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2021年7月12日週 赤瀬川原平、クリスチャン・ボルタンスキー死去、小山田圭吾の件でモヤる
7月12日から7月18日までの読書に関する日記・備忘・そのほか。思い出したこと三つ。
尾辻克彦『父が消えた』
尾辻克彦の『父が消えた』を読む。
尾辻克彦は赤瀬川原平の作家としての名前。
赤瀬川原平は『新解さんの謎』や『超芸術・トマソン』で有名であり、読売アンデパンダン展へ出展していた芸術家でもあった。そして、芥川賞作家でもあった。作家としての赤瀬川をほとんど知らないことに思い至り、受賞作を読んでみることにした。
40年前の作品の古さは否めない。
亡くなった父親の墓を検討するために三鷹から高尾の都営霊園まで行く電車内や墓地に着いてから、今までの自分の人生や父親が亡くなる前後のことを思い返し考えるという私小説。
内容は古くはあるものの、鮮やかで魅力的な描写はさすがに芸術家だなぁと思う。
結局その名古屋の団地に残ったのは、ちょうど恒星の進化の末期における新星爆発で、外層のほとんどの物質を宇宙空間に吹き飛ばし、わずかに芯の部分だけが残ったという白色矮星のような、年老いた父と母の二人だけだった。
千葉市美術館での赤瀬川原平の回顧展を思い出した。
クリスチャン・ボルタンスキー逝去
クリスチャン・ボルタンスキーが逝去したことを知る。
越後妻有のトリエンナーレ『大地の芸術祭』で観た作品や目黒の東京都庭園美術館の個展が素晴らしかったことを思い出した。
小山田圭吾の件でモヤる
小山田圭吾はフリッパーズ・ギターの頃、何だったらその前身バンドから知っていて、今もなお関心を持ち続けている。ロッキングオン、QJの例の記事のことも当然リアルタイムで知っていた。
その上で今回の件はどうもモヤモヤする。
彼がどうとかではなく周囲、特に非難する側の態度に。
非難といってもいくつかパターンがあり、納得のある言葉もあれば、なぜお前がそれを言うのかと思ってしまうような発言もある。
俺としては、彼がクズであったとしても作品は良いと思うしこれからも聴き続ける。ただそれだけ。
オリ・パラの仕事がどうとか、反省しているかどうかにはあまり関心はない。イジメをしていたことにも興味はない。人としての小山田圭吾には興味はなく、コーネリアスに興味があるのだ。
ついでにオリンピックにも興味がない。
それだけに、いろいろ言う人の気持ちがわからないんだろうな。
もちろんイジメはNGだし、過去の露悪的な振舞いも快くは思っていない。
フリッパーズ・ギターの最後のツアーのチケットが取れなかったことを思い出した。もっともそのツアーは急な解散で幻になったのだが。
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