理解と納得のバランスについて #3
ぼくは『納得しないと仕事ができない病気』でした。ちょっとわかる気がする...という人はこのままお付き合いください
よく、納得するまでなかなか仕事に取り組めない人がいますよね。ぼく自身がそうでした。事実社内では、アベには簡単に仕事を頼みづらいみたいに認識されてました。
このテーマは結構難しいんですよね。最近本とnoteを読んで、納得には感情が含まれていることが問題かなと思いましたので、みなさんにシェア。
①納得を分解してみる
自分の中でこの納得を分解してみました。
納得は理解と感情の掛け算のイメージです。
理解=ロジックが正しいこと
感情=自分の気持のこと
例えば、1+2=3みたいな数式を見た時に
この数式は正しい(論理的な反応)
この数式は簡単だな(感情の反応)
反応の仕方が2つに分かれるイメージ。この両方が出揃った時に初めて納得が生まれるんじゃないかなと。
補足
あ、ちなみに、この話は『依頼する側』と『依頼される側』では分けて考える必要があります。
依頼する側(上司)が依頼される側(部下)に、「納得できなくても仕事をしろ!」っていう話ではありません。
依頼される側は、過度に感情を入れると仕事がしづらくなっちゃうよ。というはないです。
②納得じゃなだめなの?
元々、ぼく自身は別にいいかなって思ってました。でも、納得を追いかけることはメリット・デメリットが両方あるので、使い所を見極める必要があるなと。でも、若手は使い所を見極めるのが結構難しいので、納得を排除する方が結果的に成長は早いかも?と思います。
メリット
①直感が正しい場合もある
②論理だけを追い求めると失敗することもある
前者は、羽生善治さんが「直感の7割は正しい」とゆってるみたいな話が有名ですよね。後者は、ハートドリブンという本を参考にするといいです。
ですが実は、この2つは素人が簡単に扱える内容ではないということに注意が必要です。めちゃくちゃに試行錯誤された結果が沈殿しているというのが前提なんです。膨大な時間の試行錯誤がその直感の背景にはあります。冷静に考えて下さい。あなたはその問題に対して膨大な試行錯誤を積んでますか?
将棋界最強の羽生さんは直感が大事だとゆってるよ。という話であり、素人が将棋を始めても直感があれば勝てる、みたいな話ではありませんので注意が必要です。
デメリット
①誰がゆったか?に依存する
②自分の体験に依存する
③依頼する側が、依頼される側を説得するコストがかかる
④依頼される側は、なかなか仕事を始められない
感情は、権威などの「言った人」依存する危険性が高いです。社内でも無意識の内に、人に対して信頼度の差ができているのが当たり前だと思います。信頼できる人がゆったから正しい、と考えてしまうのは危険です。顧客の課題を解決を至上命題に置くベンチャーでは特に。
自分の体験に依存する可能性も高いです。ベンチャーでは多くの場合、今までに無い価値を作っています。さらに、顧客の課題にフォーカスする必要があります。その場合は、自分の体験で判断すると間違った結論が出てしまう可能性があります。
残りの2つは、リソース・コストみたいな話です。日々の膨大な業務に追われている中で、『納得』にリソースを割くのは結構大きなコストです。一度、納得に足を引っ張られると会議がめっちゃ長くなりがちです。
③プロフェッショナルとして「理解」の優先度を上げる
もろもろ考えてみて、とりあず日々の業務は理解の優先度を上げることが大事かなと思います。これを実践するようになってから、自分自身もかなり仕事がしやすくなりました。
ぼくはプロとして仕事をすることをモットーにしています。言い換えるなら、お互いに真のパートナーとして信頼関係の下で仕事をすること。社内に対しても社外対してもこれは同じです。
納得を優先するということは一見するとプロフェッショナルにも思えます。職人のようなイメージ。ですが、そこには感情が介在していることを忘れてはいけません。「今日は気分が乗らないから仕事はしません」ではプロとはいい難いなぁと思います。
ここらへんはけんすうさんの記事が近い話かなと。
④じゃあ疑問が生まれた時は?
仕事に疑問が生まれることは当たり前です。「ん?」と違和感を感じることがあります。その場合は、疑問を感じている対象が『感情』なのか『論理』なのかを考えてみるといいと思います。
その上で、疑問を呈することが可能な場所は「ロジック」のみだという共通認識を会社で作っておくといいかもです。
例外として、数ヶ月〜数年の長期的な事業戦略を考える時は、直感もめちゃ大事だと思います。
⑤なんでこういう考えが生まれたんだろう?
追い求めがちですよね、納得。そこで、こういう考えが生まれてしまう背景を考えてみました。頭のいい人に納得を追いかける人が多い印象。自分がそうだとはいいませんが。
たぶんこの納得追い求め病の根源は理不尽なルールによって作りだされてる所感。学校だったり親だったり。
ぼくは靴などの足を圧迫するものを身に着けていると集中できない病気にかかっていて、仕事中はだいたい裸足です。なので、高校時代ぼくは学校でスリッパに履き替えていました。ですが、ある日怒られて。その理由は地震があった時に走って逃げられない危険があるから、でした。だいたい理解はできるけど納得はできない。
こういう細かい事象の積み重ねが、直感的に「理解はしたけど納得はしてない。なんか嫌だな。」というぼくの感情を作った気がします。異論は認めます。みなさんの原体験もコメントで教えて下さい。
この後遺症は会社で働き始めてからも続きました。そうして社内では、『アベに仕事を依頼するには納得させないといけない』と認知されるまでになり。そんな人と一緒に仕事したくないですよね。そういうことでぼくは否応なしに納得の優先度を下げたのでした。ちゃんちゃん。
⑥最後に、納得と理解を考えるキッカケになった2つの文章をシェア
今回のテーマは、けんすうさんとジェフ・ベゾスさんの文章を読んだことがキッカケだったので、その2人の文章をここに備忘録として残します。
けんすうさんはこちらのnoteにて
理解の優先順位はあげる、納得の優先順位はあげない
というのが、「仕事ができる」と思われるコツ何じゃないかと思いました。
以上引用終わり
ジェフ・ベゾスさんはこちらの本にて。正確にいうと著者は別の方ですが、氏の言葉を引用する形で記載があります。
意見を持ち、異議を唱えたあとは、納得して力を注ぐー
リーダーは同意できない場合には、敬意をもって異議を唱えなければなりません。たとえそうすることが面倒で労力を要することであっても、例外はありません。リーダーは、信念 を持ち、容易に諦めません。安易に妥協して馴れ合うことはしません。しかし、いざ決定がなされたら、全面的にコミッ トして取り組みます。
以上引用終わり
いくつかエピソードが紹介されてますが、AmazonPrimeオリジナルの制作を決定するにあたって、ベゾスさん本人は納得していないが理解したのでOKを出したという話が一番おもしろかったです。