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幻の生地を再現する…?

最近のSNSは、AIの活躍により、いいね👍️やフォローをすると、趣味趣向にあった情報を提供してくれます。

私のInstagramにも、嬉しいことに、私の知らなかったこと、でも、とてもありがたい情報がよく出てきます。

ちょうどその日は、近くで親戚が営む手機織り工房に初めてオーダーした生地が、織り手さんの息子さんが病気になり、予定どおり仕上げられないと連絡をもらって、へこんでいたところ…

目に入ってきたのがこちら。

インドで最後のモスリンの織り手

ん?インドでモスリン?

モスリンと言えば、ダッカ・モスリン、バングラデシュじゃないの?と思い、そこから、モスリンについて調べていくと…

https://www.afpbb.com/articles/-/3394829

モスリンとは、薄ーーーーい手紡ぎ・手織りの生地で、5メートルほどあるサリーでも、マッチ箱に収まってしまうほどだったとも言われている、幻の生地。

綿からして特別なものを使っていて、それを探しだし、手紡ぎ・手織りできる職人をなんとか見つけたけれど、その方々のコメントが…

ダッカモスリン復元 AFP記事より抜粋

これを読んで、はっ!と思い出したのが、

日本でも幻の生地の復元が行われたドキュメンタリー映画『倭文(しづり)旅するカジの木』

夜空の星を成敗することができたのが、唯一無二の倭文(生地)の神様というほどに、白く輝く生地…

日本とバングラデシュは、国旗も良く似ていますが、なんだか生地をめぐる復興にも共通点を感じざるを得ません。

モスリンや、ジャムダニに限らず、ここバングラデシュの服・生地は、とにかく薄いです。

バザールの生地屋さんも知り合い バングラデシュ

私が手にできるような、一般的な生地屋さんで売っている生地は、機械織り・プリント生地ですが、それでもとてもとても薄くて

足踏みミシンで縫っているときに、おさえと生地おくりがあまり機能しない、薄すぎてミシンの針で生地の繊維をときおり引っ張ってつってしまうほど。。。

足踏みの アンティークミシンで、ふんぱん作り

ちなみに…すごく薄いので、ドール服を作るのには、とっても良いです💓

足踏み アンティークミシンでドール服作り

バングラデシュというと、昨今では世界の名だたる服飾会社、ファストファッション会社が、首都ダッカ近辺に、あまり環境のよろしくない縫製工場を作り、時給 数十円というような人件費で、モノ作りをしていて、その工場が崩れたというニュースが記憶に新しいですが😭

大好きなBappashotaさんのバングラデシュ取材動画。見ごたえあり、考えること多々ありです。

私が初めてバングラデシュの生地に興味を持った20年前は「ノクシカタ」という刺し子・刺繍のほうが、有名でした🥰

ショブジョバングラ(残念ながらホームページ見つからず)の三田さんに、東京ドームでのキルトフェアで見せていただいた、手刺繍の素晴らしいサリーや、糸1本取りで縫い込まれた素晴らしい蓮の花(小さなポーチをひとつ購入し、日本のおうちにて使っています)は、

手に取ると時が止まるかのような繊細さ、美しさ、そして強さを感じました。

↑ バングラデシュの生地を使った素敵な商品をいまも販売されているシャプラニールさん

さて、モスリンの話に戻ります。

私が生地をオーダーした親戚の工房は、大東亜戦争後、日本からも生糸(シルク)を仕入れていたそうです。

綿糸は、バングラデシュの国産とのことですが、オーガニックなのか?慣行栽培なのか?などは、まだ聞けておらず。

手機織り工房を営む親戚の家のなか 綿糸

糸車も、3つほどありましたが、糸は紡いでいなくて、糸巻きのために使われていました。

野外キッチンでの糸巻き 糸車

糸巻きしてるのはおばあちゃま、奥では若奥様が木を燃やしてかまどでお料理してました。

綿を育てる ⇒ 糸を紡ぐ ⇒ 機織り ⇒ 衣類を作る
※途中で染めたり、機織りの際に模様織りをしたりもあり

バングラデシュのみならず、日本でもわずか100年ほど前には、まだこれらすべてを国内で、国産で、日本人の手で行っていたわけです。

もちろん、いまもよく探すと、伝統的な着物や帯などのとても高価なもの、伝統工芸としては残っているようですが、

日常的に着ていた服が、おばあちゃんやお母さんによる手紡ぎ、手織り、手縫いという時代が、そんなに遠くない過去にはあったと思うと

そういう服を着ていた人たち、作っていた人たちの想いや暮らしが、とても羨ましいです。

私も、縁あって夫の生まれ育った「タティ(手機織り師)」の村で暮らす時間を少しずつ持てるようになったので、

綿や蚕を育て、糸を紡ぎ、機織りをする日をイメージして地道にコツコツと歩んでいこうと思います。

日本でも、コットンダイアリー(情熱クラブ 一般社団法人)の仲間たちと、布ナプキンをはじめとするコットンの活動をしています!

日本では、国産衣類は風前の灯火。。。
コットンダイアリーでは、有志メンバーによる全国規模での和綿の栽培、手紡ぎ・手織り・編み物・布ナプキン縫いなどのハンドメイド、心と体に優しい性教育・商品開発を行っています!

いつか…バングラデシュでの復元されたダッカ・モスリンの実物にも触れてみたいです💞

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