スポーツテックは急成長産業
日本のスポーツテックの市場規模は2022年に1,000億円を超えるといわれている(2017年時点では約100億円)。
もちろん五輪が2020年に開催されることを見込んだ統計なので大きく後ずれする可能性はあるが、ポテンシャルは大きい。
世界でみるとさらに規模が大きく2018年の約1兆円から、2024年には3.5兆円になるという。
この「スポーツテック」には幅広い領域が含まれる。
また、調査によってその定義が曖昧なので、個人的にスポーツテックの俯瞰に役立った2つのカオスマップを紹介する。
一つ目は、TENTIAL社が発表した「スポーツテック業界のカオスマップ2020年版」。日本のスポーツテック関連企業を大きく5つの領域に分けて分類している。
①スポーツウェルネス
②科学的な練習・育成
③フィジカル・メンタルマネジメント
④情報発信/ファン拡大
⑤レベニュー最大化
スポーツウェルネスの領域は、巨大な市場であるヘルスケア領域と被るのでかなり激戦区になりそう。
もう一つ、参考になるのがNYのスポーツテックをまとめた「Overview of the New York SportsTech Landscape」で、SportsTechX社の創業者が作成したもの。3つの領域に整理されていてこれも俯瞰しやすい。
①Activity & Parformance
②Fans & Contents
③Management & Operation
ちなみにこのSportsTechX社は2017年に設立されたリサーチ会社で、Mediumにて様々な記事を公開してくれているので、参考にされたい。
最後に、スポーツテックと言えば、スポーツをテーマに全世界のスタートアップを支援するアクセラレーション・プログラムである「SPORTS TECH TOKYO」には注目したい。
2020の延期によって大きな影響を受けているとは思うが、東京をテクノロジーの実験場と見立てて、世界中のスポーツテック企業を誘致するというコンセプトは、日本のスポーツテック産業の成長を加速させるだろう。
ちなみに、個人的に好きなスポーツテック企業(というか、スポーツを活用して成長している大企業)は、SAP。SAPは2014年W杯でドイツ代表を優勝に導いたとも言われているが、様々なスポーツクラブにそのテクノロジーを共有することで、自社の技術力を世の中に証明・PRしている。
SAPについてはまた別の記事で詳しく触れていきたいと思う。
※上記で紹介した2つカオスマップに掲載されているのはスタートアップ企業に限られるため、SAPは含まれていない。大企業も含むランドスケープを示してくれるNTTデータ経営研究所作成の「Sports-Tech Landscape」を参照されたい。