Love Songs ＃２「Best Friends」

校門の前の坂道
息をはずませて　のぼった

春の光にあたためられた
アスファルトに
ゆらゆらと
糸遊がゆらめく

いつも一緒だったね
春も、夏も、秋も、冬も。

憧れの先輩を　柱のかげから　
一緒に見つめた　あの日　

失恋したと　告げると　
一緒に泣いた　あの時

あの日　あの時　あの空
ぜんぶが　今もあざやか

卒業して　毎日　会えなくなっても
結婚して　遠く　離れてしまっても

いつでも　時をこえて　駆けていくよ

出会えたことは　偶然でも
過ごしたときは　必然

だから　My Best Friends
いまも　My Best Friends

どんなに時が　たっても
おばあちゃんになっても
最強の　おんな友だち

だから。

――瀬をはやみ　岩にせかるる　滝川の
　　われても　すえに　逢はむとぞ思ふ

＊　＊　＊　＊　＊　

キャンパスのカフェテリア
話は　つきることなく

空にただようひつじ雲
秋の風になでられ
さわさわと
秋桜が　さんざめく

いつも一緒だったね
春も、夏も、秋も、冬も。

つまらない　嫉妬して
ケンカした　日もあった

親に言えないこと
語りあかした　朝もあった

あの日　あの朝　あの夜
ぜんぶが　今も胸にある

戻らない時間を　嘆かなくても
帰らない日々を　追わなくても　

いつでも　時をこえて　笑いあえる　

出あえたことが　奇跡なら
過ごしたときは　宝もの　

だから　My Best Friends
いまも　My Best Friends

どんなに　遠くにいても
おばあちゃんになっても
最高の　おんな友だち

だから。

――逢ひみての　のちの心に　比ぶれば
　　むかしは　ものを　思はざりけり

糸遊‥「いとゆう」。陽炎（かげろう）のことで、春の季語です。
秋桜‥「コスモス」

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