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研究、社会実証、そして社会実装について

実証とは、一般的な定義として事実によって確かであることの確証を得ること。事実を拠り所として証明すること。と定義されていることが多いようです。特に、社会実証となると、主に新しい技術や製品、サービスモデル等が実際に私たちの住んでいる社会(まち・くらし・しごとの場)において、効果、価値、妥当性等があるか、実際に利活用・導入することによって証明すること、と定義されることが多いようです。

また、ウィキペディアでは、社会実験を、「新たな制度や技術などの施策を導入する際、場所と期間を限定して試行することで、有効性を検証したり問題を把握し、時にはその施策の本格導入を見送るかを判断する材料とするもの。 実証実験(じっしょうじっけん)とも呼ばれる。 地域住民との意見交換ならびに周知と合意形成も兼ねている。」と定義されています。社会実験の中には制度・仕組み・ルール等も含まれていますね。この辺り、社会実証、社会実験などは、ほぼ同意語的に使われている感じですね。

なので、社会実証=社会実験と考えてもよさそうですが、リビングラボなども社会実証の一部と考えると、社会実証の中でも規模によってアプローチが変わるのではないでしょうか。とりわけ、社会実証という行為には、実際に現実の社会において、ある政策やプログラムが効果的であるかどうかを評価することも目的の1つになっており、単なる技術の市場化テストではありません。

また、社会実装という言葉もありますが。これは、特に新しい技術の面に注目し、その新しい技術をうまく社会に普及させていくための活動をさしていることが多いようです。いわゆる事業化・産業化に展開していく活動ですね。

社会実装プロセスにイノベーションが無い日本

そして、現在の日本に足りていないのが、社会実装するフェイズ(プロセス)ではないでしょうか。

広義の研究開発段階では、いわゆる産学連携やリビングラボ等で研究開発〜リビングラボ・社会実証を繰り返し実施し、論文にしたり発表したりしていますよね。よくニュースや新聞記事なんかにもなっています。特にこの部分には国から多額の補助金・助成金が投入されています。いわゆるIT化に関する競争的資金だけでも、この数年で、社会実証(地域実証)等に600億円以上が投入されているとも最近の新聞には書かれていました。

これでは、いつまで経っても産業化(あるいは社会変革)は鳴かず飛ばずで、関連するスタートアップも疲弊し、脱落していくところも出てきます。

しかし、大企業の中には、社会実証(地域実証)に係る競争的資金の獲得そのものを自社の売上と考えて躍起になっている企業も実際に見受けられます。そんな、企業は、実際に技術が社会実装されようがいまいが、真剣に考えていません。むしろ、実証段階が続いて、いろんな地域で地域実証に絡むお金がもらえる方が売上になるのですから。。。

ということから考えて、今の日本に足らないのは、社会実証から社会実装に至るプロセス(手法・機能・組織・活動・資金調達、その他etc)におけるイノベーションではないでしょうか。言い方を変えると社会実装プロセスイノベーションが無いのかもしれません。

それには、以下のような変革の視点が必要では無いでしょうか。

  1. 経済的変革:経済的な力を用いて社会を変える方法です。例えば、資本主義から社会主義への経済体制の転換、富の再分配、福祉制度の整備などがあります。

  2. 文化的変革:文化的な力を用いて社会を変える方法です。例えば、価値観や意識の変革、人々のライフスタイルの変化、教育制度の改革などがあります。

  3. 技術の変革:技術の進歩を活用して社会を変える方法です。例えば、情報通信技術の進歩による社会変革、環境技術の開発による社会問題の解決などがあります。

  4. 個人的変革:個人の意識や行動の変化によって社会を変える方法です。例えば、個人が環境保護活動や社会運動に参加することによって、社会変革を促進することができます。

DXとか叫ぶ前に、それらの視点からイノベーションの方法(プロセスの変革)を考えることも必要なのでは無いでしょうか。


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