空気を読まない命式(四柱推命─占いのはなし)
こんにちは、木月まことです。
空気を読まないって、どういうイメージがあります?
僕は、空気を読まないというのは、どちらかといえば、それは、その人が鈍感というより、あえてそうしている場合は自己があるということでプラスに考えます。
ただ、それも、状況や結果次第といえましょうか?
たとえば、戦前の日本は、あの国連会議で松岡外相が席を蹴っぱくって退場して、その後どうなったのかは周知のことですが、当時の日本やドイツは国際社会という空気を読まず、独自の自己を貫きました。
しかし、「この空気を読まない」は結果があまりにわるかったために、好意的評価をする人は今日でも少ないでしょう。
人ではなく、国家を擬人法的に人に例えましたが、
ただ、「空気を読む」のが美徳か否かは、やはり状況と結果次第で、そのこと自体に善悪はないのかもしれません。
さて、結論の出なさそうな一般論はこの辺で終わりにして、
わたしは、四柱推命という占いとか運勢学をかじっておりますが、個人の誕生命式に「空気を読むタイプ」と「読まないタイプ」があるのでしょうか。
つまり、空気を読む、読まないは先天的に決まっているのでしょうか。
これは、占いなどの運勢学をかじって、さらに長い間、人間観察もしてきた自分の結論としては「YES」と言わざるを得ません。
つまり、それは先天命式である程度読めるのです。
「空気を読まない」人生態度とは、ある意味、独立独歩的な「自我」の力を意味します。
色々な人の誕生命式を見てくると、この「自我の力」(「自我パワー」とでもいいましょうか)が強めの人もいれば、逆の人もいるんです。
「自我の力」はそれ自体善悪を云々しにくいでしょう。
僕の考えというか印象に拠れば、どちらかといえばでしかないですが、興隆してる家系には「自我の力」より「協調性」が際立ってる命式のほうが多い印象を受けます。
逆にいえば、衰運にある家系の方が「自我の力」(自我パワー)が強めの人が多く輩出されやすい印象を受けます(偏見と言われかねないですが)
というのは、衰運にある家系の子供は「協調性」を前面に出すより、「自我の力」で道を切り開いていくほうが得策なことが多いと思われるからです。
天の不思議な采配で、衰運の家系には「自我パワー」タイプの子供を与えられることが多いのではないかと思います。
衰運の家系が全員「協調性タイプ」だと、強者の言いなりになって、搾取の構造から抜け出せません。
「自我パワー」には先ほどから申している通り、それ自体に善悪があるというより、状況と結果次第のことが多いでしょう。
さて、またまた一般論になってしまいましたが
じゃあ、空気を読まない、言い換えれば「自我パワー」のあるなしは、誕生命式から読めるのか?
いや、具体的にどのようなものか?
さっそく、四柱推命という中国の占いを使って、例を挙げて考えてみましょう。
『苦役列車』などの著書がある、芥川賞作家の西村賢太さん(1967年7月12日生まれ、蟹座)を考えてみます。
まず、誕生日の干支は(四柱推命はすべてをこの干支で見ます。年に丑や寅などの干支が宛てがわれてるのは知ってる人が多いと思われますが、正式には月や日や時刻にも干支が宛てがわれています。子の刻とかいいますよね)誕生日の干支は「丁丑」となっておりまして、「丁」(ひのと)は(火)の五行です。
四柱推命はこの誕生日の干支が推命の根幹になります。
西村さんは「火」の人です。
さて、五行が「火」の西村さんのさらに詳しい命式は?
