eスポーツしたい人向け英語学習法。
はじめまして、deltaといいます。
今回はゲーマーやeスポーツに関わる人に向けて、英語が重要ですよという話と、じゃあ具体的にどこから始めればいいの、どうやったら上達するの、という点を僕個人の観点から紹介していきたいと思います。
最初に断っておきますが、もちろん英語ができないとeスポーツできないなんてこともありませんし、1日5分記事を読み流すだけで気づいたら英語ができるようになったなんてことも全くもってあり得ませんので、ご容赦ください。
また僕もまだまだ勉強中の身ですので、間違っている点などございましたらご指摘いただければと思います。
経歴
ENLIFEという団体のマネジメント担当として、ゲームイベントを開催したり中のことを色々しています。現在は訳あって岡山に来て日々模索中という状況です。
北海道生まれ北海道育ちで特に留学の経験はありませんが、仕事で翻訳や通訳の経験があります。
とある有名ゲームパブリッシャーの現地通訳にも携わりました。
僕が英語にハマったのは中学校1年生のとき。
英語のスピーチコンテストがあって、課題文としてキング牧師(Martin Luther King Jr.)の超有名なスピーチ”I Have a Dream"をやることになりました。そのとき自分の中に何か「湧き上がるもの」を感じたのです。涙が出てきそうになるような、武者震いするような何とも形容しがたい感覚でした。
スピーチの内容それ自体というよりは、英語という未知の言語に一歩を踏み出すことによって全く新しい世界が拓けたような、そんな感覚があったのです。
それ以来、洋楽や洋画でトレーニングしてみたり大学受験で苦しんだり、紆余曲折の末なんとか仕事で英語が使えるまでになりました。
これを読んだみなさんは「なんだ、やっぱり英語は子供の頃からやらなきゃ身につかないんじゃないか」と思うかもしれません。もちろん小さい頃、欲を言えば6歳くらいまでに英語に触れることが有利に働くというのはさまざまな研究からも結果が出ていることですが、個人的には英語は大人になってからでも間に合うと思っています。
実際に僕も本格的に英語の勉強をし始めたのは中学生からですし、大学生になってからの訓練でかなり伸びたことも実感しています。僕の経験から最短で英語が話せるようになる方法を皆さんにご紹介できたらと思います。
また、大人になってから英語を学ぶには子供のうちに学ぶのと異なるアプローチがあるので、そういった考え方なども話していきたいと思っています。
「eスポーツに英語は必要」か?
eスポーツ界隈で英語を使える人材が不足しているという話はちらほら聞きますが、実際にこの界隈で英語を使って仕事をした経験がある人はそこまで多くないと思います。
どちらかというとLJL(League of Legendsのプロリーグ)でスイニャンさんが韓国語通訳をしている姿を目にしたりで、英語自体の必要性を実感する場面は少ないかもしれません。
現地通訳に携わったと言いましたが、確かに通訳や海外遠征のアテンドなどでもeスポーツ業界の専門人材は不足しているように思います。しかし、僕が英語の必要性を感じるのはそういった「現場」よりもっと裏方要素が強い場所です。
例えば情報収集。
インターネット上に存在する情報のうち日本語の割合は5%です。では英語はというと、60%以上。日本語しか話せない人と英語が話せる人では得られる情報の量に10倍以上の差があるのです。
また、情報というのは良質なものから粗悪なものまで千差万別です。eスポーツというニッチな界隈でさらにニッチな日本語の情報となると、情報の質が担保されていないことも多く、そういった場面でニュートラルな判断を下すために英語情報を参照することが求められてくると思います。
「現場」に関わる人でも必ず裏方仕事はしています。僕も通訳をしている時間よりメールでやりとりしたり、細かい打ち合わせの時間のほうが圧倒的に長かったです。
eスポーツビジネスに関わるなら英語は必須とまでは言いませんが、かなり役に立つことでしょう。しかし今はeスポーツ業界の中でも限られた人しか英語を使えるレベルにまで至っていないのが現状です。そういった「限られた」方々は各々の強みを活かして様々なところで活躍されているのを目にします。
僕も業界のことについてすべて知っているわけではないのでそういった話はこのへんにして、ここからは実際に「英語を話せるようになりたい!」と思った人に向けての内容になります。
具体的な内容について書くと1回では収まりきらないので、まずは英語というものに対する考え方・向き合い方と簡単な方法論に留めておいて、次回以降具体的なところに入っていきたいと思います。
英語を使えるようになりたい!・・・何のために?
まず、あなたは「英語を使える」ということがどういう状態だとイメージしますか?夢を英語で見るとか、日本語より先に英語が出てくるとか、英語でものを考えるという状態でしょうか。
確かに最終的にはそうなるのが理想ですが、そこまでのレベルに達するのは相当な難易度ですし、僕も日々勉強中ですがそこまでには至っていません。日本語で考えてそれをいかに速く英語に変換できるか、ということしか考えていません。
ここが最初の落とし穴と言ってもいい部分です。
そもそもあなたが海外で生活したいだとか同時通訳者になりたいだとかでない限り、英語でものを考える必要はあるのでしょうか。最終的になりたい姿のイメージや目標設定を誤ってしまっては挫折の原因になってしまうかもしれません。
大事なのは「なぜ学びたいのか」「何に使いたいのか」です。自分の気持ちをノートに書きだして、整理してみてください。
「聞くだけ」で英語が話せるようになる?
