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⑦ミュンヘン公立幼稚園の見学・中編
【2020年1月30日(木)ミュンヘン】
さて、園のようすをお伝えしたいと思います。
最初にもう一度書きますが、ここは「公立の」幼稚園です。
園のようすを見れば見るほど、ここが特別な園でもないこと、私立の園でもないことに驚きます。
ドイツの幼稚園の方がいいとか、日本の幼児教育が劣っているとか、そういう「優劣」ではなく、子どもの生活、育ちをどう受け止めているのかがドイツと日本では違うんだろうなと強く感じました。
【自然光がやさしいまぶしさのおへや】
以前、シュトゥットガルトの幼稚園を見学した時も同じでしたが、今回見学したミュンヘンの幼稚園にも、蛍光灯が天井にありませんでした。
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先生に「暗くないですか」と尋ねると
「これでじゅうぶんですよ」とにっこり微笑んでいらっしゃいました。
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自然光が降り注いでいます。少し薄暗いかな?という明るさです。
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トイレには天窓がありました。
プライベートスペースで壁に囲まれるトイレは、横からの光を入れにくいからないからか、ダウンライトが少しありました。
少しおへやを眺めていると、朝のお集まりで「やりたいこと」を決めた子たちが、先生と一緒にそれぞれの活動を行う小部屋へ移動し始めました。
「2~3人ずつ分かれてなら、お部屋に一緒に入って静かに見学していいですよ」と言っていただきました。
わたしたち日本人は自然と数人に分かれて、順番に活動を見学することにしました。
【製作活動のおへや】
まず、こちらは製作活動を行うためのお部屋です。
入ってびっくりしたのは、壁面に沿ってならぶ棚です。
製作に使う画材、紙の他にねじやビーズなど様々なものが、とても分かりやすく並べてありました。
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このお部屋もわざわざカーテンで光を遮ってありました。
製作に使うものがずらりと並んでいる棚が気になって仕方がありませんでした。先生にお尋ねすると「大人がいるときは、好きなものを使っていいことになっている」そうです。
棚をのぞいてみましょう。
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絵の具やはけ、ふで、はさみ。
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ドイツのものを輸入している店なんだから、ここドイツで見かけるのは当然といえば当然なのですが、なんだか嬉しくって、つい「これおひさまやにもある…」といちいち言ってしまいます。
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このお部屋はドアが閉められていました。
すごく静かで、のんびりと絵に集中できる環境が整えられていました。
【音楽のおへや】
次は、音楽あそびのおへやをのぞいてみます。
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右にいらっしゃる男性は保育士の先生です。
まだ見習い中だとか。
ジーパンにかなりごついピアスをしていて、ちょっとびっくり。
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動物のフィギュア、恐竜のフィギュアもズラリと並んでいます。
音楽のおへや…よね?と訝しがる日本人たち。
「もうすぐ子どもたちが来ますよ」と先生。
あ、ピアスが見えますね。
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まず先生が、ぬいぐるみやおもちゃを使って「ゆきだるま」のおはなしを素話で語ります。
次に、子どもたちが中央の布の下に先生が用意していた楽器を手にとります。もう一度、先生がお話を語るのに合わせて、こどもたちは効果音を好きなタイミングで、好きなように演奏します。
楽器を上手に弾けるようにする練習ではなく、子どもが「感じる」ことで「音を楽しむ=音楽」を実践していて素敵でした。
最後にみんなで歌います
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先生方の手作りの楽器もありました。
これは日本でも作れそうですね。
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次は運動の活動をしているところへ行くことにします。
運動担当の先生は、療育のプロフェショナルでもあるそう。
次回でお伝えします。