あの頃、映画館で(8)~「十階のモスキート」から「スターダスト・メモリー」
「こんな映画を観てきたんだ」と見つかったプログラムを眺めてしみじみ。20代の頃までにスクリーンで観た映画たち、50音順のその8。
「十階のモスキート」(1983年公開)
亡き崔洋一監督のデビュー作。内田裕也企画・主演、もめにもめた脚本を最後は内田裕也が引き取って書き上げた。実際の警察官による不祥事を題材に、破滅へと向かう男を描いたロケンロールな物語。アン・ルイス、小泉今日子、ビートたけし、横山やすし、安岡力也、吉行和子、佐藤慶なんて名前がキャストに並んで、それだけでもう危ない匂いがする。男がこもる団地の十階は「十戒」でもある。
「ジョーズ」(アメリカ映画/1975年日本公開)
退屈でウトウトしていたら、周りの喚声で目が覚めた。驚いて顔を上げるとそこには大きく口をあけた「ジャイアント・シャーク」が。ということで、スピルバーグさんには悪いがそれ以外とんと印象に残っていない。同じような経験は「エクソシスト」でも。観客の悲鳴で目が覚めたら、目の前には180度首を回転させた少女がいた。お願いだからクライマックスまで眠らせないでほしい。
「スケアクロウ」(アメリカ映画/1973年日本公開)
刑務所から出所したばかりの男(ジーン・ハックマン)と、船員生活から足を洗ったばかりの男(アル・パシーノ)が出会い、それぞれの目的地に向かう旅を共にする。もうこの2人が演じるロードムービーというだけでおかしくてやがて切ないに決まっている。カンヌ映画祭グランプリ作品。高校卒業後にどこかの名画座で観たと思う。
「スタンド・バイ・ミー」(アメリカ映画/1987年日本公開)
今さら何を言うことがありましょう。20代のうちにこの映画に出会えたことは幸せなことなのであります。大人になる前に経験するべきあれやこれやがみんな詰まっている映画。
「スターダスト・メモリー」(アメリカ映画/1981年日本公開)
ウディ・アレン監督・主演。ニューヨークを舞台にしたお得意の小洒落たコメディー。気分だけは憶えているが肝心のストーリーといったらなんだったけな位なのだ。その後妻への性的虐待などのニュースもあって何だかがっかりな人であります。