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ふわしゅわな食感にブームの予感!「台湾カステラ」を作ってみよう/スギアカツキ

「台湾カステラ」ってどんなもの?

タピオカドリンクに続くブームの予感がする台湾グルメ。
その名は、「台湾カステラ」。
現地では「現烤蛋糕(シエンカオダンガオ)」と呼ばれていて、ビッグなボリューム感と焼きたての良い匂いが人気になりつつあるそうです。
そうです、ここ最近注目されている、台湾においてもやや新しい存在。
台湾在住の友人に聞いてみても、知っている人と知らない人がいるくらいのレベルです。

この台湾カステラの特徴は、たっぷりのメレンゲを加えて作られているという点。
どっしりとした見た目にもかかわらず、口に入れた時のふわふわ・しっとり・しゅわしゅわと変化していく独特の食感が魅力だそうで、日本のカステラとは大きく違うようです。

日本でも専門店が少しずつ登場し話題になっているので、私も早速購入して食べてみました。
うん、これは確かに軽やかでおいしい。
そしてこのどこか優しく懐かしい味わいは、自宅でも作れるのではないかと思ったのでした。
ということで今回は、私が試作を重ねた(まだまだ進化中の)、自宅で作れる“おいしい台湾カステラ”のレシピをご紹介したいと思います。

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自宅で作れる“おいしい台湾カステラ”のレシピ

【台湾カステラ(18cm角のケーキ型1個分=4~5人分)】
※小さめのパウンドケーキ型(長方形)を使用する場合は、分量をすべて半分にしてください。

卵 5個
太白ごま油 大さじ5(約60g)
薄力粉 大さじ10(約90g)
牛乳 大さじ5(75ml)
てんさい糖 大さじ5(約60g)
はちみつ 大さじ1(約21g)
バニラオイル(もしくはエッセンス) 5~6滴

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太白(たいはく)ごま油とは、焙煎しない生のごまを搾った香りのない透明なごま油のこと。
動物性油脂のバターと比べてヘルシーだと言われることが多い植物性オイルです。
液体油脂なので生地が縮むことなく、焼き上がりの柔らかさが持続する利点を持っています。
また、はちみつを足したのは、華やかな香りやコクを加える以外にしっとり感をもたせるため。

【作り方】
※ケーキ型にクッキングシートをタテ1枚、ヨコ1枚敷いておく。
オーブンを150℃に予熱しておく。

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1)太白ごま油を小鍋に入れて軽く火にかける。
サラサラしてくればOK。

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2)薄力粉をふるいながら混ぜ合わせる。
一気に入れるとダマになるので、何回かに分けて混ぜながらクリーム状にするのがポイント。
クリーム状になったら、牛乳を加える。

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3)卵を卵黄と卵白に分け、卵白は大きめのボウルに入れる。
鍋に卵黄とはちみつ、バニラオイルを加えて混ぜ合わせる。

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4)ボウルの卵白にてんさい糖を加えて、ハンドミキサーの強で撹拌してメレンゲを作る。
しっかり固めに泡立てるのがポイント。

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5)ボウルに鍋の中身を入れて全体を手早くしっかり混ぜ合わせる。

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6)ボウル内のカステラ生地をケーキ型に流し込み、表面を平らに整える。

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7)あらかじめ温めておいたオーブンに入れて、150℃で60分湯煎焼きにする。

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8)焼き上がったらやけどに気をつけて取り出す。

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9)熱いうちに型から取り出して、クッキングシートの側面をはがせば完成。

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焼きたての味は格別なので、温かいうちに豪快に切り分けて召し上がってみてください。

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粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やしても良し。
冷たくしても生地が固くなることはありません。

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スフレとシフォンケーキのいいとこ取りのような新食感カステラ。
新型コロナが落ち着いて安全な渡航ができるようになったら、現地での愛され方を確認しに台湾に行こうと決めています。
困難がある状況は、私達の期待をこのカステラのようにふわふわと膨らませてくれるものなのかもしれません。

この連載では、「たまごが一番大好きな食材」という食文化研究家のスギアカツキさんが、その経験と好奇心を生かしたさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げていきます。【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
Instagram:@sugiakatsuki