発達デコボコ息子とわたし #28 ㉑4年生を振り返って 学校適応指導教室の毎日~作品展~
2018年1月の一番大きな行事は「作品展」でした。
これは1年間作ってきた作品(陶芸、刺し子、モビール、絵など)を一部屋に展示して、学校の校長、教頭、担任の先生、保護者などをお客様に呼んで、生徒がご案内する、ちょっとした文化祭のようなものでした。
いつもは14時に終わるK教室ですが、この日は16時までと長く、生徒たちも、持ち回りで、来客者一人につき一人ついて、作品の説明を一つひとつしていく案内約を担当していました。
私は朝息子を送ってから、お迎え時間の30分くらい前に作品展に行きました。
私が着いた時に、ちょうど息子が案内できることになっていて、最初は来客リストに名前を書いてくれるように、説明し、その後一緒に部屋に入って作品の一つひとつを説明してくれました。
作品展は、思った以上に作品がたくさん飾られていて、K教室の生徒たちの他にも、K教室の入所前の子どもの作品も飾られていました。
刺し子や陶芸、石にペインティングしたもの、牛乳パックやペットボトルを使った図工の作品、プラモデルなど、息子は作品ごとに丁寧に説明をしてくれました。それがめちゃくちゃ流暢で驚きました。
最後にK教室の活動をパネル展示してあり、自分が体験した活動の説明もしてくれました。
今まで息子がやってきたことの大きさ、先生や生徒たちの温かさが伝わってきて、説明を聞いて作品を見ていると、胸が詰まってきました。
展示を見終わって、アンケートを書き、作品展が終わるのを会場外で待っていました。作品展は終わりギリギリにも来る来客者が結構いて、帰る時間はやや遅くなりました。
先生から「○○くん、案内がとってもよくて、お客様に褒められていましたよ!今日はたくさん褒めてあげてくださいね!」と話しかけられました。
家に帰ると、興奮気味で話し始める息子。
案内した人がどこかの小学校の教頭先生で、学年を聞かれて4年生と答えると「あまりに立派な案内で6年生かと思った」と言われたこと。
案内は結構忙しくて、お昼もあまり時間がなくて、さっと食べて、すぐに案内をし始めたこと。
昨日は、あまり案内の準備ができなかったけど、今日やってみたら、いい感じでできた。
先生から「○○くんが秘めてた力がでたんじゃないの?」と褒められた。
担任の先生も来てくれて、案内できた(この日、校長先生と担任の先生が来てくれた)。
次から次へと作品展の話がでてくる息子。
話が終わりに近づいたころ
「今日、たくさん褒められて、とってもうれしかった」と満面の笑みの息子。
夕方、作品展を見に行った祖母より「とってもいい作品展だった。○○も頑張って案内していたよ。今日は特にたくさん褒めてやって」電話がありました。
私も素直な気持ちで、息子をたくさん褒めました。
息子は、ますますニコニコして、帰ってきた夫にも作品展のことをたくさん話していました。
この「作品展」での経験は、息子にとってとても大きなものでした。
「自分は人を案内することが得意だ」と自信がついたのです。
「自分がすることに自信をつけること」
私がずっと息子に望んでいたことでした。
不登校になってから、息子の口癖は「どうせ」「無理」。
私なりに息子が出来たこと、できること、小さなことも褒めてき続けていました。
それは自分に自信を取り戻して欲しかったから。
3年生の荒れている渦中、「自分はダメなんだ」といって頭をたたき始めた息子を見て、ショックを受けた私でした。
「ダメじゃない、○○はダメじゃない」と泣きながら抱きしめたことをふとこの時思い出しました。
今日の日を迎えれたことは、いろんな人とのふれあいがあってできたことだと、強く思いました。私一人では、ここまで息子の自信を取り戻すことはできませんでした。
寒い、寒い1月だったけど、私の心はぽっかぽかでした。