№276 人は「何にでも慣れる」習性がある。暴力にも、山盛りの砂糖にも、4時半起きにも。
人間とは、非常に適応能力の高い生き物です。
すぐにその感覚が鈍くなり、耐性ができる。
心理学の研究により、テレビで下品な内容、
暴力にひっきりなしに触れていると、
多くの人はそうしたものに
耐性ができてしまうことが研究でわかっています。
ボクたちは消費社会に生きているため、
耐性レベルはとんでもなくバランスを崩しかねない。
糖分が山のように含まれた食べ物を食べて
味覚がおかしくなり、
そのうちに、
体に良い健康的な食べ物を楽しめなくなってしまう。
関節痛、頭痛、膨満感を
自分の「いつもの状態」だと受け入れてしまうのです。
1日のうち大半の時間を椅子に座り、
パソコンの画面を凝視して過ごす。
ボクたちは天文学的な量の
「人工的なドーパミン」が体中を駆け巡るのに慣れてしまっ
たのです。
しかし、人は何に対しても動性を作り、適応できる。
たとえそれが恐れであったとしても、です。
自分が抱えている恐れに対して
意図的に耐性を作ることを、心理学では
「系統的脱感作」と呼ぶそうです。
耐性ができるまで、自分を何かに何度も繰り返し
暴露させることで、それに対する感覚を
系統的に鈍らせることができるのだそうです。
すると最終的に、メンタルモデルの枠組みを作り直し、
適応し、新しい人間に生まれ変わることができるのだそうです。
皆さんがかつて
恐怖で動けなくなってしまったようなものが、
日常にあるごく当たり前の一部になるのです。
ほとんどの人にとって、
「毎朝4時30分に起きてすぐにジムに行く」
という発想はとんでもないことのように思えるでしょう。
確かに、最初の数週間、数か月は大変かもしれません。
しかし適応に関していえば、
「徐々に慣らしていく」必要はほとんどないのです。
むしろ、わぎと自分を苦境に置いて、
何か極端なものに適応させることもできるのです。
たとえば、毎朝4時30分に起きる習慣を身につけたいなら、最初の数週間は朝6時、
そのあと数週間は朝5時30分、
そして数週間は朝5時、
最終的に朝4時30分に起きる。
などとする必要はありません。
いきなり「朝4時30分」で始めちゃって、
めちゃくちゃ痛みを感じ、そして適応するのです。
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頭では「悪いことになる」と思ってしまう。
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過応への前者のアプローチは、
プールにゆっくりと一歩一歩入っていくようなものだったりします。
そこに過度に集中して引き延ばすことで、
痛みを先延ばしにし、悪化させているにすぎないのです。
意識を集中させると、その対象は拡大するもの。
痛みに執着するのをやめて、
今しようとしていることの結果に集中しましょう。
プールにすぐに飛び込んじゃえば、
ショックを受けてから、カラダが慣れるまでの移行は
短い時間に圧縮される訳です。
このアプローチは精神的にはかなり堪えますが、
体は非常にすばやく、かつ本能的に、
新しい環境に順応していくものなのです。
具体的にいうと、20秒もすれば慣れて、
もうプールの水を冷たく感じなくなるのです。
心理学の研究によると、
ある出来事について大抵の場合は
出来事そのものよりもその前に抱く予期のほうが、
感情的に力が入ってしまうことがわかっています。
ほぼ必ず、実際の出来事よりも
何かもっとずっと悪いものを想像するのだそうです。
そして行動に移すのを後回しにして、
痛みを長引かせちゃう!
すぐに行動してしまえば、痛みはずっと軽くすみ、
気づくともう終わっているにもかかわらず。
早起きのように、何か新しい行動に適応する場合は、
当然ながら20秒よりも時間がかかります。
しかし原則は同じです。
もし100%の姿勢で取り組んで本気で飛び込めば、
人間というのは、
あっという間に適応できる生き物なんでしょう!
とはいえ、本気で飛び込んんだときには、
すぐにかなりの精神的ンョックを経験することにはなる。
プールにそっと入るときのように
ダメージを和らげようとしているわけではないからです。
そうではなくて、思い切り飛び込むことで、
古いパターンや行動を取り去る
「浄化作業」を経験しているのだと思います。
そして飛び込んだ先の「これまでより良い環境」に慣れるまで、浄化作業は痛みを伴う可能性があります。
しかし実際は「プール」に飛び込んだほうが楽。
そして、身体は不思議なもので即適応しちゃうんです。
恐怖に意識を集中し過ぎて
痛みを悪化させてはいないでしょうか?
一体いつになったら思い切って飛び込むのでしょうか?
本気をだして思い切って飛び込むその瞬間、
頭の中でアレコレ考えていたより
ずっと簡単だって事に間違いなく気付くはずです。