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本棚の中身・新潮文庫で100冊

未曽有の猛暑はとどまるところを知らない。すでに脳は溶け出してはらほろひれはれとなっている。本なんか読んでもちっとも頭に入らねえ。

ところで新潮文庫ってのは現存する日本で最古の文庫ということで、何だか他の文庫本より少しだけ偉そうである。偉そうな理由のひとつにあのしおり紐があると思うが、これが悔しいことにわりと好きなのだ。時々レシートなんかでしおりの代用をすることがあるが、しおり紐はふとしたはずみに落ちてしまうこともなく何よりスマートだ。新潮文庫を買うと読む前にまずたたまれた紐を尻尾のようにひょいと出しておくのが作法である。

「新潮文庫の100冊」といえば「インテリげんちゃんの、夏やすみ。」なのだ。広告制作のようなものをやっていた80年代の糸井重里のこのコピーは、夏が来るたび思い出すマイ季語として確立している。げんちゃんのイメージキャラクターは何と若き小林薫。「青天を衝け」のとっさまが麦わら帽子に釣り竿を担いでいた頃、かっさまはまだ風鈴の下で「うまいんだなっ、これが」と言ってはいない。

蔵書リストを眺めてみると300冊近くは新潮文庫があった。やっぱりそこそこはあるもんだ。ということでその中からマイ100冊。例によって?よくワカラナイ。

1/足立倫行「人、旅に暮らす」2/安部公房「砂の女」3/荒川洋治「ラブシーンの言葉」4/安西水丸・和田誠「青豆とうふ」5/池田清彦「正しくいきるとはどういうことか」6/伊坂幸太郎「オーデュポンの祈り」7/石井光太「絶対貧困」8/泉麻人「街のオキテ」9/一條次郎「レプリカたちの夜」10/五木寛之「風に吹かれて」11/ほぼ日刊イトイ新聞編「オトナ語の謎」12/いとうせいこう「ワールズ・エンド・ガーデン」13~15/井上ひさし「吉里吉里人」(上・中・下)16/井上陽水「ラインダンス」17/猪瀬直樹「日本凡人伝」18/井伏鱒二「黒い雨」19/色川武大「うらおもて人生録」20/NHK東海村臨界事故取材班「朽ちていった命」21/遠藤周作「海と毒薬」22/大竹昭子文・内藤忠行写真「バリ島不思議の王国を行く」23/小川洋子「博士の愛した数式」24/恩田陸「夜のピクニック」25/開高健「夏の闇」26/景山民夫「虎口からの脱出」27/川上未映子「オモロマンティック・ボム!」28/川端康成「伊豆の踊子」29/如月小春「都市の遊び方」30/窪美澄「ふがいない僕は空を見た」31/桑田佳祐「ただの歌詞じゃねえかこんなもん」32/桑原稲敏「往生際の達人」33/國分巧一郎「暇と退屈の倫理学」34/坂口安吾「堕落論」35/坂本龍一「音楽は自由にする」36/佐木隆三「海燕ジョーの奇跡」37~38/沢木耕太郎「一瞬の夏」(上・下)39/椎名誠「自走式漂流記」40/椎根和「平凡パンチの三島由紀夫」41/柴田翔「贈る言葉」42/清水義範「陽のあたらない坂道」43/志村けん「変なおじさん(完全版)」44/下川裕治「5万4千円で世界一周」45/杉浦日向子「江戸アルキ帖」46/J.D.サリンジャー「ナイン・ストーリーズ」47~48/ジョン・アーヴィング「ガーブの世界」(上・下)49/スティーブン・キング「スタンド・バイ・ミー」50/高野悦子「二十歳の原点」51/田口ランディ「できればムカつかずに生きたい」52/太宰治「パンドラの匣」53/立松和平「光匂い満ちてよ」54/田中康夫「神戸震災日記」55/谷川俊太郎「ひとり暮らし」56/田山花袋「田舎教師」57/つかこうへい「戦争で死ねなかったお父さんのために」58/筒井康隆「ダンシング・ヴァニティ」59/津村記久子「この世にたやすい仕事はない」60/トルーマン・カポーティ「ティファニーで朝食を」61/中上健次「重力の都」62/中島みゆき「愛が好きです」63/中村梧郎「母は枯葉剤を浴びた」64中村智志「大いなる看取り」65/夏目漱石「坊っちゃん」66/ねじめ正一「高円寺純情商店街」67/野坂昭如「アメリカひじき・火垂るの墓」68/野田知佑「川からの眺め」69/萩原葉子「蕁草の家」70/橋本治「小林秀雄の恵み」71原武史「『鉄学』概論」72/原田マハ「暗幕のゲルニカ」73/原田宗典「吾輩ハ苦手デアル」74/ビートたけし「浅草キッド」75/深沢七郎「楢山節考」76/深田久弥「日本百名山」77/二神能基「希望のニート」78/古井由吉「杳子・妻隠」79/ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」80/辺見じゅん「大下弘 虹の生涯」81/星新一「ノックの音が」82~83/松本清張「砂の器」(上・下)84/松本隆「微熱少年」85/水木しげる「ほんまにオレはアホやろか」86/三浦しをん「きみはポラリス」87/宮沢章夫「考えない人」88/宮脇俊三「旅は自由席」89/向田邦子「男どき女どき」90/群よう子「亜細亜ふむふむ紀行」91~92/村上春樹「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」(上・下)93/安井かずみ・加藤和彦「ワーキングカップル事情」94/山下洋輔「ピアニストを笑え!」95/山田詠美「ぼくは勉強ができない」96/養老孟司・宮崎駿「虫眼とアニ眼」97/吉田修一「さよなら渓谷」98/吉本ばなな「とかげ」99/吉行淳之介「砂の上の植物群」100/吉行理恵「男嫌い」

※著者五十音順


見出しのイラストは「本田しずまる」さんの作品をお借りしました。ありがとうございます。




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