実際には1日に10gほどの植物を摂取していることが後でわかりました。それにしても、小食ですね^^。
ナマケモノは、外気に合わせて体温を変化させることにより代謝を抑えています。つまり、現生哺乳類では珍しい変温動物なのです。ナマケモノは、行動も遅いため基礎代謝量が非常に低く、ごく少量の食物摂取でも生命維持が可能となっています。つまり、究極の省エネ動物です。ナマケモノに似た生態を持つ生態・体重であるコアラは、恒温動物なので、1日当たりの食物摂食量は500g以上とナマケモノよりかなり多いことが知られています。
ナマケモノは非常にストレスに弱い上に変温動物であるため、温度変化に非常に敏感で、飼育環境を高温多湿に保つ必要があります。そのため、ナマケモノを飼いたいと思う人はいないでしょうが、一般家庭で飼育することは困難とされています。
ナマケモノには絶滅種があると書きましたが、それが大懶獣ことメガテリウム (Megatherium) です。メガテリウムは、新生代新第三紀から第四紀 (約5百万~1万年前)ごろ、南アメリカ大陸に生息していた巨大なナマケモノの近縁属です。和名は大懶獣またはオオナマケモノです。約200万年前から1万年前にかけての南アメリカ大陸には、メガテリウムの他にも、エレモテリウムやグロッソテリウムといった地上性の巨大ナマケモノが生息しいました。特にメガテリウムは体長6-8m、体重は約3tにも及んでいました。アジアゾウの体重は2.5-6.5tですから、現在のゾウ並みの重さがあります。
ナマケモノには、なぜだか親近感を覚えます。私の前世はナマケモノだったのかもしれません^^。
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