シグマBF アナタは買いますか

昨日、シグマからBFという新しいカメラが発表されました。
アルミのインゴッドから削り出したボディは、継ぎ目がなく、工業製品というより工芸品のようです。
極限まで無駄を省いたということですが、その精神は職人に通ずるものがあるでしょう。
これでデジタル一眼カメラ。
しかもフルサイズセンサーとは、シグマの技術力は素晴らしいの一言に尽きます。

4月に発売とのことですが、この美しいボディは、シルバーを中心に、かなりの人気になるのではないでしょうか。
生産が追いつかないということも、大袈裟ではなく、起こると思います。

それで私が実際に買うかというと、様子見になるかなと考えています。

38万円という金額で、一旦躊躇するというのもあります。
でもそれ以上に、実機を触って、操作感やグリップ感を確認しないと、実用性がわからないというのがあります。
ファッションで持つ分には、こんな綺麗なカメラは、滅多にお目にかかれません。
ライカをブランドで買うのなら、写りと見た目でBFを買うのも、何ら問題はないでしょう。
むしろ後々BFは価値が上がってくるかもしれません。
それくらい、良いカメラです。

ただ実用となると、いくつか気になるところがあります。
いつでもカバンの中に忍ばせて、撮りたいときに、サッと取り出す。
こんな使い方をイメージしている人も多いでしょう。
でも実はBFはfpよりも重くて大きいのです。
厚さこそ9ミリほど薄いものの、ほかはfpのほうがコンパクトです。
バッテリーやSDカードを入れてもfpのほうが軽いのですから、いかにfpがすごいかがわかります。
いつでもどこでもと考えると、fpのほうがいいかなと思うのです。

もちろん人前でカメラを出したときに、どちらのほうが優越感に浸れるかといえば、それはBFになると思います。

また実際に触るまでわからないのが、グリップ感です。
コンデジであれば問題のない形状も、一眼カメラでは不十分かもしれません。
そう思わせるのが、ボディ前面の滑り止め加工です。
シグマは加工技術が優れているために、ほとんどのレンズで金属中心、ガラスレンズ中心の設計を行っています。
そのため金属製にしては軽いのですが、プラスチックを豊富に使ったレンズよりは、どうしても重くなってしまいます。
その重さがグリップ感にどう影響するのか、実際にレンズを装着した状態で触ってからでないと、少々不安ではあります。

同時にシグマはパンケーキレンズを持っていません。
いくらボディを薄くしても、レンズを装着した状態では、コンデジとは比べ物にならないほど分厚くなってしまうのです。
これでは持ち運びが億劫になってしまいます。

もちろん他社製のパンケーキレンズを使うのも一つの方法です。
ちょうど昨年、パナソニックから手頃な26ミリのパンケーキレンズが出たところです。
でもちょっと何かを撮りたいと思ったときに、MFでピントを合わせながら写真を撮るでしょうか。
それは面倒だと私は思ってしまいます。
フルサイズセンサーにこだわらなければ、富士フイルムのコンデジは、レトロ感もあって、BFとどちらを選ぶかは好みの問題のような気がします。
幅広い実用性ではリコーのGRなども、選択肢に入れていいように思います。
そうならないために、シグマには早急にAFパンケーキレンズを発売してほしいと思うのです。

ほかにも急いで買わない理由にfpと同じことが起こるのでは?という心配があります。
一年経った後にモデルチェンジした高画素機が発売になるかもしれない。ということです。
つまりBFLが出るのではないかと勘ぐってしまうのです。

発売当初は話題性もあって、生産が追いつかない状態が続くでしょう。
予約しても数ヶ月待ちになるかもしれません。
そんな中でBFを持っていれば、優越感を得られるのは間違いありません。
実際に使ってみたら、私が懸念する部分など、取るに足らないものかもしれません。
記録メディアを内蔵型にしたのも、アップルが初めてipodを発売したときと同様です。
230GBもあれば、普通の人なら数日間の撮影には何の問題もないはずです。
他の人に自慢できるようなカメラを持つことは、それだけで愛着が湧く要素でもあります。

良いカメラであるだけに、買うのか、買わないのか、いつ買うのか。
なかなか難しい問題でしょう。
誰かが実際に使ったレビューを参考にしてから決めるのも、いい方法かもしれません。
でも私は最低でも一年は待とうかと思います。

アナタはどうしますか。

ちなみに今回16-300mmのレンズが発表されて驚いている人も多いけれど、生産終了したシグマのレンズの中に18-300mm F3.5-6.3 DC MACROなどというレンズがあるのをご存知だろうか。
焦点距離に驚いているレビューは多いけれど、本当に驚くべきはワイド端が16mmだということだろう。
18-300mmであれば、すでにタムロンからも発売されている。
焦点距離の幅の広さは、まずワイド端に注目してからでいいように思う。


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