【Think right#5】選択のパラドックスのワナ
人類の発展は、一定程度選択肢が増えること、つまり選択の自由度が増すことで語られてきた。
どんな国にも旅行に行ける
どこでも教育を受けられる
何百種類のお菓子から好きのモノを食べられる 等
しかし、選択肢は、限度を超えるとむしろ人の行動を抑制することも知られている。コロンビア大学経営大学院のシーナ・アイエンガー教授が行った、ジャムの実験では、24種類の選択肢を与えられた人よりも、6種類の選択肢しかなかった人が10倍のジャムを購入した。
人は選択肢が増えると考えることをやめてしまうのだ。
また、選択肢が多いことは、「比較項目が多すぎるために、偏った項目の評価で選択して失敗する」「選択した後に、他の選択肢を選ばなかったことを公開ししやすい」という状況も生み出す可能性がある。
つまり、選択肢が増えすぎると生活の質が落ちてしまいかねないのだ。
ちなみに、上述のジャムの実験には異論もある。
自分が好きな服の新作、アーティストの歌、等であれば、選択肢が多ければ多いほど嬉しい、という状況もあるだろう、という論である。選択肢が多いと生活の質が下がる、というロジックは、対象となるサービスやモノへの愛情の度合いが強ければ成立しないかもしれない。
一方で、まだ愛着を持っていないものが対象であれば、この選択のパラドックスのワナは一定程度当てはまりそうだ。
日常的に、選択肢が多すぎて思考停止になることはよくある。
特に慣れないスーパーの買い物で、買う頻度も少ない醤油を買うとき、数十種類の醤油の中で何を比較していいか分からない。
結果として、聞いたことのあるブランド名、少し値段が高めのもの、を選択してしまう。最近は、妻が醤油のブランドをしてくれるので、選択肢が1つになって、食卓の料理の味も、僕の買い物の効率も高まったが。
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