いつもおちょくってくる幼馴染に、今日は形勢逆転倍返しします。

僕、◯◯には、幼馴染がいる。

一ノ瀬：おはよ〜♡

このきゅるきゅると効果音がついてそうな女がそれだ。 
名前は一ノ瀬美空。とにかくあざとくて、毎日おちょくってくる。

一ノ瀬：あ、そうだ！手繋いで学校行く？♡

こんな具合に。いつもは、つ、繋がないから！→も〜本気にしすぎ〜♡って一方的にやられるのだが、今日は魔が差した。
"撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ"という言葉もあるのだから、それなりの覚悟を持ってるはずだ......よな？

ﾊﾟｼ ｷﾞｭｯ
一ノ瀬：ふぇっ...！？///
◯◯：何？どうかした？
一ノ瀬：て、手...///
◯◯：手？なんかついてる？
一ノ瀬：そうじゃなくて...！しかも恋人繋ぎ...！///
◯◯：えぇ？美空が繋ぐって言ったんじゃん
一ノ瀬：そ、そうだけど...///

良い感じに面食らってるなぁ〜。多分この後ペース戻してこようとするから、冷静に冷静に。

◯◯：えぇ...じゃあ離す？
一ノ瀬：そんなに美空と手繋ぐの嫌...？
◯◯：僕は正直どっちでもいいんだけど美空が嫌かなって
一ノ瀬：み、美空もどっちでもいいもん！///
◯◯：そっか。じゃあ動きづらいし離そっか
一ノ瀬：......ほ、ほんとに離すの？
◯◯：うん。動きづらいでしょ？
一ノ瀬：や、やだ！
◯◯：嫌なの？繋いでたい？ﾆﾔﾆﾔ
一ノ瀬：き、今日はしばらくこのままでもいいかなって！///
◯◯：そっか。じゃあ美空がどうしてもっていうなら〜

よし。まず朝は上手くいった。次は昼だ。

---

ﾓｸﾞﾓｸﾞ
一ノ瀬：そのハッシュドポテト食べたいなぁ...？

きたー！！美空のお弁当ねだり！！
いつもは、弁当箱を差し出してはいどうぞ→あーんして？♡→自分で食べなよがテンプレだが、今日は違う。

◯◯：はいどーぞ！あーん
一ノ瀬：ん！？ちょちょっと待って！！
◯◯：またぁ？今度は何？
一ノ瀬：いつもは弁当箱ごと差し出してくるじゃん！
◯◯：それを言うなら美空だって毎日あーんせがむじゃん。僕も食べたいから早くして？はい、あーん
一ノ瀬：あーむ...ん！◯◯があーんしてくれたからいつもより美味しい！♡
◯◯：そっか、そりゃ良かったわ〜
一ノ瀬：ね、ねぇ！
◯◯：何？
一ノ瀬：これで美空と...間接キスだね...？♡
◯◯：そうだね〜 ﾓｸﾞﾓｸﾞ
一ノ瀬：ちょっと！気にしないの！？
◯◯：美空とならいいや。あ、普通のポテトも入ってる〜
一ノ瀬：むぅ...

---

お昼は必死に自分のペースに戻そうとしてくるのも躱せて、大成功！
次は放課後！

一ノ瀬：む〜
◯◯：どうしたの？そんな表情してるとせっかくのかわいい顔が台無しだよ？
一ノ瀬：か、かわいい...///
◯◯：どうしたの？今日。ずっと美空変だよ？体調悪い？

ﾋﾟﾄｯ
◯◯：ん〜熱はないか...
一ノ瀬：か、顔近い...///
◯◯：近いね
一ノ瀬：キスできちゃいそうな距離だね...？♡
◯◯：そうだな
一ノ瀬(今日の感じからすると、もしかしたらこれで◯◯が本当にキスしてくれるかも...！)


賢い美空なら、今日の行動の意図を読んで、ここで自分がされたいことを逆に言って焚きつけてきてるはず。なら...

◯◯：いや、さすがにしないけどな
一ノ瀬：えっ...？なんで...？
◯◯：なんでって、して欲しかったの？(笑)
一ノ瀬：べ、別にそういうわけじゃ...///
◯◯：そういうのは好きな人に言わないとダメだよ？世の中いい男の人ばっかりじゃないんだから
一ノ瀬：もう！！美空の好きな人は◯m

ﾁｭｯ
◯◯：知ってるけどね〜♪(笑)
一ノ瀬：っ......///
◯◯：どした？
一ノ瀬：ずるい！ずるいずるい！◯◯ばっかり主導権握っ

ﾁｭ ﾁｭ~ｯ ﾁｭ ﾁｭｯ
◯◯：ぷは
一ノ瀬：◯◯.../// いきなりそんな大人のキス...///
◯◯：まぁ、僕は好きな人としかキスしないつもりだからさ！
一ノ瀬：ふぇぇぇ......///
◯◯：これに懲りたらもう人をおちょくるのはやめような
一ノ瀬：はいぃ...///

あざとおちょくり幼馴染......今日からは、あざと彼女か。成敗完了！