自分ビジネスへ流れていく個人
組織の中で勝ち残れる人は限られる時代なっていくのかもしれない。
これを読んでいる人は組織で勝ち残る自信があるだろうか。
それとも鼻から勝ちとは無縁の場所で生活をしているのだろうか。
AI(人工知能)の導入などで今までより人が要らなくなる職場が増えていきそうだ。
それは民間の一般ビジネスに留まらないように思われる。
ひと昔前までは公務員は安泰と思われていた。
しかしたとえば市役所などの窓口系の仕事は、ネットに接続可能な端末を持たない人が事実上いない時代がくればほとんどのやりとりはオンライン処理できることに思える。
実際わたくしごとだが、市役所へは片道300円くらい、時間にして片道4~50分かかる。
オンラインで手続きが済んでしまえばどんなに助かるだろうと思うことも正直なくはない。
国の財政は赤字なのだから市役所の会計窓口に、どう考えても大卒な感じの人を3人も配置しとく無駄に将来的にメスが入らないことは考えにくい。(厳密には市役所は国ではなく市の財源で賄われているけど、大局的に見てはなしは変わらないでしょう)
そうすると人が要らなくなる仕事場は民間の一般ビジネスに限られなくなるだろう。
そんなに何でもかんでも合理化してよいのか… それはここでの直接の議題ではないから深く触れないでおくけど、ただ既存の仕事場を何らかの理由で追い出されるような格好になったり、踏みとどまれなくなってそこを離れざるを得なくなる人の数は増えるのではないか。
実際、先進国では来たるAI化時代に予想される失業者の増大に対して対策が練られている。すべての国民に無条件で一定額のお金を給付するベーシックインカムという構想がそれだ。
それは既存の仕事から追い出される人の増加の予測に基づいている。
つまり民間ビジネスか公務員かを問わず、多くの職場で人が要らなくなっていくことは確実視されている。
また、そういった過渡期を迎えている組織では、成員の惰性以外で長くその職場に従事するのが難しくなっているようだ。
難しい状況に置かれている組織は増えているようだ。
パワハラなど様々な問題も、結局、成員にそれを乗り越えてその先に何があるのかを提示できないという問題があるのかもしれない。
経済状況は基本まだデフレであり、雇用主は低賃金はこの状況なんだから当たり前という姿勢を崩さないし、私たちもそういった状況のなかで、以前ほどカネやモノに貪欲でなくなってきているのかもしれない。がんばればその先にロレックスやベンツが待っているかもしれないと思えたのは、おもに平成のデフレ不況が始まる前まで、戦後昭和の好況期までのことではなかったか。
そんな中で、わたしたちはカネのためならどんな仕打ちにも耐え、どんな我慢でもしますという感じではなくなってきている。
そこが戦後昭和の昇り調子の経済と、バブル崩壊以降の平成デフレ経済との違いだ。
私たちの多くは組織の中で我慢の先に何かが待ってるとは信じられなくなりつつある。
ここまでをまとめると、組織はAIの導入などによる合理化で今までより人が要らなくなる。
そして、多くの組織では人は無意味な我慢に疑問を持ちつつある。
こんな状況のなかで、組織で先が見えなくなった個人の何割かは自分ビジネスとでもいうものに流れ出しているようだ。
実際、他の人のnoteを読んでると、自営、自由、副業などニュアンスは様々だが、自分で(規模の大小にかかわらず)ビジネスをやってる、あるいはやろうとしてる人が多いようだ。
いっぽうの組織も、ここ二年程で副業を正式に許可するところが出始めている。
一般組織での活動に限界を感じた個人が、自分ビジネスとでもいうものに流れ出している。理由は様々だろう。やり甲斐を求めてかもしれないし、組織からでる給与では少なすぎるから、あるいは組織の中での意味のない我慢に耐えかねて、組織の中ではどうやら先がない、またはそこでは勝ち残れない自分に気づいて…いろいろあるだろう。
もっとも自分ビジネスも参入者が増えれば、競争は熾烈になるのかもしれないし、組織活動に限界を感じたとしても、現時点では、特にまだ若ければ自分の何を売ったらよいのか分からない人もいるだろう。
しかしいずれにせよ、公務員をも含めた一般の組織ビジネスで、そこからはじかれた、あるいは限界を感じた個人が自分ビジネスへ参入していく流れはしばらく続きそうだ。
これを読んでいる、まだnoteをブログとしてしか使ってないあなたも、そのうち自分ビジネスを考え始める日は遠くないかもしれない。
終身雇用という幻想は、多くの場所でかなり前から崩れだしている。
もちろん自分ビジネスも競争が熾烈になれば、すべての人が成功するわけではないだろうし、成功の度合いも個人差があり大小様々になるだろう。
しかし何割かの人は、自分ビジネスとでもいうものをやらざるを得なくなっているようだし、そういう人の数は増えていくだろう。