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№769 「これでいいのだ」のチカラ

マイナスに振り切ってしまう前に
人間誰しも落ち込んだりネガティブになったりするときはあります。

生きていれば失敗もあるし、
うまくいかないことだってたくさんあります。

そんなとき、落ち込むことも自然な心の反応です。

ただ、それがマイナスに振り切ってしまって本当にくじけてしまうと、
なかなか元の生活に戻れません。

エネルギーが湧いてこないし、何よりつらい。

ですから、そうなる前に気づいて対処することと、ストレス耐性自体を徐々に強化することが重要です。

心をニュートラルな状態に戻すには、
美味しいものを食べる、
ゆっくりお風呂につかる、
思いきり歌うなど、
自分なりのストレス発散法でリセットするのもいいでしょう。

もちろん、信頼できる人に話を聞いてもらう手もあります。

どうでもいいことは「どうでもいい」と見切ることも大事です。

冷静になってみれば、
考え方を変えてつらさから脱出できそうなものですが、
いっぱいいっぱいになっているときは冷静になること自体が難しい。

他人には「まぁまぁ、留年が決まったくらいで落ち込むなよ。人生長いんだから」などと言えるのですが、
本人は「人生終わり」みたいな顔をしていることはよくあります。

落ち着いて考えてみれば、
だいたいのことは何とかなるものです。

逆境や試練をどうとらえるかは「心の持ちよう」です。

心の持ちよう如何で、落ち着いて対処できるかどうかも変わります。

心の持ちようを強化するには言葉のパワーを借りるのが近道です。

ここで紹介するような言葉は実際に多くの人たちの心を惹きつけ、支えてきました。

身につければ頼もしい味方になるでしょう。


たとえば赤塚不二夫の名言「これでいいのだ」。

歴史的ギャグ漫画『天才バカボン』に出てくる、
バカボンのパパの決めぜりふですね。

「自分の失敗で親に迷惑をかけてしまった。なんて自分はダメなんだ……」と思い悩んでいたとしても、バカボンのパパだったら「これでいいのだ!」と肯定してしまうでしょう。

さっさと次の行動に移るはずです。

しかも、バカボンのパパのめちゃくちゃぶりを見れば自分の失敗なんて、
ありふれたつまらないものに思えてきます。

バカボンのパパの生みの親、赤塚不二夫も、
言わばバカボンのパパを生き方のモデルにしていたようなところがあります。

ギャグ漫画のようなエピソードは枚挙にいとまがありません。

葬儀ではタモリさんが弔辞を読み、
感動的な内容で話題になりました。

その中には、こんな言葉がありました。

あなたの考えはすべての出来事、
存在をあるがままに前向きに肯定し受け入れることです。

それによって人間は、重苦しい陰の世界から解放され、軽やかになり、
また、時間は前後関係を断ち放たれて、その時、その場が異様に明るく感じられます。

この考えをあなたは、見事に一言で言い表しています。
すなわち「これでいいのだ」と。

悟りの境地のようですね。

『天才バカボン』はナンセンスギャグ漫画ですが、仏教との関連性を指摘する人も多くいます。

「これでいいのだ」というシンプルな言葉の背景には、赤塚不二夫の生きざまとともに哲学的とも言える思考があるのです。

また、徳川家康の人生に学ぶこともできます。

長い不遇の時代を乗り越え、焦らず時が来るのを待ち、60歳を過ぎてついに天下統一を果たした家康。

頑張っていることの成果がなかなか出ずにくじけそうだという人も、
家康に比べれば「まだまだ」と思えるのではないでしょうか?

家康は「人の一生は重荷を負て遠き道を行くが如し いそぐべからず」という言葉を残したとされています。

先人たちが残してくれた言葉は、くじけそうな心を支えてくれます。

こうした頼もしい支柱を使いながら、
少しずつ自分の心を強化していきましょう。

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