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トリガーポイントリリースで結果を出すための2つの方法とコツの紹介


2021年1月1日に記事全体を追記、付記しました(^^♪

2021年2月2日にハンドマニピュレーション系のリリースのコツを追記、付記しました(^^♪

2021年5月19日にストレッチ系を追記、付記しました

2021年10月1日にハンドマニピュレーション系の記事を追記しました


今年で臨床11年目を迎え、筋筋膜アプローチで一番強烈に効果が出るのがこのトリガーポイントアプローチだと実感しています


最近トリガーポイントの醍醐味である『関連痛、放散痛』いわゆる『響き』の再現率が勤務時代よりも向上しています。

それと比例して症状改善率も一緒に向上していて、施術後が患者さんが喜んでいるのを見てとても嬉しいです


今は自費で施術を行っているのですが、患者さんに触れる機会、回数は勤務時代(保険診療)よりも減っていて技術力が落ちてしまうか心配していました。

が、なぜか技術力は以前よりも上がっている。

その要因を自分なりに色々分析した所、これからご紹介していくコツがしっかり基盤になっているからだと改めて感じました。

今回はハンドマニピュレーションエリアに現段階で僕が臨床の中で得たコツをいくつか追記してみましたのでよければ覗いてみて下さい!


●トリガーポイントリリースを試したけど、いまいち効果が出ない方

●トリガーポイントの教科書読んだけど、どう臨床に応用したらいいの?と思っている方

●トリガーポイントリリースで今よりも結果が出したい方

こういった悩みを持っている方は是非!!



まず入門編として

『トリガーポイントってなんぞや⁉』という方は

まずはこちらの記事を




トリガーポイントアプローチについて


まず初めに

以前の記事でも触れましたが

改めてトリガーポイントとはなにか?を簡潔に。


トリガーポイントは

筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)とも言われますが正確にはトリガーポイントが形成され、それに起因しMPSが発生するという表現が適切かと思います。
トリガーポイントは機械刺激に対する感受性が高まっている過敏点です。つまり圧痛が強い場所。トリガーポイントが出来ると、限局性圧痛 だけでなく、身体の他の部位にも様々な症状を引き起こします。


アプローチ方法は多岐に渡りますが、ご紹介するのはこの2種類

Ⅰ:ハンドマニピュレーション系

Ⅱ:ストレッチ系


臨床11年目で様々なことを試した結果、この2つのアプローチによって

トリガーポイントを効率よくリリースできると実感しています。


Ⅰ:ハンドマニピュレーション系


まずハンドマニピュレーションから

大まかに言うと全部で3パターンのアプローチ方法があります


①持続圧迫刺激(虚血性圧迫)

②振幅性刺激

③アスター(アクティブ・ソフト・ティシュー・リリース)


ハンドマニピュレーション系の特徴は即効性リリース精度に優れています

控え目言っても、一番効果が出ます

持続圧迫刺激 要は押圧ですね

症状に起因しているトリガーポイントを捉えて、ただ押すだけ!
それだけです!

触診とトリガーポイントを探す技術が身に付いたらすぐに臨床で使えますし
症状の改善率もあがります!

押圧時間は様々な見解がありますが、

一般的には30秒から1分程度は刺激を入れた方が良いと言われています。

相手の症状やコンディション(睡眠、栄養、メンタル)、施術者のスキル、施術者と相手の信頼関係などリリース時間を左右する要因が多いことを踏まえても確実に30秒以上は刺激をいれた方がいいです。

(逆に短すぎる時間はトリガーポイントを活性化するとも言われています)

私は場合によっては3分以上刺激を入れるケースあります。

その工程を2~3回程度行えば
トリガーポイントを効率良く鎮静化できます。

次に
②振幅性刺激

要は横断マッサージと縦断マッサージ ですね
トリガーポイントを確認したら、その場所に対して横断マッサージや縦断マッサージでリリースしていきます。

補足
・横断マッサージは
トリガーポイントのある筋繊維に対して直角に組織を動かすこと
‣縦断マッサージは
トリガーポイントのある筋繊維に対して平行に組織を動かすこと


