見出し画像

その気なんかははたして起こるのか

その気というのを待っているとえらい時間がかかることもある。

一般職的な労働はうつ病などで休暇をもらっているのでない限り、やる気になるのを待ったりすることは少ないだろう。

そうすると仕事と呼ばれているものの大半は、いわゆる「やる気」というのを待たないでも、ある程度進められるようなシステムというか準備を整えておくことで成立するのではないか。

たとえば普通の人間が「さぁ今日小説を書こう」などと思い立ったところでいきなり何か書ける人は少ないだろう。

やる気だけに頼って何かをしようとすると、たとえば会社勤めをしている人が「飲食店をやりたい」と思い立っても、会社が休みの日に、では何をしたらいいのかよく分からず途方に暮れるだろう。あまりに解決策が見えてこなければ、そのうち欲望自体が萎んできて消えてなくなってしまうだろう。

そうすると何かを仕事として成立させるのに必要なことはまず、やる気と言うような曖昧なものを(少なくともそれだけを)頼りにしなくて済むような何かを整えることだろう。

会社とかが、大抵個人より早く多くの達成ができるのはおそらく、成員がやる気になるのを待ったりはしないで済むシステムが構築されているからだ。
組織で働いたことがある人なら分かるだろうが、組織は私たちがやる気になるのを待ったりすることなく朝9時とかに一斉に仕事がはじまったりする。

やる気がない状態にあまりムリして逆らって何かをやろうとすると、うつ病を始めとする深刻な自体を招くこともあるので考えものだが、しかし逆にやる気というような曖昧で当てになるかどうかわからないもの、いつ訪れるのか見当がつかないものを(少なくともそれのみを)当てにしなくていいようなシステムを整備する、それが何かを仕事にする際の要諦のひとつかもしれない。

モーツァルトでもショパンでも、はたまたジャズのピアニストでもなんでもいいんだけど、とにかくなんかのピアノの演奏に感動して自分もやりたいってなったとき、ソナチネ、バイエルなにも出来ませんって言う状態の人より、ある程度演奏技術があって読譜もできるっていう人のほうが、その欲求を満たすにははるかにラクで近いところにいますよね。手が勝手に動いちゃうっていうレベルの人の方がその欲求は早く成就するのは想像つきますよね。

つまりあることを為そうとするとき、ものすごいやる気、とてつもないやる気とかを当てにしないでも何かができるようにしておくのが何かを仕事とする際の条件かもしれません。

やる気のみを当てにしているのでは、たとえば、1年のうちで春しかやる気にならないとかいうはなしになりますと、それは仕事として成立するのは難しく、よくいっても小使い稼ぎくらいにしかならないんじゃないでしょうか?

やる気がないときはムリをせず、公園で青空を眺めながらボーッと過ごす。
生活の心配が全くないなら、きっとそれも素敵なことでしょう。

しかし何かを仕事として成立させたいのであれば、やる気というものだけを頼らなくてもいいような何かを築いておくことも必要かもしれません。

一流の人はもちろんやる気だけでどこまでも爆進できるのかもしれません。
しかし一流ではないという人は、やる気なんかはそんなにないというときでもある程度ことを進められるシステムをつくるというか準備を進めるといいのかもしれません。

(あとがき)こんなことを書いている私は、実は今のところ特に何かの専門家というわけでもなく、派遣バイトに従事しており、やる気があろうがなかろうが就業先の仕事開始時間になれば仕事を始めるような生活でしか収入を得られません。
休日にnoteの投稿をすることもありますが、特になにもせずデレーンとして終わることもあります(まぁ、休息も必要なんで仕方ないんですけど)
そこで、就業先の仕事を思い出した時、それは私のやる気なんかを待っていてくれるだろうかと考え、どちらかと言えばそうではないことに気づき、結局、仕事として成立するものの多くは、やる気というものだけを(少なくともそれのみを)当てにしなくともある程度はコトを進められるシステムみたいなものが築かれていてこそではないかと考えるに至ったわけであります。
そんなの当たり前だろうという人には、余計なお世話というか時間をムダにさせてスミマセン。
しかし、いつ起こるかわからないやる気やその気という漠然としたものの推進力ばかりを当てにしてる人は意外と多いんじゃないでしょうか。
もしかすると人はやる気ばかりを当てにしすぎているのかもしれません。
頑張り屋さんほどやる気を過信しているかもしれません。
しかしやる気という曖昧なものだけに頼ると成就に気の遠くなる時間がかかり、そのうち欲望自体が萎えるでしょう。
そうするとやる気がそんなにはないときでもことが進められる何かがあることが重要かもしれません。

御一読ありがとうございました。

サポートされたお金は主に書籍代等に使う予定です。 記事に対するお気持ちの表明等も歓迎しています。