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100字物語『少年のさがしもの』リターン篇 プロローグ

毎回きっちり100字で綴ってきた『少年のさがしもの』も50話の折り返しに、ようやくたどりつきました。

* * * * *

そこで、お知らせがあります。

なんと、『少年のさがしもの』が新しい物語として誕生することになりました!


『少年のさがしもの』を読んでくださった橘鶫さんが、
「これって、まさに物語の欠片ですよね」とのうれしいコメントを。
(鶫さんは、『物語の欠片』という壮大なサーガのような長編を書かれています。これが、すごく深くておもしろい!)
おまけに第8話を読んでくださった時点で
「私の中ではこの時点ですでに今まで出てきた”少年”が数名に分類され始めていて、なんか、それぞれ探し物をしていた何人かの少年がいつかどこかで出会うという物語が生まれ始めています」とも。

私はこのコメントにガツンとやられました。
少年を複数に分類するという視点が、じぶんの中に欠片もなかったので。
「ああ、そうか。そうすればいいのか」「それも、有りだよね」と。

ちょうどそのころ。
私は50話の出し渋りをしていました。
というのも、51話からの折り返しの展望が見えていなかったのです。
情けないことに。

だから。
鶫さんの頭の中にすでに芽生えつつある物語を読んでみたいと思いました。
そこで、すぐに鶫さんに
「少年のさがしものを下敷きにした物語を書いていただけませんか」と
不遜なお願いを。

すると、まもなく。
鶫さんから快諾の返事とあわせて、
メインキャラクターの5人の少年の名前と
ストーリーの概要が送られてきました。
その時点で、50個の探しものもすべて回収できそうだと。

もう、びっくりです。
私はじぶんが撒いた種ながら、
50個の探しものをどうやって回収すればよいのか
考えあぐねていたのですから。

鶫さんのストーリーの構築力、構想力に
完全に打ちのめされました。

だから。
とっても楽しみにしているんです。
『鳥たちのさがしもの』を。

鎌倉が舞台になるようです。
私の『少年のさがしもの』は、
神戸の坂や海がイメージのもとですが。
そんなふたつの場所のシナジーも、楽しみのひとつ。

鶫さんが描かれる、魅力あふれた鳥の絵も
いっしょにお楽しみいただけるのではないかと思います。
この絵が、また、とってもすばらしい。
絵も、物語も描ける鶫さんを、
私は心から憧憬しています。
そんな鶫さんに、コラボ作品を書いていただける
幸せをいま、かみしめています。


* * * * *

お知らせを、もう一つ。

鶫さんに背中を押される形ですが。
私もようやく51話からのリターン篇に着手します。

50話までは、「100字で綴る絵葉書」が基本コンセプトでした。
じぶんに課したルールは、
①句読点も含めて、きっちり100字でまとめること。
 (字余りも、字足らずも不可)
②「少年は〇〇を探していた。」ではじめること。
③猫を登場させること。

たった、これだけ。
②と③を守りつつ、風景や光景を、
「写真のように描くことができるか」に
挑戦していました。

https://note.com/dekohorse/m/m355fc166d61f


さて、51話めからのリターン篇ですが。

51話は50話と。52話は49話と、53話は48話‥‥
と、対になるようにシーンを遡っていきます。
50話を中心点として、パタンと折り返すイメージです。
つまり、「絵葉書の表と裏」
レコードのA面とB面

表が写真ならば、裏は物語。
表が風景ならば、裏は心象です。

さらに。
その物語が、51話から100話まで
縦に一本につながるようにする
つもりです。
(できるのか?)
100話が1話と対応するので、
ぐるりと元にもどって円環をなす構成です。

そこで。
少年と猫に名前を与えました。
別途、書いた『朔物語』と連動させる形で。

https://note.com/dekohorse/m/md48173d8be1e

主人公の少年は、朔。
猫の名は、シロップです。
物語をふくらませるために
その他にも登場人物を。

リターン篇の基本ルールは。
①句読点も含めて、きっちり100字でまとめること。
 (これは、変わらず)
②対になる表面で提示した「さがしもの」を回収すること。
③ストーリーとしてのつながりをもたせること。
以上、3つです。

リターン篇では、毎回、必ず猫が登場するというルールは外しました。
(他の登場人物が増えるためと、ストーリーがぎこちなくならないよう)

第1話を秋からスタートさせたので、
その時点で朔は中学1年生という設定。
50話を夏祭りで締めたので、
リターン篇のスタートは、
朔が中学2年の夏の終わりからです。

場所は、表面(A面)と連動します。
でも、情景描写に筆はさきません。
(100字にその余裕は、たぶんないので)
あくまで舞台としての位置づけ。
それに、季節がずれます。
そのあたりの違いもお楽しみいただけると幸いです。

さて。
いよいよのスタート。

『鳥たちのさがしもの』と
『少年のさがしもの~リターン篇~』を
あわせてお読みいただければ、
ひとつのタネをベースにした
ふたつの異なる物語を
お楽しみいただける‥‥はずです。

(鶫さんの物語と比べられる恐怖に、今、ひそかに慄いていますが)
(そして、たぶん。私が遅れがちになるかと)
置いて行かれないようがんばります!

では、明日から。
ふたつの物語を
お楽しみください。


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