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日本五大美人 鳥取美人って本当?

 ルッキズムを助長するようで申し訳ないのですが、地域別の『日本三大美人』といえば秋田美人・京美人・博多美人を指す場合が多いようです。もちろん、その他の地域に美人がいないわけではありませんので、悪しからず。

 三大美人プラスαで、”日本五大美人”というのもあるようで、たまたま見かけた記事に、秋田美人・越後美人・加賀美人・京美人・鳥取美人というのがありました。これは、鳥取県のPR記事のようで、日本五大美人の地としての鳥取を盛んに宣伝しています。これはANAのキャンペーンみたいで、”うっとり鳥取キャンペーン『鳥取美人物語』”という宣伝文句で、鳥取への観光客誘致を狙ったものでした。

 しかし、ちょっと待って下さい。越後美人・加賀美人を付け加えるのは良いとして、三大美人に含まれている博多美人が故意に外されて、鳥取美人が加えられています。鳥取にも美人の方は多いと思いますが、博多美人の代役が鳥取美人というのは、かなり恣意的なキャンぺーンに思えてしまいます。

 例えは悪いのですが、プロ野球の一軍レギュラーのクリーンナップ(打順3・4・5番)のどこかに、二軍の4番がいきなり入る感じがします。鳥取県民の人、ごめんなさい。

 しかし昔から、日本海側に美人が集中しているとよく言われています。この説の代表が日本海の『一県飛び美人説』です。これは、明治時代以降に唱えられた説らしいのですが、日本海側の北から秋田→新潟(越後)→石川(加賀)→京都→鳥取→福岡(博多)と、”ほぼ1県飛び”で美人県になっているという説です。先程の”五大美人”の件ですが、博多美人まで入れると”六大美人”となって語呂が悪いので、意図的に博多美人を外したのだろうと私は睨んでいます。

 この説に根拠が無いわけではありません。というのも、江戸時代には北前船きたまえぶねという廻船で、国内の貿易が行われていました。この日本海の5つの地域には、良港があって北前船の寄港地となっています。貿易(商品)があるところには、人が集まります。つまり、江戸時代に人口密度が高かったところが、美人の産地と一致しています。

 昔テレビで見た研究に、『女性の顔写真のデータを足し合わせて、女性の顔の平均値を求める』というのがありました。その結果、データを重ねれば重なるほど、美人顔に近づいていくことが判りました。つまり、美人というのは多くの遺伝子が交叉した”極めて平均的な顔”という結論でした。この説が本当だとすると、人的交流の少ない田舎には美人が少なく、人的交流の多い都会に美人が多いことになります。

 もちろん、美人の判断は個人的なものですので、絶対的な基準はありません。私が子供の頃に、「結婚するなら、やっぱり美人が良いなぁ」と言うと、父親が「美人はすぐに飽きるぞ」と忠告してくれました。私は素直な性格なので、その忠告をいまだに守っています。

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