市原湖畔美術館「レイクサイドスペシフィック!」夏休みの美術館観察
というわけで、前回の朝顔に続いてシニア版夏休みの自由研究第2弾。千葉県の最高気温を頻繁に記録する市原市は高滝湖畔へ。空にはど真ん中の夏が描かれていて暑いったらありゃしない。
この夏の企画は「レイクサイドスペシフィック!」と題して美術館の中や周辺を観察してみようという試み。美術館はバブルの真っ只中に設計され、崩壊後に竣工した。それ故に残されてた謎が館内のあちらこちらにある。それを5名のアーティストの作品を鑑賞しながら探訪しようというもの。
到着して館内に入ろうとするといきなり謎ななぐり書きが壁面に現れる。とりあえず入れば謎は解けるだろう。
いくつかの作品を見て回りながら設計時と竣工時の隠された痕跡を発見する仕掛けのようだ。予備知識を持たずに行ってしまい「何だか散漫な展示だな」などと思いながら見て回り大失敗。パンフレットにはその臭わせがちゃんと書いてあったのだ。
「?」な気持ちを引きずったまま、5人目の作家である光岡幸一の作品にたどり着くが、一向に作品らしきものが見当たらない。しかし「あること」に気づけば作品の在処は容易にわかる。その空間には、白板に長い文章が書かれていて、ここで初めて壁面のメッセージが繋がるようになっている。
しかしそれでコトは終わらない。その白板に書かれた指令に基づいてミュージアムショップであるものを見つけなければならない。それをレジに持って行くと「ひみつの庭」への行き方をプリントした紙が渡される。そしてようやく観察会は完結する(多分)。
「ひみつの庭」は小さな小屋として湖畔に建っている。この小屋にはモデルがあって、それは5年前まであるところにあった。探検気分の美術館観察がすっと足をすくわれ、人の営みについてしばし考えさせられる。
雷雲とともに降った雨は到着する頃にはうそのように止んで、あとはジリジリと強い陽差しが照りつける。ここに来たら必ず寄る隣接のピザハウスBOSSOは格好のオアシスだ。房総の食材をふんだんに使ったピザがウマい。