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サカナサカナと銚子めし。

ツマが「サカナサカナ」と言うので銚子までクルマを走らせる。今時旨い魚料理にはどこでもありつけるのだが、そういうことではない。そんな気分に騙されて出かける事に価値があるのだ。

まったくリサーチをしていなかったので、とりあえず直売センターやレストランを併設しているウオッセ21へ。銚子に行くのは久しぶり。ましてこのウオッセ21は30年近く前のまだ生まれたての頃以来じゃないだろうか。もっと広かったような、というのはよくある記憶の改ざんなんだろうな。

海鮮丼などという選択はつまらない気がして、ツマはアジのフライを。「スーパーのと違ってふっくらして美味しい」と満足の様子。こちらはカサゴの煮付けの定食を。カサゴちゃん(急にさかなクンになる)はそのグロテスクな顔立ちで、あのガラモンのモデルになったといわれている。しかし脂ののった締まりの良い白身は魚料理の王道。サワヤカにスカスカの中身を惜しみなく振りまいているどこかの誰かとは違うのだ。

スマホを手にしていると、店のオバさんが「バックにはこれね」と「銚子めし」とあるメニュー立てをずずいっと手前に持ってきた。商売上手なのだ。「かしこまりました」としっかりと収めさせていただく。

イワシのつみれ汁も。銚子に行ったら欠かせないと勝手に決めている。銚子めし、よろしくお願いします。

満足した腹をさすりながら、隣のポートタワーへ。この日は海もおだやか。広いなあと感心する利根川の河口も、アマゾンなんかにかかると春の小川にも及ばないのだ。シーズンオフのタワーは人影もまばら。善き哉。

ポートタワーから見た利根川の河口。対岸は茨城県。

海岸線を南へ、10分ほどで犬吠埼に着く。灯台前にある「犬吠テラステラス」というスポットに立ち寄って早々に帰途につく。2階のテラスには大小、角度も様々なハンモックベンチがあって海を見ながらくつろぐことができる。漁に使われる堅牢な網で、捕われの身のサカナの気分を体感?

1Fのカフェでテイクアウトしたドリンクを持ち込んでもOK。
「禁断のガトーショコラ」というのだが、要はオーガニックのチョコを使用しているということらしい。こういう禁忌に触れるようなWordにすぐ反応する人。
砕ける波濤もなくこの日の海はいたっておだやか。
真っ青な空。「犬吠埼は見よ立てり」(知っている人は知っている)なのだ。

ご無沙汰しました今日はちょっと玄関先での銚子だったが、銚子という土地は昔から妙に親近感がある。それは子どものころの銚子商業高校野球部であり、銚子電鉄であり、犬吠埼なのだが、多くの自治体の例にもれず銚子市も人口の減少に頭を悩ませている。60年前、佐倉市よりはるかに多くの人口を抱えていたはずの銚子市は、今や16万人余を擁する佐倉市の3分の1だ。銚子のような街には活気をなくしてほしくない(そのわりにはカネを落としてないじゃあないかという叱責は甘んじてお受けいたします)。これから時々は顔を出しますのでご容赦を。

サバカレー。かつて2社で製造していたが、今は1社だけが頑張っている。「いわしの黒アヒージョ」は隠し味に醤油を使用。銚子は醤油の街でもある。

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