映画を観た記録220 2024年11月21日 スチュアート・ヘイスラー『東京ジョー』
Amazon Prime Videoでスチュアート・ヘイスラー『東京ジョー』を観る。
ハンフリー・ボガード演じるジョーは、第二次世界大戦以前は、東京で東京ジョーというバーを、日本のイトウとともに開いていた。
戦争になり、戦中に出会ったロシア人女性とも別れ、軍役につき、東京に戻ってきたジョーは、ロシア人女性は、他の男と結婚していたのを知るのであった…
そのジョーに絡んでくるのが、早川雪州演じるキムラ男爵であり、その右翼は戦犯を連れ戻し、旧日本軍の決起を企んでいた。ジョーはその陰謀に巻き込まれ、ジョーとロシア人女性のあいだにできた娘はそのキムラ男爵の手下が誘拐していたのだ。
本作は、ジョーを演じるハンフリー・ボガードが、自殺を試みたイトウに、「敵はアメリカではない、占領軍は日本人が自分たちの権利を立ち上がるためことができるようにするためにいるのだ。」と語る。このセリフは素晴らしい。但し、このセリフを聞くと、多くのナショナリスティックな日本人はGHQの洗脳だとわめくのだろう。日本人はそうやって反発して結局、普遍的な理念である民主主義を得るのではなく、いつも民族主義へ閉じこもるのである。それは左翼と呼ばれる連中もそうなのである。
本作のとっても良いシーンは、映画前半で、ボガード演じるジョーと日本人男性イトウの柔道である。無邪気で取っ組み合いで美しくさえある。
早川雪州演じる、キムラ男爵は、得体のしれない男として描かれている。
1949年当時の戦後日本が映し出される。
なかなかシブい映画である。