「なんとなく英語を話せるようになりたいけど、勉強方法もわからないし・・・なるべく映画を字幕で観たり洋楽を聴いたりして、日常生活で英語を耳に入れるようにはしているけど・・・」
これが陥りがちな2つめの落とし穴です。
言語は殆どの場合、能動的に学習しなければ習得できません。
「え?でも子供は海外に住んだらすぐにその土地の言語を習得するって聞くし、実際に聞くだけで英語が上達するなんていう教材もあるんだから、とにかく耳に入ってくるものをすべて英語にしたら話せるようになるんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
まず前提として、子供の脳には想像もつかないようなポテンシャルがあります。脳科学においては臨界期と呼ばれますが、0歳から10歳のあいだは言語にかかわる神経回路が自在に組み変わる時期です。つまりこの期間にバイリンガル環境で育った子供はバイリンガルの回路が出来上がりますし、反対に純日本語教育を受けた子供は日本語の回路になっているのです。
また、子供はよく話します。知らない単語も聞いたり話したりしてすぐに自分のものにしていきます。聞き流すだけとは全く違うのです。
中には例外があるかもしれないので断言はしませんが、大人になってから聞き流すだけで英語が話せるようになるというのは普通考えられません。基礎がない状態でネイティブの英語を聞いて理解できるとは思えませんし、仮に耳が英語に慣れたとしてもそれと話せるようになるというのは全く別のことです。ではどうすればいいのか。
大人には大人の学習法があるのです。
大人のための英語学習
具体的な学習法は次回以降話すことにして、どう勉強していくのかということだけご紹介します。
英語で最も大切なのは単語と文法、そして発音です。
そんなことわかってるよ、と言われるかもしれませんが意外とわかっていない人が多いです。文を読むときに単語がわからないというのは想像以上にストレスが大きいことなのです。わかろうとして読むものがわからないのですから。また、文法なんて後回しでいいという人もいますが、これも間違いです。英語を読むとき文法が果たす役割は非常に大きいです。単語がわからなくても文法が文の意味を予測する助けになってくれます。これは英語が言語学上の分類において孤立語/屈折語に位置することに関係するのですが、そこはまた今度お話したいと思います。
発音に関しては蔑ろにされることが多いのですが、個人的には単語と文法に並ぶくらい重要なものだと認識しています。自分自身がネイティブと同じ発音をする必要があるということではなく、ネイティブ含めた英語話者の発音を理解し聞き取れるようになるという意味において、アクセント(音の強弱)やリンキング(音の連結による変化)を含めた広義の発音学習は重要なのです。
たとえ単語と文法をガチガチに固めて英語の文章を読めるようになっても、発音が弱いせいでエンターテインメント(映画や音楽など)を楽しめなかったら勿体ないと思いませんか?モチベーションも保てないですよね。
3本の柱+α
というわけで、まずは単語・文法・発音の3本柱が大事ということがわかりました。これらはどれかひとつ欠けても成り立ちませんので、基本はすべてバランスよくおさえていきましょう。あ、どれかの能力が飛びぬけて高いぶんには構いませんよ。
ではどう学習していくかというと、基本的にはテキストを使って覚えていく他ありません。単語帳と文法書を一冊ずつ買ってそれをマスターする以外に良い方法があったら皆やっています。逆に言えばそれらを(正しいやり方で)やりさえすれば単語と文法はいずれ身に付きます。オススメのテキストは後日また紹介しますが、一番は自分に合うものを探すことです(探し方はお教えします)。
発音に関しては僕は恥をかくことが大事だと思っています。学生時代を思い返してみると、(僕の学校ではですが)少し発音がいい人は何故かバカにされていたため、みんなザ・日本人といったような発音しかしておらず、これでは身につくものも身につかないし、まして外国人の話している内容を理解するなんてほど遠い状況でした。
もし自分が綺麗に発音できれば、シャドーイングなどで成長スピードは飛躍的に上がります。まずは自分の発音が標準的な発音とどれだけ離れているか確認することから始めるのもいいかと思います。そういった方法もご紹介していきたいと思います。
そして+αとして、身につけたものの実践をどうするかということ。
普通に生きていたら外国人と話す機会なんてそうそうありませんよね。でもいきなり話すなんて緊張しますよね。どれだけ受験勉強で英語をやった人でも、いざ外国人と話すと「フリーズする」か「Yes, Yes」しか言えなくなる人が多いです。
日記を英語で書いてみた人もいるかと思います。でもこれは僕も試してみたのでわかります。続きません。
実際に英語を使ってみなければ自分が正しいのか間違っているのかもわからないので、誰かに試すことは必要。それはわかっているんだけど・・・
そこでオススメなのが、Textingです。つまり、LINEやメッセンジャーのやりとりです。
そんなこと?って思った人もいるかもしれません。
でも、ゲーマーの皆さんなら簡単に実践できることだと思います。
長くなってしまったので今回はこれくらいにして、次回は具体的に3本の柱それぞれオススメのテキストや勉強の仕方を紹介していきたいと思います。
それでは。