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(029) 積読蔵出し(『あのころの未来 星新一の預言』最相葉月)

しばらく積読本を蔵出ししようと思います。
読んでいないので中身についてあまり言及できませんが。

下の写真は『絶対音感』『青いバラ』などのノンフィクション作家・最相葉月の作品『あのころの未来 星新一の預言』(新潮社)。

2003年発表の熟成20年もの。少し黄ばんでしまっています。
20年前の “あのころの未来“。レトロフューチャー。

この本はノンフィクションというよりも星新一が書いた話を引きながら、20年前の“現在“を書いたエッセイです。ポイントは副題の“預言“
“予言“ではなく“預言“。
星新一が幻視した未来、我々に託した物語。

まったく目を通さないとこれ以上は書けないので、パラパラと見てみると、現在なお課題となっていることが書かれていることに気づきました。

ネット上の誹謗中傷と監視
安楽死
遺伝子組み換え

等々。

20年経って問題が顕在化する一方で少しは進んでいるとは言え、何らかの落着まで先が見えていない現状に私は人類に軽く絶望し、ちょっと読む気になりました。

この作品から数年後、著者は星新一の評伝『星新一 一〇〇一話をつくった人』を発表します。「一〇〇一話をつくった人」の方は読みましたが、内容は覚えていません。
『あのころの未来』を読むついでに読み返そうかな。

装幀はクラフト・エヴィング商會のお二方です。


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