実践してみた同期演奏~誰も何もしないコラム5 skitkr
同期演奏を始める経緯
de la chickで初めて同期演奏を行ったのは「ERA」という曲です。
この曲は、ボーカルの岳生君と車に乗っているときに「前に作った曲がある」と言って聴かせてくれました。
歌詞はまだ出来ていませんでしたがトラックとメロディは完成されていて、聴いた瞬間に、楽曲の素晴らしさが車中から溢れ出るくらいの勢いと優しさを感じた珠玉の1曲でした。
小気味よいメロから、光り輝く雄大なサビへと進行していくのが、岳生君のソングライティングの細胞の一部だと思うと、作曲する引き出しと別の棚の多さに、今後どんな曲が出来るんだろうとワクワクしました。
歌詞は一緒に考えようと言ってくれたので「シンデレラ」をテーマに書きました。
この動画に楽曲解説しています。もしよければみてみてください。
歌詞が完成し、演奏することになるんですが、ウワモノのシンセや打ち込みを使いつつ、生演奏と混ぜ合わせることに。スタジオでスピーカーから流しながらやると、どうしても僕のドラムがズレてしまい、音量を大きくすると、単純に耳によくない。
いよいよ、同期演奏の機材を買うしかないと決断が下されました。
岳生君とスタジオに入ると、帰りに結構(というかほぼ毎回)山岡家を食べて帰るんですが、
山岡家の話はまた今度。。。
「岳生君、、、打ち込みの機材を買うから、山岡家を少し控よう、、、」
山岡家から距離を置くという英断。
機材購入
まず、同期演奏をするために
「何から音源を出すか」
これが一番重要なところです。
そもそも同期演奏とは、ライブで出演しているメンバーが出す音「以外」の外部からの音源と合わせて演奏することです。
Dragon Ash「百合の咲く場所で (Live) -2014.5.31 NIPPON BUDOKAN-」
始まりからコンピューターのような音がずっと流れています。演奏する人達はこの音に合わせなければなりません。正確なリズムを聴くためにドラマー、または演奏する人は「音源やメトロノーム等」を「しっかり聴く」必要があります。
その手段としてイヤホンかヘッドホンを使います。
あと重要な事は、
「お客さんが聴く音源、と、ドラマーが聴く音源」
が必要になるということです。これは、メトロノームでクリックを聴きながら演奏するときに、
お客さん → 音源
ドラマー → 音源 + クリック
と二つの音を同時に出すようにします。必要なのはイヤホンと音が2つ出せる機材。
音が2つ出せる機材は色々ありますが、僕は「値段と持ち運び」を重視しました。
PCが古いのと、iPadをもっていないということで、
ZOOM R8を購入しました。
サイズはこんな感じです。
CDとくらべるとコンパクトなサイズがわかると思います。
音源を出すまで
まず、岳生君から二つの音源をもらいます。
ひとつは、お客さんに聴いてもらう、シンセや打ち込みが入った音源。この音源に合わせてメンバーは演奏します。
そしてふたつめは、僕(ドラム)が聴く音源。プレイヤーやバンドによって聴く音源は変わってくると思いますが、僕の場合は完パケ(歌が入っていて、みんなに作品として聴かせる完成品。↑にあるERAのyoutubeの音源)です。
お客さんに聴いてもらう音源はそのまま使うのでいいのですが、僕が聴く音源は、この完成品にクリックを自分でいれます。
まず、iPhoneに最初から入っている「GarageBand」という作曲アプリにERAの音源をいれます。
そして、ERAの音源に合わせてクリックを付け足します。音の割合は音源よりクリックを少し大きめにします。あとは間奏やラストの繰り返し演奏する部分で、次の展開に進行する箇所を間違えないように自分の声をいれています。
お客さんに聴かせる音源と、自分が聴くクリック付き音源の準備が出来たら、両方をパソコンに入れます。Dropboxのアプリにそれぞれ入れた後、PCの方からDropboxで保存します。
最後に、このふたつの音源をR8にいれて(PCとR8を繋げて)、設定します。
OUTPUTに2本シールドを挿して、それをPAさんに渡し、DI(ダイレクトボックス)に繋げてもらいます。
PHONESにイヤホンを挿します。イヤモニを買う資金がなかったので、100均で買ったイヤホンに延長ケーブルを付けたもの。
イヤホンだけ付けて演奏すると、クリックと実際の演奏も聴こえるのですが、演奏の音量に合わせてクリック音も大きくしないといけません。
耳があまりよくないので、極力小さな音で演奏したいと思い、
家にあったイヤーマフを使っています。
音量をある程度遮断できるスグレモノは、Hi-Standardのライブを家族で観に行く時に、娘用に買っておこうか?ということで購入したものです。
とても役立ってます。。。。
これでほぼ外の音は遮断して、イヤホンから流れる音源だけを聴いて叩いています。
メンバーの音を聴かなくても出来るの?と聞かれたことがありましたが、音源に合わせるのが大前提で、そのリズムの上で他のメンバーに乗っかってもらうことで、外部音源とメンバーの演奏を「カチっ」とジョイント出来るかなぁと思ってます(あくまで個人感です)。
他の曲も同期演奏するときは同じ手順です。同期演奏が身近になったことで、ライブのクオリティが上がり、幅のある音を届けられると思います。
ERAを収録したアルバム「diverse」サブスク各種で配信中です。
de la chick よろしくお願いします。
skitkr