1967年の7月ですので、
これは、年の干支が「丁未己」
月の干支が「丁未丁」です。
分かっているだけでも
誕生日が「丁」であとのか所に「丁」が三つ
計四つ「丁」があります。
こうすると「火」の大過になり、「自我パワー」はすごく強くなります。
根幹の「丁」にそれと同じ「丁」があと三つあります。
これは、命式内に自分の分身が三つあるということです。
しかも、年の「未」(ひつじ)と月の「未」(ひつじ)も「丁」を強力に応援する格好になっています。
こうなりますと、「自我エネルギー」はめっちゃくちゃ強力になります。
実際、中学卒で、フツーのお勤めをしないで、芥川賞作家になった西村さんの人生は、この「自我パワー」で大きく切り開かれてきたと想像されます。
このように、誕生日の五行と同一五行が命式に複数含まれてる命式は「自我パワー」が強いと見ます。
つぎは、誕生日の五行と同一ではなくそれを援助する五行が多い命式を見てみます。
やはり、芥川賞作家で授賞式の「もらってやる」発言で話題になった田中慎弥さん(1972年11月29日生まれ、射手座)です。
さて、田中さんの命式ですが
誕生日は「甲子」でざっくり(木)の五行です。
この「甲」……「木」がすべての中心となります。
田中さんは
年の干支は「壬子癸」
月の干支は「辛亥壬」となります。
田中さんの命式では、「甲」と同じ五行は分かってる範囲内では、他の箇所にありません。
つまり、西村さんみたいに、自分の分身は命式内にありません。
しかし、年に「壬」「癸」、月に「壬」と(水)の五行が三つあります。
しかも、年の「子」と月の「亥」もそれぞれ(水)を意味する五行で
計、五つ「水」の五行があります。
「水」の五行は「木」の分身ではありません。
しかし「木」の五行を強力に援助しています。
つまり、田中さんの命式は、西村さんのように自己の分身はいないのだが、自分を応援する五行がわかってる範囲内で五つもあります。
分身はいないけど、援助者が多いというのが田中さんの命式です。
この援助の五行が多いということは、人間の援助者が人生で沢山現れるという意味ではあまりなく、その人に「知性」などの武器とでもいうものが備わっているという意味になります。
この、援助の五行が多いのも結果的に「自我パワー」を強めます。
田中さんも、「自我パワー」の人と言えましょう。
授賞式の「もらってやる」発言にもそれは現れています。
石原慎太郎とか、そうそうたる選者の前で「もらってやる」なんて空気読む人だと、まず不可能ですよね?
ただ、この援助の五行が強いかたちは、見通しの甘さや真剣味の不足となって現れることもあるようです。
いいことばかりではないんですね。
もう一度整理すると
①西村賢太さんの命式
⇩
中心:「丁」(ひのと)
他のところに「丁」「丁」「丁」
⇩
自己の分身(火の五行)が多い命式
②田中慎弥さんの命式
⇩
中心:「甲」(きのえ)
他のところに「壬」「癸」「壬」「子」「亥」
⇩
自己の援助者(水の五行)が多い命式
因みに、こんなこと書いてる自分はどうか?(誰も聞いてませんね……ええっ)
僕の命式は、ぱっと見、どちらかといえば、空気を読む「協調型」と言えます。
興隆している家の生まれでは全然ないんですけど、「自我パワー」タイプでは、あまりないです。
でも、これ経験論的なはなしなんですけど、
どちらかといえば「協調」タイプの自分なんですが
空気を読むと、でも何故かいろいろ上手くないんです。
空気を読むと主体性が大きく後退して、何もしない人になってしまって、
空気を読み始めるとうまくないことが多いんです。
空気を読み始めた途端、バイタリティーゲインが急降下して、何もやらなくなっちゃうんです。
あ、でも、今ってご時世的に、ほとんどの人が空気読みますよね。
まぁ、空気を読まなければ上手くいくってわけでもないのがビミョーなとこですけど
そのへんもまた命式のミョーでしょう。
命式は、おそらく個人の満足なんかを一方的に無限に応援する形にはなってないことが多いケースもあります。
キリストとかゴッホ(や、その他偉人)の生涯を眺めれば、「あなたの満足」なんぞを無限に応援するかたちにはあまりなってないケースも多いのがわかるでしょう。
ちょっとはなしがそれましたが
空気を読まない(人)っていうのは占いの命式とかで分かるのか?というはなしでした。
空気を読まなければ、芥川賞とれるのかな?
いや、そんな単純なはなしでもないでしょう。
御一読ありがとうございました。
四柱推命による「空気を読まない」命式のはなしでした。
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(訂正)
初稿で田中慎弥さんの誕生日の星座をさそり座と書いてしまいましたが、11月29日は射手座になりますので修正しました。
スミマセン。