スギアカツキ【たまごのはなし】第39回 食べるシーンを広げてくれるヒット珍味「カズチー」
今日は鶏卵ではなく、“魚の卵”のお話を。皆さん、「かずのこ」って、好きですか? 多くの人にとっては、イクラ以上に特別感を感じる食材かもしれません。価格もそれなりに高価ですし、食べるシーンもお正月のおせち料理に限定されてしまいがち。でも最近、数の子を使ったおつまみ菓子がプチブームになっていることをご存じでしょうか?
その名は、「カズチー」。北海道留萌市にある「井原水産株式会社」という水産加工会社が製造し、株式会社ノースマートという商品開発・EC事業を手掛ける企業が組むことで生まれた、オシャレな珍味菓子なんです。
このカズチー、どうやらテレビの情報番組でも紹介されるほど人気になっていて、私が買っているスーパー(成城石井)でも、“おひとり様1個限り”という制限があるほどの希少品。最初は私も、話題性からの興味本位で手に取ってみたのですが、お世辞抜きにおいしくて、一口食べて以来、虜になってしまったのです。
封を切り、中の個包装を開けてみると、こんな感じにコインサイズのチーズがお目見えします。
プロセスチーズの中に燻製にした数の子がぎっしり入っていて、小さい満月のようなルックスは、見た目もかわいくて、若い女性にも喜ばれそうです。ひと袋に7個入っているのですが、私はついつい一気に食べてしまい、まとめ買いをするようになりました。
このお菓子の魅力は、燻製数の子のおいしさを堪能できること以上に、数の子の食べ方やシーンを大きく広げてくれている点にあると思います。また、「本当においしいものを、今の時代の状況・雰囲気に合わせて楽しく提案する」という精神を強く感じます。外部からのアイデアやノウハウを取り入れた商品開発・販売スタイルが成功すれば、世界のあらゆる地域で、おいしいもの発信ができる。カズチーは、そんな自由な時代を実感させてくれる成功事例なのだと思います。
ちょっと贅沢なおつまみとして味わうのはもちろんのこと、ダイエット中のオヤツとしてもオススメです。ひと袋食べても100キロカロリー以下なのですが、凝縮されたチーズと数の子が、食べる人の心をしっかり満たしてくれることでしょう。
数の子の新たな食べ方を、時流を捉えておいしく提案してくれる「カズチー」。気になる方は、ぜひ探してみてくださいね。
【カズチーについて】
販売者:株式会社ノースマート
加工者:井原水産株式会社
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文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
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