江戸に花開いた伝統の技。
歴史民俗博物館の別館・くらしの植物苑で開催中の「変化朝顔」の特別展示をのぞきに行く。よく知られた通り朝顔は江戸時代に一大ブームが起こり、愛でるだけでなく突然変異しやすいという特性から多くの愛好家を生み、朝顔の栽培に入れあげた挙げ句に身上を潰す人もいたとか。なかなかに罪な花だ。くらしの植物苑ではその江戸時代以降に作り出された「変化朝顔」を集めて展示している。「変化朝顔」は大きく正木系統と出物系統という2本柱があり、正木系統は単純な突然変異がみられるものどの株からも種子が出来る。対して出物系統は、比較的変化が単純で種子が採れる株と、葉も花も変化に富んでいるかわりに種子が採れない株に分離する。とパンプレットにあるが、アイすみません、よくわかりません。江戸時代の人は経験的にメンデルの法則を知っていたのではという説もあるが、「んなアホな」とも言い切れないポテンシャルがあの時代にはある気がする(メンデルの法則が報告されたのは1865年)。
ちなみにアサガオとヨルガオはヒルガオ科サツマイモ属、ヒルガオはその名の通りヒルガオ科でカトリーヌ・ドヌーブ主演、ユウガオはウリ科ユウガオ属。それぞれ所属チームが異なり、アサガオ科というのはないらしい。夏の風流界のスターのような顔をしているが、哀しいかなどうも権力は持っていないようだ。ついでに言うと朝顔はその最盛期が8月(立秋の頃)なので俳句では秋の季語になるらしい。ややこしいなあ。