タニシさんが語った「悪意って怖い」は未だ心に残っています。 OKOWAの怖談士さんは様々なジャンルの方が参戦していますが例えば、事実を淡々と語るえん魔さんの怖談に決定的な悪意はなく、自ら悪意を取り込んでそれを表現する桜子さんがいて、悪意といっても色々な解釈があると思いました。 功太さんが仰る喜怒哀楽を表現する語りは、深津さくらさんもTOKYO6 で披露されたんだと思います。 上里さんとの対決で語られた怖談からは、怒りが伝わってきました。 対して、著書怪談びたりの「アー
前日の組み合わせ抽選会、FINALの入場時の上里さんは、じりじりと毛を逆立てる狼のように見えました。 TOKYO6 の本戦前の休憩中、物販をされていたのでCDを購入しながら少しお話させて頂きました。 頑張って下さい!はーい😊みたいなノリだったのに、本番の気迫、ビリビリ感は群を抜いてました。 今にして思えばTOKYO6 の組み合わせ抽選会でも俯き加減で言葉数も少なく、いつもにこやかな印象の上里さんとは違う、少し怖い感じが漂っていました。 4月から優勝を狙う為に牙を研いでひた
「怖いだけが怪談じゃない」の全く新しい形を見せて頂きました。 準決勝はとにかく悲しくて、涙が止まりませんでした。 人目を憚らずあれだけ泣いたのは高校生以来です。 功太さんの、重さを感じる擬音表現が本当に素晴らしいです。 階段を下りるトントントントン。 お皿を置くコトン。 「小さい」ではなく、ふわっと浮き上がるような軽さを感じて、上質な音楽のようだとも感じました。 登場人物の性別ごと声のトーンを変えることなく終始功太さんの声なのに、ちゃんと女性が話しているように聞こえる、息
事故物件住みます芸人は最早、タニシさんを直接示す代名詞ですが、松原タニシという枠に捕らわれない、試合毎に違う自由な発想の怖談を楽しみにしていました。 今回はどんな話しなんだろうとワクワクするのが、タニシさんの怖談です。 怖いってなに? FINAL対戦相手の中山功太さん、上里洋志さん、語り部•匠平さんの3怖談士だけでなく、2018年からの全怖談士、観客視聴者までをも巻き込んでOKOWA全体に問うた語りは、説法や教誡のようにも聞こえ、タニシさん以外では成立し得ない唯一無二の怖
午前中からそぼ降る雨は午後にはとっくに止んでいて、会場は異様な熱を帯びていました。 令和3年9月12日、緊急事態宣言下の大阪、ABCホール。 OKOWA 2020 FINALの決戦を見届けるべく、私は会場に足を運びました。 匠平さんの入場時の雄叫びは出陣の法螺貝のようで、ああ、OKOWAの戦いが始まるんだ!という気持ちにしてくれます。 やっぱり匠平さんはOKOWAになくてはならない方だとつくづく思います。 匠平さんの開幕戦であるJAPAN ROUNDも会場で観戦してい
関西ラジオ「松原タニシの生きる」 死トゥルフ神話のコーナーに投稿した作品です。 俺は兵頭が怖い。 言葉にできないが怖い。 事務所の先輩や後輩、マネージャーや現場のスタッフは誰も気づいていない。 兵頭の中の何かが怖いのは俺だけだ。 水曜日。 だから俺は兵頭をある場所に誘った。 「えー…そんなんスタッフさんと行けばええやないですか。なんで僕なんすか」 「スタッフにドッキリを仕掛けたいからそのロケハン」と、渋る兵頭をなんとか連れ出すことに成功した。 夜の東尋坊は人はおろか、
関西ラジオ「松原タニシの生きる」の 死トゥルフ神話のコーナーに投稿した作品です。 あなたと一度だけ、あれが最初で最後になってしまったけど、二人きりの旅で訪れたこの場所にきています。 吊り橋から見下ろした海の遠さは私にはわからなかったけど、あなたは 「うっっっわめっちゃ高いやん! バリやばない!?」 と、喜んでいましたね。 嬉しそうなあなたの声と表情は、今でも脳裏に焼き付いている気がします。 半四郎落としから吹き付ける海風は今はもう冷たくて、一面に咲き誇るハマギクをキラ
新著「死る旅」出版記念記者会見は、重々しい空気の中始まった。 事故物件住みます芸人、松原タニシ氏がメインMCを務めるネット配信番組「松原タニシのおちゅーんlive!」(以下おちゅーん)内で、番組視聴者が記者となり、タニシ氏に質問を投稿する企画であった。 番組序盤、氏の口からは度々、反省の弁が述べられた。 出版記念会見のはずがまるで謝罪会見のようで、そこに芸人松原タニシの姿はなく、作家松原タニシが節目がちに、時折前を見据えて当時の状況を淡々と語っていた。 おちゅーんでは
