映画を観た記録56 2024年3月2日 デニス・ホッパー『カラーズ 天使の消えた街』
Amazon Prime Videoでデニス・ホッパー『カラーズ 天使の消えた街』を観る。
デニス・ホッパー衝撃の問題作。
物語は、ヤクを売りさばく黒人ギャング団の抗争を取り閉まる警察コンビに若きショーン・ペンとベテラン俳優・ロバート・デュバルが組む。ショーン・ペンは鼻息だけ荒かったが、デュバルと仕事をしていくことで成長していくという物語とギャング団との抗争が絡む。
ロバート・デュバルは結局、ギャング団に殺されてしまうのである。
舞台のロスの一角のギャングに支配された街は、ペンキの落書きだらけである。ギャング団は黒人だけでもなく、南米人も加わっている。カラーズとは、有色人種の事を指す。
ギャング団には、幾人かの女性も加わっており、夜な夜なパーティーやセックスもしている。
ペンとデュバルが他数名の警察が乗り込んだ、ギャング団の家では、早速逮捕された者とは別の部屋でセックスをしており、女性は陰毛を見せたまんま、オールヌードで手錠をかけられている。そのまま署に連行されてしまうのかと思うと、不憫にも感じた。
ペンが一夜をともにしたカラーズの女性もギャングの仲間だったのである。ペンはショックをうける。
音楽は、ヒップホップが大量に流れる。
その音楽とは別にヒップホップにはまっていたころのハービー・ハンコックの音楽も流れる。『処女航海』のハンコックではない。
撮影監督は社会派のハスケル・ウェクスラーである。ロケ撮影が素晴らしいです。ドキュメンタリー・タッチな映像がとても素晴らしいです。夜の道路には水を撒くようなことがしていないです。
『カラーズ』を観ると、日本のやくざ映画もお決まりのお遊びにしか見えない。『カラーズ』のすごいところは撮影監督が、ジェーン・フォンダと共にベトナム戦争中のベトナムへ飛んだハスケル・ウェクスラーである。デニス・ホッパー、さすがに鋭い。
ある意味、味わい深い映画である。
ベテラン警察と新米が組む映画には、イーストウッドの『ルーキー』という映画もある。これは、ベテランはイーストウッド、新米はチャーリー・シーンである。
『カラーズ』の衝撃度は、『仁義なき戦い』を上回るかも。
デニス・ホッパー監督、ロバート・デュバル、ショーン・ペン主演『カラーズ』が、なぜ、『仁義なき戦い』より上回っているのかというと、『カラーズ』のギャングたちは少年少女なのだ。つまり、『仁義なき戦い』のようなプロ集団ではないのだ。少年少女というか青年なのだが、彼らが散弾銃、マシンガン、ダイナマイトを使い、そして車を乗り回し、警察を欺き、ヤクも売るのだ。その構成員が、7万人もいるのだ。