最後に
アスター これは徒手療法会では有名な手技ですね
概要は

ASTR(Active Soft Tissue Release:アスター)とは、特定の軟部組織(筋、筋膜、靭帯、腱、腱鞘)を局所的に圧迫固定しつつ、隣接した関節の運動(自動・自動介助・他動)を行うことで、より効果的なストレッチを施す手技療法のテクニックの1つである。問題となる組織に対して局所的な圧迫と関節運動を組み合わせるというシンプルな方法だが、時に目を見張るような効果を上げることがある。身体の故障のうち結合組織にかかわるものなら、日常のちょっとした痛みの相談から慢性的で複雑な痛みの治療や機能障害の改善に至るまで応用分野は幅広く、臨床のバリエーションの1つとしてぜひ加えていただきたいテクニックだ。

痛みの臨床に役立つ手技療法ASTR―軟部組織へのシンプルで効果的なアプローチから抜粋

といった感じです

振幅性、アスター、どちらもノーマルの押圧刺激よりもトリガーポイントのリリーススピードは速いです!

しかしこのハンドマニピュレーション系には

2つほど注意しなくてはなりません。

それは「ある程度の刺激量が必要な事」と「相手との調和が大切」

要は『相手が結構な確率で痛みを感じる』ってことです。

もちろん、無意味に痛がらせてはいけませんし

ましてやいい加減の圧でもいけません。

この刺激量が難しいので振幅性とアスターは少し応用編といった扱いです

しかし相手のリアクション、トリガーポイントの状態を

確認しながら適切な圧をかけていけば、

俗に言う『痛気持ちいい』の感覚になり

リリース精度、スピードも俄然、向上します!

またトリガーポイント特有の関連痛も発生させやすくなります。

(※関連痛の再現率は100%でありません。ベテランの方でも5割から6割程度の再現率.。関連痛に捉われ過ぎないように注意しましょう!)

先ほどの刺激量の話に戻りますが

10秒で!、触れるだけで!、一瞬で!! などのビックリ手技も世の中にはたくさんあります。そういったアプローチで結果(症状の改善や動作の変化)が出るのも事実です。また遠隔治療と言って、疼痛場所とはほど遠い場所をアプローチすることで結果でるケースもあります。

トリガーポイントの概念から考えると少々難しいですが

そういったテクニックも使い方次第で有能な武器になります。

たとえば

中殿筋のトリガーポイントが原因で腰痛が発症していたケース

そこをリリースしたい

でも相手の閾値がとても低い状態ではなかなか徒手介入が困難な状態。

臨床経験からストレスフルの状態の方は特にそうです

(東洋医学的にいうと拒按=身体のエネルギーが不足している状態)

そういった方には原因筋より遠位の腓腹筋や腓骨筋などからアプローチしていくと

非常に介入が容易になります。

トリガーポイント×〇〇といった具合でトリガーポイントと違う概念を組み合わせることで臨床結果も飛躍的にあがり、臨床がより楽しくなりますし相手(患者さん、クライアント)の悩みを効率良く解決でき、セラピスト冥利に尽きること間違いなしです。

私も臨床ではキートリガーポイントとサテライトトリガーポイントを

考慮しながらアプローチするように心掛けています。

ハンドマニピュレーションリリース最大のコツをお伝えしたいと思います!

リリース最大のコツ。それは・・・

壁(骨)にむかってトリガーポイントを圧迫していくことです。

基本中の基本ですが、意識することで効果が俄然変わってきます

原理は簡単です。ゴム風船を手で圧し潰したい時、ゴム風船をどのような場所にセットするでしょうか? 間違いなく硬い場所にゴムボール置いて体重をかけて行くと思います。トリガーポイントリリースでも同じでトリガーポイントを見つけていざ、リリース! と思っても捉え獲物を逃がしてしまっては効果は出ないし、相手に不快な思いをさせるはで全く結果が出ません。

これは実体験ですが、まだまだ技術不足、経験不足の時に患者さんによく防御性収縮を入れてしまっていました。とりあえずトリガーポイントをほぐせばオッケー!みたいな精神で細かなこと気にも留めずにガンガンリリースしていた時期もありますが、施術後に揉み返しで辛い、内出血がでた。などの悲痛な声もたくさん頂きました(/ω\) 

