5年で3倍に成長するスポーツ
コロナ禍でも成長し続けているスポーツがある。
それがeスポーツ。
2020年時点で、esportsの競技人口は世界に1億人以上、観戦を楽しむ人は4億人以上。2020年には、競技人口が約3億人、観戦者は6億人に達すると予想されている。
競技人口だけでみると、サッカーの約3億人を超え、最も多いバスケの4.5億人に迫る勢いだ。
また、視聴者数という点でも、「League of Legends」というゲームの世界大会決勝で約1億人に達ししたという。
ちなみに、現存するスポーツ大会で視聴者数が多いのは、ワールドカップ杯決勝の7億人、チャンピオンズリーグの3億人、オリンピックの1.5億人となっている。
こう考えると、eスポーツは、既にスポーツビジネスとして、メジャースポーツに肩を並べる存在になってきている。
そして、他のスポーツと違う、圧倒的成長余力を支えているのが「そもそも無観客」という点だろう。
また、日本では禁止されているが、「賭博」として楽しむ観戦者も多い。
このよういくつかの背景から、eスポーツは急成長している。
その証明として、大型のスポンサーの価格も上昇しはじめている。
例えば、2020年6月、上述の「League of Legends」には、中国小売大手の蘇寧易購(Suning.com)が約数億円単位での独占スポンサーの権利を獲得したという。
これまでの「League of Legends」のスポンサーはベンツ、ケンタッキー・フライド・チキン、ナイキなど世界的なブランドであったが、中国第4位を誇るECプラットフォームが今回はその権利を勝ち取った。
このような動きをうけて、スポーツマーケティングリサーチで世界最大手のニールセンスポーツも、eスポーツを対象にした調査を強化している。
eスポーツというものの価値が可視化され、そこに企業の資金が向かう、という流れはどのスポーツでも起きることだが、eスポーツでは、全ての活動がほぼインターネット上で完結するため、ユーザの行動やエンゲージメントが可視化しやすく、この観点からも成長ポテンシャルが高いと考えられる。
様々な統計があるが、リサーチ会社Ariztonによると、2025年には世界で3,000億円程度の市場規模となることが想定されている。現在が約1000億円なので、5年で約3倍になる算段だ。
分かりやすい事例か分からないが、日本におけるYoutube等のビデオ広告市場が約3,000億円である。
近年、著名なYoutuberが生まれ、タレントマネジメント・データ分析企業などのYoutube周辺事業が数多く生まれたように、eスポーツでも様々な周辺事業が生まれる。
今後の動きも楽しみ。