見出し画像

昭和の演芸#1 シャポーグラファー・早野凡平

 何回続くかわかりませんが、子供の頃に好きだった懐かしい『昭和の演芸』の話を書いてみたいと思います。

 最初に頭に浮かんだのが、早野凡平さんの帽子芸でした。子供の頃、とにかくこのパフォーマンスが好きでした。『ホンジャマーの帽子』?と呼ばれる帽子を使って、牧師、スチュワーデス、ナポレオン(タイトル図)、カウボーイ、ローマ法王、鞍馬天狗(ちょっと古い?)と、次々と変身していきます。喋りも洗練されていて、ハイソでインテリ風の香りがしました。

 どうしてなんだろうと長年不思議に思っていましたが、その答えがWikiにありました。この帽子を用いた芸は、ヨーロッパ起源の古典芸であるシャポーグラフィー(Chapeaugraphy)と言うのが、元になっているとのことでした。シャポーの音から推測すると、フランス起源でしょうか?。YouTubeでも昔の映像が見られるようですから、興味のある方は検索してみて下さい。

 私が子供の頃は、今みたいに世界の情報が居ながら見られる時代ではなかったので、ローマ法と言われても、ローマ法王がどんな人でどんな姿をしているのか、オリジナルの姿を全く知りませんでした。パロディは、オリジナルを知っていて初めて面白がれる芸です。なので、ローマ法王を知らない”馬鹿な小学生”の私は、ローマ法王のくだりではいつもポカンとしていました。

 ホンジャマーの黒い帽子は、帽体とツバの部分が分離するようになっていて、”前振り”として最初に真ん中の帽子部分を使ったパフォーマンスが少しだけあって、次に”本番”のツバ部分のパフォーマンスに移行します。早野さんは、「ホンジャマー、ホンジャマカ・・・」と言いながら、慣れた手つきで黒い帽子を様々な形に変形させて、先程の有名人や動物の真似をします。

 ご本人が「この帽子のおかげで練馬に家を建てることができました」と言われるように、この芸で人気を博しました。残念ながらすでにお亡くなりになっていますが、演芸といえば真っ先に思い浮かべる素晴らしい”帽子芸”でした。蛇足ですが、お笑いコンビのホンジャマカの名前は、この帽子芸に由来するそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?