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あえて、告白しないだけだもん!

僕、◯◯には、好きな人がいる。
菅原咲月。かわいくて、ドジで、愛くるしくて。たまらなく大好きだ。

◯◯:おはよ〜
五百城:おはよぉ、今日もやる気なさそうな顔してんな(笑)
◯◯:うるせぇ

こいつはクラスメイトの五百城茉央。ほんわか関西弁女子。いつも咲月への告白を急かしてくるちょっと面倒な奴。

五百城:なぁ◯◯〜
◯◯:なんだよ
五百城:さっちゃんにいつになったら告白するん?
◯◯:未定。というかしない
五百城:なんでやねん。絶対いけるって言うてもう3ヶ月やで?やのに頑なにしないの一点張りて、あほちゃう?ほんまに
◯◯:うるせぇ。告ろうが告るまいがこっちの勝手だろーが。最終的に咲月と結婚できればそれでいーの!
五百城:呆れるわぁほんまに
◯◯:咲月と結婚してぇ〜〜〜

ガララ
菅原:......///
五百城:さちこおはよ〜...まさか今の聞いてたん?
菅原:ん!?んーん!聞いてない!聞いてないよ!///
教員:おい◯◯ちょっといいかー?
◯◯:ういー


私、菅原咲月には、好きな人がいる。
◯◯。やる気はないけど、気遣いができて、なんでも卒なくこなせて、悔しいくらいいい奴。本当に大好きだ。

この子は親友の五百城茉央。ほんわか関西弁女子。いつも◯◯への告白を急かしてくるちょっと面倒な友達。

五百城:ほんまは聞いとったやろ。バレてんで?
菅原:......聞いてないもん
五百城:はぁ。まあええわ。でも、早うせんと誰か颯爽と現れた女に◯◯取られんで?はよ告白せんと
菅原:うっ、それは嫌だ...
五百城:はぁ...そんだけ好きやのになんで告白はできへんねん。絶対いけるって言うてもう3ヶ月やで?やのにずーっと日和って、あほちゃう?ほんまに
菅原:でも!でも私にそんな勇気ないし、向こうが好きなのも知ってるから、別にこのままでもいいかなって、へへへ...///
五百城:呆れるわぁほんまに
菅原:私だってほんとは◯◯とイチャイチャしたいもーん!

ガララ
◯◯:......///
五百城:聞いてたやろ
◯◯:......まぁ
五百城:で、なんかないん?
◯◯:いや、別になんも
五百城:あほや。付き合ってられんわ〜


-昼休み。
◯◯:今日は屋上で食べるか

スタスタスタ

バタン
菅原:〜なにそれ!私は◯◯のことこんなに好きなのに、なんで今更好きじゃないんじゃないのとか言うの!いろはひどい!
奥田:さっちゃんが全く告白する気配がないからでしょ〜!?
五百城:同感

咲月が振り向いて、目が合ってしまう。
菅原:あっ...///
奥田:聞いてたの?
◯◯:まぁ、うん
奥田:ちょうどいいじゃん!今こくh

バタン!

ダダダダダダ

五百城:はぁ...。意気地なしめ

◯◯:やっぱり外の渡り廊下にしとくか
??:隣、いい?
◯◯:...あぁ井上さんか、いいよ
井上:そろそろ和って呼んでくれてもいいのに♡
◯◯:それは無理だな
井上:ちぇ、つれないなぁ〜

モグモグ

井上:ねぇ、◯◯くん
◯◯:どした?
井上:◯◯くんはさ、さっちゃんに告白しないの?
◯◯:しない
井上:でも、さっちゃんのこと好きなんでしょ?
◯◯:...まぁ
井上:なんで?
◯◯:なんか別にいいかなって
井上:変なの〜。ほんとにさっちゃんのこと好きなの?
◯◯:大好きに決まってるだろ。この世の誰よりも大好きだし大事だよ

フッ

井上:あっ
菅原:......///
井上:聞いてたの?
菅原:聞いてないもん
井上:...うそつけ
菅原:聞いてないもん!
井上:ねぇ、◯◯くん、今がチャンス...あれ

ダダダダダダ
井上:いない...

本当はわかってる。咲月も僕のことが好きだってのは知ってる。今までこんな会話を何度聞いたことか。ついでに、何度聞かれたことか。

ほんとは知ってる。◯◯も私のことが好きなんだっていうこと。今までこんな会話を何度聞いて、何度聞かれたことか。

でも、自分は意気地なしだし、両想いなのをいいことに、逃げてる。
でもなんか、別にそれでもいいかなって思ってる。


-教室。
◯◯:咲月ー、今日帰り駅前のカフェ寄ってこ!
菅原:いいよ!

五百城:おっ、とうとう告白タイムくるか?
奥田:今までそれで何回裏切られたの?無駄な期待だよ...
井上:はぁ...なんか逆に笑えてきちゃうね
奥田:...顔が笑ってないよ




...
...

五百城:...んで?結局どっちから告白したん?
◯◯:してない
菅原:どっちもしてない
五百城:はぁ?あんたら結婚したんやろ!?そんなんでどっちも告ってないは冗談にしてもレベル低すぎるやろ、ほんまはどうなんよ
◯◯:マジで2人ともしてないんだって!
奥田:嘘でしょ?どうやって結婚したの?(笑)
◯◯:テーブルの上に指輪が見えるように開いた箱を置いて、向かい側に座ってたら、婚姻届を持った咲月が帰ってきて...
井上:ムード無っ!(笑)
五百城:ほんまもんのあほやなあんたら。何も口に出さないでほんまにやってけるんか心配やでこっちは
菅原:いや?そんなことないよね?
◯◯:うん、同棲始める時に4時間くらい話し合ったからね
奥田:何を...?
◯◯:家事の分担、ゴミの日の確認、緊急時の対応...などなど
井上:そんだけ話し合ったのに全く告白してないの??
菅原:うん。それどころじゃない
◯◯:そんなことよりもっと重要な事項だよなー
菅原:ねー!だから今はかなり上手く家が回ってるよ?
井上:......告白は?
◯◯:してない
菅原:してない
五百城:もうわからんこいつら!まおもういややー!
奥田:いろはももうわかんない!お手上げ!
井上:私も!


僕/私たちは、隣にいるのが当たり前だし、それに満足してるからね!


って言い訳してるだけかもね。いつかちゃんと言える日が来るといいな。

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