2023年春、四国瀬戸内サイクリング旅(概要編)
昨年2023年に実施したこのサイクリング旅も、記録を書きかけたまま時が過ぎてしまった。今年2024年にすでに投稿したサイクリング旅(「利根川下流・・・」、「京奈和自転車道・・・」)とは順番が逆になってしまったが、従来同様、概要編とトピックス編に分けて投稿しておこうと思う。
四国一周の旅は、「お遍路」という特別の意味合いがある。「お遍路」をするかしないか、するとしたらどういう形で実施するかは、数年前から折に触れて心に浮かんでくるテーマであった。最も”正統な”実行は、歩いて四国88ヶ所巡りをすることであることは疑う余地はない。そして、これを実現するための最も大きいハードルは、1ヶ月以上かかる”時間”であるが、加えて、現在のお遍路道は、車の往来が激しい車道がかなり含まれている(らしい)ということも、躊躇させる理由の一つでもあった。一方、お遍路を自転車で行うスタイルもあるというので、この場合、これらの大きな問題が、かなり緩和されることになる。そのため、”自転車によるお遍路”は、有力な旅の予定として念頭にあった。
そんな中、昨年3月末から4月初旬にかけて、京都から神戸、淡路島、四国、小豆島と走ったサイクリング旅(「関西瀬戸内サイクリング旅」)で、徳島(鳴門)から高松までの瀬戸内沿岸を走行した。この時、お遍路の一部を自転車で走るという意識はほとんどなく、瀬戸内海を代表する二つの島、淡路島と小豆島を巡ることが主要な目的であった。そのため、日程的な厳しさもあり、讃岐を代表するスポットである「金比羅さん」参詣も断念した。
また一方で、四国旅に関しては、お遍路に加えて、四国一の名峰であり日本百名山の一つでもある「石鎚山登山」を実現することが、長い間膨らませてきたもう一つの目標でもあった。
これらの”四国旅プラン”には直接含まれないが、サイクリストにとっては憧れの「しまなみ海道」の走行が、”瀬戸内旅”の大きなテーマとして存在していた。
つまり、
1)四国一周の旅の一部を実現する
2)金毘羅宮へ参詣する
3)石鎚山へ登る
4)「しまなみ海道」を走る
という、盛り沢山な計画を立てていたが、これらに加えて、昨年の「関西瀬戸内サイクリング旅」や「山陰サイクリング旅」では素通りせざるを得なかった、
5)姫路城、神戸の夜景見物
を、帰京の途中でを実現するという、かなり”欲張り”なサイクリング旅を計画し、実行した。
今回の旅をこのタイミングで実現するきっかけの一つになったのは、JALが実施した、「期間限定・国内フライト片道一律六千円」というタイムセールであった。真夜中の12時から始まるこのタイムセールは、アクセス集中によるシステムダウンを避けるため、30分前から「待合室」に入り(ログイン)、12時ちょうどの時点で電子くじ引きが行われる。その結果、何時ごろに順番が回ってくるかが通知されるという仕組みになっていた。もともと、希望のフライトが取れる可能性はかなり低いと思いつつも、このセールに挑戦したところ1時間程度待ったところで順番が回ってきて、ほぼ希望のフライトが”取れてしまった”。これが、今回のサイクリング旅を実現する原動力になった。
日程は、今回も当初から、社会参加活動として大切にしている「学習支援」活動(中高生への数学指導)と、「日本語支援」活動(日本在住の外国人への日本語指導)に極力影響が出ないように考えていた。その結果、日曜日出発、金曜日午後帰着の5泊6日の日程を組んだ。
もう一つ、今回の飛行機利用のサイクリング旅で初めての体験となったのは、旅を通して”フライト移動が繋がっていない”ということである。2度の台湾サイクリング旅と2度の沖縄サイクリング旅では、いずれも、フライトで目的地の空港へ移動したら、またその空港へ戻ってきて、そこから帰京するか、次の旅の地点へフライトで移動するという行程となっていた。フライトに自転車を搭載する場合、フライト用輪行袋に収納するのであるが、これは、鉄道列車用輪行袋と違い、分厚く大きな袋となるため、これを担いでサイクリングすることはできない。目的地点の空港へ飛んで、その地をサイクリングしたあと、その空港から戻ってくる場合、あるいは、次の地点へ、その空港から飛んで、その地をサイクリングして再びその空港へ戻ってくるということを繰り返すサイクリング旅の場合は、着地した空港の中大型コインロッカーに輪行袋を収納しておくことが可能となる。しかし今回のように、フライトで移動したあと、ツーリングしてその空港に戻ってこない場合は、このスタイルが使えない。今回の場合は、帰りは、瀬戸内海を渡って尾道から鉄道で帰京する行程のため、この問題を次のように解決することにした。
1)到着した高松空港で、フライト用輪行袋を宅配便で東京へ送りかえす
2)鉄道用輪行袋もサイクリング中携帯し(これはいつものこと)、帰りは、この輪行袋を利用して戻ってくる
今回は、帰りを鉄道移動にできたのでこれで解決できたのであるが、もし、別の空港から飛行機で帰京する計画の場合(例えば、近々実現したいと考えている、九州南北縦断サイクリング旅など)はどうしたらいいのか、解決しなければならない課題である。
今回の自転車旅で、実はもう一つ挑戦したかったことがある。テント旅のツーリングである。山登りと自転車走行を組み合わせる旅は、数年前に、八甲田山登山と岩木山登山の間を繋ぐために八甲田温泉から弘前市までロードバイクで移動する形で実行した経験がある。しかし、今回のように、テント泊を続けながらのツーリングはまだ未経験であった。学生時代から山登りを続けてきているので、テント泊装備は完備しているのだが、山登り用のテントを担いで自転車旅をするのは厳しい。そのため、最軽量のテントまたはツェルト(非常用軽テント)を新たに準備する必要がある。これは費用だけの問題なので、実現可能である。課題は、荷物がそれだけ増えて重くなるので、走行時の負担が大きくなること。それに加えて、テントを張れる野営場が走行ルート上の適切な位置になければならないこと。今回の行程で調べたところ、
①観音寺ファミリーキャンプ場 @香川県西部観音寺市の海岸
②石鎚ふれあいの里 @愛媛県伊予西条市大保木地区(石鎚山系の谷川沿い)
②モンベルアウトドアオアシス石鎚キャンプ場 @愛媛県伊予西条市小松町新屋敷
③近見島キャンプ場 @愛媛県今治市見近島(しまなみ海道の直下)(注)
が見つかった。この3つのキャンプ場を繋いで走ることも検討したのだが、日々の走行距離がアンバランスになることと、石鎚山登山に負担や制約が出てくることがわかった。
そのため、今回の挑戦は断念した。
(注)しまなみ海道をつなぐ島々には、他にもいくつかキャンプ場があるようだ。
一般的な旅でもいえることだが、サイクリング旅の場合、「天候」はとりわけ気がかりな要因となる。雨の中を走るのは極力避けたいが、1週間ずっと良い天気を期待すると、なかなか出掛けられなくなる。今回は、走行の途中で、一般登山者には難度が高いと言われている4箇所の切り立つ鎖場を持つ四国の名峰「石鎚山」に登る計画である。この日だけは天候に恵まれてほしいと願っていたが、残念ながら、逆にこの日だけ天候が悪く、厳しい登山を強いられた。その代わり、「しまなみ海道」を渡る日は、思い通りの良い天気に恵まれたので、全体としては、十分満足のいく天候だったといえる。
(総走行距離 252km)
おわり
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