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沖縄先島諸島サイクリング旅(竹富島編)
1。西表島から竹富島へ
2時半のフェリーで石垣島へ戻る。3時25分に石垣島着。フェリー乗り場には、竹富島への入島料三百円を徴収する機械が設置されていたので入島券を購入した。しかし、現在、この入島券(うつぐみ(*)チケット)をチェックする場所はなく、ボランタリーな制度となっている。
*「うつぐみ」とは、竹富島に昔から伝わる言葉で、”他人を大切に思う気持ち。親やご先祖様を尊ぶ気持ち”(引用)だという。
4時半のフェリーで竹富島へ。15分で到着する。フェリー乗り場は日帰りの観光客でごった返している。いったんホテルにチェックインしてから、身軽になって島内を周回する。人通りはほとんどない。日が沈む時間に合わせて、夕陽スポットとして有名らしい西桟橋へ。すでに多くの観光客が集まっている。西空には、かなり雲が出ていて、夕陽の沈む姿は雲に遮られたが、夕陽に照らされた雲が様々な色合いや模様に染まって、素晴らしい「絵」になった。
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夜、食事(※)を済ませた後、星の観察にもう一度西桟橋まで、今度は歩いて出かける。10分もかからないが、浜に続く道は真っ暗で、浜も人工の光はなく足元は星明かりだけが頼り。すれ違いに浜から帰っていくグループがあったが、その後は人で浜に立って星空を眺めていた。しばらくするとやはり一人男性が星空の観察にやってきたが、それ以降、誰も来なかった。雲の湧き出し、消失が早く、目まぐるしく星が出たり隠れたりする。しばらく、砂浜にレジャーシートを広げて寝転んで空を眺めて過ごした。金星が、西の空低くとびきり輝いている(マイナス4等)。カノープスは最初は見えていたが南の低い空には雲が多くなってすぐに見えなくなった。火星が頭上に輝いていて見えている。天の川は頭上部分に微かに見えているが、空の低い部分には雲が多くなり、天の川と雲の区別がつかなくなった。
(※)こじんまりした居心地のよいリゾートホテルで、料金もとてもリーゾナブルであった。さらに、食事も質、量ともに申し分のない内容であった。
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(※※)南十字星について
石垣島では、12月から6月ごろまで、南十字星を観測することができる。しかし、南中時刻の前後1時間程度しか地平線上に現れないので、南中時刻が夜8時から10時ごろになる5月から6月ごろが見頃である。今回の旅の3月中旬では、夜中の2時頃が南中時刻のため、天気が良くても、観測はかなり厳しい。ということで、今回、南十字星を観測することはできなかった。なお、石垣島からは、全天に21ある全ての1等星が観測でき、88ある星座の84を見ることができるのだという。
2。竹富島周遊 29km
朝から晴れ。爽やかな空気。10時にチェックアウトし、荷物を預けて島内をポタリング。
10時半、島内唯一の売店「たきどぅん」(※)を昨夕に続き訪れたが、閉まっている。10時ー18時開店のはずなのだが・・・。このお店のおばあちゃんは、竹富島のことはなんでも知っていて、訪れる人と気さくに話をしてくれると聞いていたので、このおばあちゃんと会話するのを楽しみにしていた。とても残念だった。
※「たきどぅん」:最初に竹富島に渡来して村を開いたと伝わる伝承上の人物の名前に由来。石垣方言で竹富島のことを指すという。
集落を抜けて島の東南にあるアイヤル浜へ行ってみることにした。未舗装の小道が浜へ続いているのだが、途中に「星野や」の入り口がひっそりとある。この道は「蝶の道」と名付けられていて、名前の通り様々な蝶が舞っている。シロオビアゲハやスジグロカバマダラなどが見られた。
浜に出ると二、三人の姿があるだけで、静かな浜だった。左手東の方に、石垣島の市街地が間近に見える。浜のゴミ拾いをする。
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今度は、島の南西にあるカイジ浜へ向かう。南端にも道が伸びているが、そのさきはユーグレナの生産工場があり、一般の者は通行できない道になっていた。10時50分ごろ到着。浜遊びの家族連れが多く訪れていた。この砂浜には、「星砂」という、星の形をした小さな砂が混じっていて、これは有孔虫の死骸だという。この「星砂」を売っている出店もあったが、砂をいくら掬って探しても、一つも「星砂」は見つからなかった。
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12時10分ごろ、再び売店「たきどぅん」を訪れるが、やはり閉まっている。12時半ごろから、お昼の食事処を探すが、閉まっているお店や、すでに閉店のお店ばかりで、途方に暮れる。やっと見つけたお店「ガーデンあさひ」は、13時半ラストオーダーで、行列ができている。それでも他に選択肢がないので、並んで待つ。なんとかお店に入れて、食事をすることができる。私が「豚丼」、同行者が「アグーカレー」。
13時45分出発。集落の中心にある「なごみの塔」へ登ってみる。 塔の最上部はコロナ禍のため登れないようになっていて、島の風景を上から眺めることはできない。すぐ隣の無人のお店の屋上が展望台になっており、百円払って登ってみ見たところ、島を上から俯瞰することができた。なるほど、赤瓦で統一された家屋の家並みは、白砂の小径と調和して美しい。もっとも、ヨーロッパの田舎の町や村はみんなこんな風情であることを思い出し、日本の伝統的な集落の景観破壊の酷さを思い知ることにもなった。
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いったんホテルに戻り、預けてあった荷物を引き取ってフェリー乗り場へ。
14時半フェリー出発。14時45分、石垣島ターミナル到着。ここから、石垣空港まで、海沿いの国道390号を自転車で走る。石垣空港に到着することで、4日前と3日前に走ったルートと合わせて、石垣島一周を完走したことになった。
*** 終わり ***