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あの頃、映画館で(13)~「フォロー・ミー」から「プラトーン」

20代(80年代)までに映画館で観た映画。発掘されたプログラムを見ながらのブツブツはまだ続く。

「フォロー・ミー」(アメリカ・イギリス合作映画/1973年日本公開)
キャロル・リード監督、ミア・ファロー主演のハートフルラブストーリー(でいいのかな?まあこういう惹句なんか適当なものだ)。舞台はロンドン。妻の行動に不審を抱いた地位も財産もある公認会計士は私立探偵を雇うのだが、その探偵はいつもマカロンを食べていて・・・。ミア・ファローがなかなかチャーミングだった記憶。80年代に名画座で鑑賞。

「普通の人々」(アメリカ映画/1981年日本公開)
ロバート・レッドフォードの第1回監督作品。原作はミネアポリスに住む無名の主婦が書いた小説。地位も名誉もある弁護士一家にだって「普通に」訪れる崩壊劇なのだ。絆なんて言葉は安易に使わない方がいい。しかしロバート・レッドフォードという人はつくづく真面目な人なのだと改めて思う。決して悪い意味ではない。

「普通の人々」プログラムにはさんであったチラシ。「男はつらいよ」は1981年の最新27作、マドンナは松坂慶子。上映館は銀座4丁目交叉点・和光ウラ文化通りの銀座文化・1。

「フットルース」(アメリカ映画/1984年日本公開)
改めてページをめくるとなかなか気恥ずかしいコピーのてんこ盛りだ。「思い切り燃えてーたまには本音を出して見ろ」「青春の熱い鼓動をロックにのせて、」主演のケビン・ベーコンなんか「彗星のごとく現れたシンデレラボーイ、ヤツはきまっているゼ!!」もうおなかいっぱい、そういう映画なのだ。ロックなんてワードに騙されて観たのかも知れない。

「冬の華」(1978年公開)
高倉健主演、降旗康男監督作品。殺人で服役していたヤクザが15年の刑期を終えて出所する。殺した男には当時3歳になる娘がいて・・・。倉本聰脚本の静謐で哀感あふれる映画。北大路欣也や田中邦衛、大滝秀治、倍賞美津子など錚々たる顔ぶれが脇を固める。「幸せの黄色いハンカチ」よりは断然「冬の華」なのだ。

「プラトーン」(アメリカ映画/1987年日本公開)
監督のオリバー・ストーンは志願兵としてベトナムを経験、2度の負傷でブロンズスター(勇敢な働きをした者に与えられる勲章)を受けるという経歴を持つ。退役後もベトナムの後遺症が抜けきらず苦しんだという。ちょうど昨夜「映像の世紀バタフライエフェクト/戦争のトラウマ」を観たばかりだ。「プラトーン」が戦争の酷さを訴えているのは間違いないが「醜さ」を突き詰めたかというとそれは「否」で、そこはやっぱり「殺す側」の視点なのだ。

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