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ネコ猫ローズガーデン

バラ好きのご夫婦が開墾した手作りの庭に、いつの間にやら住みついたネコたち。11月も半ば、房総は君津の山中にある「ドリプレ・ローズガーデン」へ約10年ぶりの再訪。その後メディアに度々とりあげられて今やすっかり有名スポットになってしまった。悪しき様変わりなどしていなければというのはまったくの杞憂、平日ということもあって以前と変わらないゆっくりとした時間がそこには流れていた。

駐車場にクルマを止めると、いきなりネコが寄ってきた。「ちゃんとおカネ払ってね。あたしたちの食事のグレードにも響くんだから」と言っている。人気スポットになって警備も強化されたらしい。わかりました。

ネコはそのままわが家のクルマを見張り台にしてしまった。もっと高い屋根のクルマがあるだろうに。受付で手渡されるパンフ「CAT  STAFF」によるとシカという名前のメス。「おてんば木登り猫」とある。なるほど。  
自然樹形の大きな森の木々に囲まれ野趣に富んだ庭。

バラは見頃をとうに過ぎてしまったが、庭はそのぶん華やぎとは違う落ち着きを見せている。空は曇っていたが、陽差しのかわりに穏やかな微風が心地いい。やさしい時間というのはこういう時をさすのかも知れない。

バラはもうすぐ終わり。
曇り空に時折やわらかく薄日がさす。

何もかもが穏やかなこの日「CAT  STAFF」たちも庭のパトロールに余念がなく、次々と庭にお出ましだ。ネコに触るのもエサをあげることも(ちゅ~るはお1人1本まで)できるが、むやみに群がったりはしない。みんな節度をもってネコと接している(もちろんヒトとも)。こういう”Distance”ならもっともっと浸透していってほしい。

コマリ(メス)。入場者のチェックをしていたがなでると簡単に籠絡できた。
ベル(メス)「ちょっとツンデレ」と紹介されている。
午後のパトロールをするベル。
モリス(オス)。「大食漢のクレクレ猫」とある。
オル(オス)。「人懐っこい長毛猫」なでられるとなでられっぱなしなのだ。
チョビ(オス)。「スリスリ-が得意」らしいのだがひたすら花畑の中で寝ていた。
アユ(メス)。同行の知人の膝に乗ってぐっすり寝てしまった。無類のネコ好きの彼女は予期せぬ僥倖に嬉しさと戸惑いで動けない。「よい時を」と言って妻と共に放置に決定。
庭内にある納屋。見出しの写真のネコがそろりと入っていく。
何と納屋にはネコの寝床がずらり。実際にここで寝ることもあるらしい。
布団の上でくつろぐリリー(メス・見出しの写真)。ひょっとして指定席?

ランチはテラス席で。帰途につく前、予約をしていなかったアフタヌーンティーをダメ元で訊いてみると、今日は残りがまだ数本あるとのこと。ここは英国アンティークカフェでもあるのだ。女性陣がスルーするはずもなく、食いしん坊はもちろんご相伴。一日はあっという間にすぎる。

森の空気も一緒に。
とにかく穏やか。
妻はスコーンに目がない。オットは目に入るものは何でも食べる。
カフェの壁面には絵本たちがディスプレイされている。
オーナーご夫妻がイギリスのカントリーサイドで直接買い付けた英国アンティーク雑貨などを販売するコーナーもある。
「売り物じゃないから」

 今回出会えたのは8匹のネコたち。「CAT STAFF」には10匹のネコたちが紹介されているのでその8割に会えたことになる。ネコが好きで好きで仕方がない、というほどでもないのに岩合さんばりに「いいコだね~」なんていって近づいていく自分がおかしい。


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