おちゅーんの振り返り回でぶっちょさんが仰っていた 「感覚的に怖い人が選ばれた」 まさしくその通りだと思いました。 ここで怖談士毎の感想を書き連ねましたが、これは全て後付けです。 会場での自分自身の感覚を思い出して、言葉を肉付けしてできた感想です。 直後に出てくる言葉は「すごい」だけでした。 TOKYO 6 はすぐに言葉にならない程、感覚に訴えかけるOKOWAでした。 会場票はどちらかにしか投票出来ないので、この語りが…や、構成力が…を考える間もなく一票を投じなければなりませ
会場とツイキャス有料配信のみの、チーム対抗エキシビジョンマッチです。 OKOWAは本戦は元より、エキシビジョンの力の入れ方もおかしいので(褒めています)出演怖談士の皆さんも伸び伸びと語られて、毎度とても楽しませて頂いています。 今回はゴールデンホラーズのお二人、夜馬裕さんとインディさんの活躍が特に目立っていました。 お二人の怖談の応酬でしたが、そんな中でもお笑い倶楽部の梅木カブチェンコさん、BBゴローさん、みわゆうすけさんのお三方が素晴らしかったと思います。 ゴローさん
第三試合 後攻は語り部匠平さん。 後遺症ラジオの中山先生が体験された、匠平さんサイドの障る怖談でした。 札幌のスリラーナイトで毎晩の様に怪談を語られている匠平さんは、これまでは漠然と語りがすごい方だと思っていました。 真っ暗な床下を確認するというアシスタントさんのエピソード。 性別の説明はあとからされるのに、ぱっと明るくなる表情と、手の所作だけで若い女性だと分かりました。 声色は少し高くなっただけの匠平さんなのに、一瞬の所作だけで聞き手を一気に怖談に引き込む綿密さを発見
第三試合 先行の田中俊行さん。 JAPAN ROUND終了後に田中さんは、今回のこれが一番怖い話、もうないよと仰っていましたが、先を見据えた時にどの怖談を当ててくるのかは、あの田中さんでさえ避けては通れない道なんだと思いました。 田中さんは四の章から、実際に起きた事件に纏わる怖談をここぞという対戦で披露されてきたように思います。 シードとして参戦したJAPAN ROUNDでの怖談が素晴らしかっただけに、対戦相手の匠平さんだけでなく、この時の田中さん越えを果たさないと勝ち抜
第二試合 後攻の深津さくらさん。 人怖を語ることも珍しいさくらさんですが、ストレートなクライム系怖談というのがまず驚きました。 大学生時代のアルバイト先での出来事は、さくらさんにとっていい思い出だったかのように聞こえました。 さくらさんも同じ大学生という境遇から、男性会員の人あたりの良さも手伝って、いい印象を持っていたことがひしひしと伝わりました。 件の男性会員の正体が分かってからは敬称を除いてTと呼び、口調も硬く焦燥や怒りが込められたような印象の、前のめりな語り口に変化
第二試合 先行の上里洋志さん 第一試合から壮絶な対戦だったので、余韻からなかなか抜け出せず、ややぼーっとしていました。 しかし冒頭の 「ばあちゃん、ごめんね」 この一言で切り替えることができました。 天を見上げた上里さんは恐らく、本心からお婆さんにそう伝えたかったんだと思いますが、まさかこれが伏線になるとは思いも寄りませんでした。 桜子ねえさんはVRでしたが、上里さんは嗅覚に訴えかける怖談でした。 飛行機内で不意に現れた真っ赤な何か。 最初のイメージは全身が焼け爛れた
第一試合 後攻の松原タニシさん。 ものすごく練られた怖談に、純粋にやられた!と思いました。 まさに試合巧者でした。 OKOWA2020は会場票が決め手になっていると感じていました。 大阪闘争から勝ち上がり、JAPAN ROUNDでは会場票の差で壱夜さんに辛勝したタニシさんは、今回は会場票を狙ってきたんだと感じました。 タニシさんには珍しく大きな、圧のある真っ直ぐな発声に度肝を抜かれて、 配信でも確認できるマイクの残響は会場では隅々まで行き渡って、客席を飲み込んで行きました
4/24に浅草5656会館にて、OKOWA TOKYO 6が開催されました。 ベスト6の怖談を間近で聞きたくて、私は会場に赴きました。 第一試合 先行の石野桜子さん 怖談士石野桜子を初めて会場で体感しました。 世界観に引っ張り込む力は全怖談士中トップクラス。 ランキング2位の実力は、まさにVR石野桜子でした。 こちらの呼吸を乱すような間の取り方も、視線ひとつ、息遣いひとつも素晴らしかった。 過去のOKOWAや他の賞レースでは、首筋が毛羽立つ感覚は度々ありましたが、みぞ