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ジーンズに穴があいた。

もう長年履いているジーンズの膝上部がぽっかりと口をあけてしまった。若い頃ならダメージジーンズもそれはそれで好きだったのだが、齢60歳も過ぎてしまうとダメージジーンズ即ちダメジイになってしまうことは目に見えている。お気に入りの1本なので処分するには忍びなく、どこかにSTONESのワッペン(あのベロの!)があったはずだと思っていると、ツマが「STONESは見当たらないけれど吉田拓郎があった」と持ってきたので「おお、これでもいいか」と即採用。ツマの手を煩わせるのもなんなので、スーパーで発見した裁縫不要貼るだけの簡単手芸的なチューブを試してみた。何度か履いたが、まだ剥がれることなく持ちこたえている。よしよし。

ジーンズと付き合いだしてもう半世紀。毎日がオフになった今はほぼジーンズで、もうこれ以上落ち着くスタイルはない。学生時代はラッパ、スリム、オーバーオールと変遷し、結局はオーソドックスなストレートに行き着いて今に至っている。ストレッチ系は試してみるもののいまだに何だか心許なく、ゴワゴワしたトラディショナルな生地がいい。街で老若男女を問わずかっこいいジーンズルックを見かけると「ああ、いいなあ」と思うのだが、こちとらはあの頃のスタイルはどこへやらの無残な体型。とブツブツ言っているが、オノレはさしたるシャレオツでもなく製品へのディープなこだわりや知識も持ち合わせてはいない。それでも「ジーンズを履く」ということが大げさにいえば、もはやidentityを保つための重要な行為の一つになっているような気がする。

1992年、吉田拓郎が広島時代の友人と組んでいた「ミニバンド」を再結成した時に会場(確か新宿厚生年金会館)で売られていたワッペン。「Y.INOKUCHI」氏は広島の家具屋さん、「K.TANABE」氏は広島の獣医さん、「H.KOMURO」とあるのは、哲哉じゃないほうのおじいさんで「ミニバンド」の人ではありません。

見出しのイラストは「つめだえん」さんの作品をお借りしました。ありがとうございます。

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