子どもの願い、大人の正論
子どもソーシャルワークセンターのヤングケアラー支援キックオフイベントが終わりました。
改めて、当事者の言葉には真実がある、と感じました。
今年からピアスタッフになった東岡さんがヤングケアラーだった大学生の時の体験を話してくれました。
保健師さんが家庭訪問に来て30分ほどあれやこれや聞いて、大変ですねぇ、頑張ってくださいと言って帰っていく。話を聞くだけ、何の支援もない。
家庭訪問のために、忙しい中家を片付けてお茶を出して対応する、その時間を返せと思った。
事情を聞くだけ、家庭状況を観察するだけ、使えない(使いたくない)サービスの紹介をするだけ…
「相談」が「支援」に繋がっていない。
その時、その家族が必要とする(使いたいと思う)サービスがない。
ヘルパーさんが来て家事をやってくれたら助かるけど週に1日だけなら要らない。
赤ちゃんの世話は大変だけど児相に預けたら済む話ではない。
「家のことを誰かに話すとややこしいことになるから言わない」
自分が困っていることがあるとしても、自分の家のことを誰かに話すのは親の悪口を言うようで抵抗がある。
支援を受けようとすると家族がバラバラになる。
家庭訪問に来た行政の人や相談電話などの見知らぬ人に本音を喋るはずがない。
この人は本当に信頼できるか?
家族のことを喋っても他に漏れないか?
ネグレクトだと大騒ぎされないか?
親にばれてややこしいことにならないか?
相談窓口で虚しい思いをしたことがある子なら尚更、家族のことには口が重い。
たわいもない話、雑談ができる、子どもでいられる、気軽にグチれる、手作りの食事が食べられる…
子どもたちが欲しいのはそんな「居場所」。
ヤングケアラーはなくすべき、
子どもが子どもらしく育つ権利を守ろう、
これはもちろん正論で、強制的な介入が必要な虐待案件もあるだろう。
ただ、今回、改めて感じたのは、ケアラー自身の思いに寄り添った支援が必要だということ。
支援の隙間に落ちて支えられていない家族が多いこと。
『子どもたちの生の声を聴いて!』
東岡さんが最後に語った言葉が印象に残りました。
今まで私は、ヤングケアラーはなくすべきだと思っていました。
それが子どもの立場に立つことだと思っていました。
でも今回東岡さんのお話を聞いて、子どもの立場に立つこととは思いやることではなく、良かれを押しつけることでもなく、子どもの話をしっかりと聞くことだと思いました。
何かやってあげよう、助けてあげよう、教えてあげようという上からの関わりではなく、対等の立場で耳を傾けること。
本音の話ができるところまでの信頼関係を子どもとの間に築くこと。
そのためには、話を聞いてくれる大人と同じ境遇の仲間が居る継続性のある居場所が必要です。
歩いて行けるところにあるか、行くための交通費が支給されることも重要です。
願いを実現するために動きます。
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