ですから、トリガーポイントを捉えたらむやみやたらに押すのではなくリリース角度を調整して、その後ろに壁になるような硬い組織はないかを探ってみてください。

そうすることで施術側にも余計な力も必要ありませんし、相手との調和も感じ易くなります。『相手との調和』はハンドマニュアルセラピーではこのポイントは外せません。


練習方法はご自身の下腿や前腕がオススメです。

そしてペアで練習するときは関連痛が出しやすい前脛骨筋や腰方形筋がオススメです。慣れてきたら小殿筋やハムストなども練習してみてください。



ハンドマニピュレーション系のまとめ

・トリガーポイントを最も改善できるリリース方法

・ハンドマニピュレーションのメリット、デメリットを理解しリリース効果を最大化させる

・相手の反応を観察しながら強さ、方向をコントロールしていく



Ⅱ:ストレッチリリース系

続いてはストレッチでトリガーポイントを改善させていく方法です。

ではストレッチはスタティックだけではなく

主にMETをメインにしています

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※MET(マッスルエナジーテクニック)

METはもともとオステオパシーの手技の一つです

簡単に説明すると

主動筋の等尺性筋収縮後のリラクセーションおよび拮抗筋の相反抑制を利用する手技 とされています

主にPIRRIというこの二つの神経生理学的作用があります

まず

PIR(Post-isometric-relaxation)→等尺性収縮後の弛緩【Ⅰb抑制】

・PIR(等尺性収縮後弛緩テクニック)を簡単に言うと

臨床例で表すと

ハムストリングスにトリガーポイントを確認。等尺性収縮を行うと、ハムストリングスが縮む分だけ腱には伸張刺激が加わる。するとIb抑制(自己抑制)が生じて、ハムストリングスのトリガーポイントが沈静化する

といった形です

次に

RI(Rhythmic innervation)→相反神経抑制【Ⅰa抑制】

臨床例で表すと

ハムストリングにトリガーポイントを確認。拮抗筋である大腿四頭筋に収縮をいれることにより抑制性介在ニューロンが働きハムストリングスのトリガーポイントが沈静化する

といった方法です。


こういった筋肉の収縮を利用したストレッチの方が

静的(スタティック)ストレッチよりも俄然リリーススピードは速いです。

またこのストレッチ(MET)の良い点は狙った筋肉全体に一気にアプローチできるといったメリットがあります。

特にハムストリングスやクワドロ、ガストロなどの下肢は筋のボリュームや長さもあるのでマニュアルで全ての硬結をリリースすることはどうしたって時間がかかります。そこでこのストレッチを上手に活用してトリガーポイントを効率良くリリースすることが可能です。

また大胸筋や小胸筋などの触覚防衛が強く、デリケートな場所はマニュアルでのリリースに向いていないケースもあります。

そういったケースにも対応するためにもストレッチでリリースで手段を覚えておくメリットは十分にあります。


ちなみにストレッチを効かせる3つのコツは

①相手を観察し、部位の制限にあった力

②固定箇所を作り、狙った部位を正しく伸ばすこと

③すべての筋肉をストレッチで伸ばそうとしないこと(頑張り過ぎない)

私は特にこの三つを意識してストレッチを行っています。


たかがストレッチ、されどストレッチ。

相手に触れて、関節を動かし筋肉を伸ばす行為なので

できる限りソフトに、そして丁寧に誘導することでストレッチの効果も変わってくるのでセラピスト側も結果を求め過ぎずに筋肉が変化するのを待ってあげてください。

また相手に筋収縮をいれるこのMETは

言葉がけ、指示(以後キューイング)もとても重要になってきます。

ストレッチ効果を最大限引き出すには筋収縮をいれることが一番です

しかし正しく収縮が入らないと効果半減どころか、症状悪化してしまうリスクもありますにでこのキューイングスキルはストレッチ効果を左右すると言っても過言ではありません。

キューイングには全部で4種類あり、

①バーバルキューイング

②ビジュアルキューイング

③タックタイルキューイング

④イメージキューイング    

紹介のみとなりますが次回以降に具体的にご説明したいと思います。


ストレッチ系のまとめ

・ストレッチの際に筋収縮を入れる方法がもっとも効果が高い

・三つのストレッチのコツの紹介

・キューイングを使いこなし運動療法に応用




今回は私が臨床で取り入れているトリガーポイントリリースの大まかな方法を紹介させて頂きました。すこしでも臨床の一助になれば幸いです

ありがとうございました!

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