同期演奏を行うまでの思い出話~誰も何もしないコラム4 skitkr
娘が「タイムスリップ」という言葉を知ったみたいで、しきりに使ってくるのですが、「過去や未来に行ける」のと「人格が入れ替わる」がセットになっているみたいで、「40年前に行って、パパと入れ替わる」とずっと言っています。
彼女に突っ込んだ質問をすると、ニヤニヤしながら「わかんな~い」と言うので、
「あれでしょ?バックトゥザフューチャーみたいなやつでしょ?」
「あ、そう!そんな感じ」
家族で観たバックトゥザフューチャーをそれなりに理解していたので安心しました。
同期演奏
高校の学校祭で初めて人前でドラムを叩きました。今思えばかなりめちゃくちゃだったと思いますが、演奏後は感じたことのない達成感と、「またやりたい。なんの曲やろう」という人生で初めて前に進む気持ちのスピードが増したことを、このコラムを書きながら思い出しました。
その後、卒業ライブをやることが決定し、僕は4人組バンドで12曲くらいを演奏することになりました。曲決めの話をメンバーしたのですが、
「Dragon Ashでしょ」と即決でした。
高3になる春に購入した「Let yourself go, Let myself go」。
それまでラップをあまり聴いてこなかった自分にとって、カルチャーショックを受けたのと同時に、こぞってヒップホップ(もちろんそれまでにジャパニーズヒップホップや海外のヒップホップを聴いていた人も高校にいましたが)を聴く人が大量に現れたことで、「ラップの浸透化というデカいことをした」Dragon Ashは特別な感じがしました。
この曲を改めて聴いてみると、その後、「伝える言葉」と「韻」を意識した素晴らしいライムを聴かせてくれる降谷建志を形成していく段階なんだなぁと感じたのと、歌詞から感じとれる「進むべき未来への自己推進力」を聴き手に小気味良く伝えてくれるのが、当時の僕にはハマったんだと思います。
夏にはアルバム「Viva La Revolution」が発売され200万枚近く売れると、普段音楽をあまり聴かない人たちからも認知され、ビジュアルの良さも相まって高校では「誰もが知る存在」に。
そんなDragon Ashを演ることになったのですが、アルバム発売前の夏頃に、WOWOWで放送していた赤坂BLITZでのライブをMDに入れてみんなに渡していたので、それを中心に「Viva La Revolution」の楽曲も入れて練習することになりました。
僕は「Let yourself go, Let myself go」をやりたかったんですが、
「最初の音がわからない、出せない」
イントロにして最大の問題点があり、いちばんの肝なだけに、この音なくして成立しないので断念。
そしてこの時、初めて、ドラムを叩いた経験がある中での「同期演奏」というものを潜在的に知ることになりました。
Dragon Ashのドラマー桜井誠がヘッドホンを使用する意味すらわからなかったです。
大学に入り、小学校の幼馴染とバンドを組んで、札幌でライブをするようになりました。そこで出会った「deaDBall」というバンド。ベースとドラムの二人構成でベースの前にはノートPCやミキサーやゲームボーイ、ドラムにはサンプリングパッドがあって、PCから出る音源と合わせて演奏するスタイルでした。
ゲームボーイは「nanoloop(ナノループ)」というソフト。
ゲームボーイがシーケンサー、シンセサイザーになる可愛くて凶暴なソフトです。
ライブでは緻密に、そして凶暴な音を出すバンドで、対バンでのリハの時でも、年上で気軽に話しかけれる感じでもなく、どう接しようかと緊張していました。
仲良くなると「良い兄ちゃん」的な存在で、今でも連絡を取り合っていることは嬉しく思っています。
「ドラムはヘッドホンからクリック(と他の音源)を聴いて演奏する」を間近で確認できた時に、誰にも聞けなかった答えを教えてくれる人が見つかったという嬉しさと、プロではなくても出来るという事は、自分にもいつかチャンスがあるかもという小さな夢が出来ました。
deaDBallは、のちに
「wired rhythm design」と改名します。
そして僕は「wired rhythm design」のメンバーとして一度ライブをしました。いまでも脱退してないので、メンバーだと思っています。。
この時はもう一人加わり、
・ドラム、サンプリングパッド
・ドラム、ゲームボーイ(僕)
・ベース、PC
・ギター、シンセ、PC、ボーカル
の4人編成で行いました。
スタジオ練習は、沢山の機材に囲まれた中での演奏は初めてだったので、とても高揚して集中できました。
クリックはもう一人のドラマーだけ聴いて、僕はそのドラマーのリズムに合わせて叩くスタイルでした。
PC音源とクリックを聴きながら、僕のドラムも聴こえつつ演奏するというのは、僕がリズムのズレがあっても「PC音源の方」に合わせて叩かなければならないので、ドラマーさんは大変だったと思います。。。
練習中にヘッドホンを聴いてやらせてもらったのですが、クリックを聴きつつ、外の演奏も聴こえ、自分も演奏するというのは思った以上に難しかったです。
そして機材の進化と発展、と、もうひとつ「低価格」という手にしやすさが僕と同期演奏の機会を与えてくれることになります。
実践編に続きます。。。。
最近聴いたMdou Moctar
「砂漠のジミヘン」というパンチのあるワードに惹かれて聴いてみました。
トゥアレグ族というサハラ砂漠周辺でスモーキーな音楽を奏でるエムドゥ・モクター。
通常のリズム以外にもヨレやスリッピーなど特殊なリズムの上に、地域的な独特のメロディを乗せて世界に発信する姿に「ジミヘン」という唯一無二の名を出すことは、期待の表れと「絶対的なギターヒーロー」の再来を夢見る人達への憧れとなってほしいです。
ジャケのインパクトが凄すぎて最高。
de la chick での楽曲もちょくちょくあげます。
よろしくお願いします。
skitkr