ICUの感染症はとりあえずメロペネム、バンコマイシンでO.K.?
上記の臨床疑問はどこの病院でも出てくる課題ではないでしょうか?
偏見かもしれませんが、どこの病院でも、熱が出たらこの2つの抗菌薬を初めていないと、次の朝機嫌を悪くするモラハラ医師が一定数存在します。(言い過ぎか!?)
上級医の先生がそのストラテジーなので、当然下もこれに前習え…
これがごく普通になっていませんか?
彼らは口を揃えて「俺たちは1週回ってここに辿り着いた!」と言いますが、こちらからすると
1週回らずに途中で諦めて戻ってきちゃったんでしょ?と思ってしまいますね。
しかし、面白いことに、このようなストラテジーの病院では自然と耐性菌が増えるので、何度かに一度は実際に耐性菌の検出があるので、「広域抗菌薬で正解だったろ?」と得意げにおっしゃる方もちらほら…
カバーを外すことには当然リスクがありますが、患者の状態次第です。
広域すぎる抗菌薬投与は、カバーを外すのと同様の予後悪化リスクがあることがわかっています。
抗菌薬決定に重要な因子として、
①重症度
②感染のフォーカス
③想定される原因微生物
④宿主の状態
この4つがあります。
①の観点から重症の敗血症ショックで死亡リスクが高ければメロぺネム、バンコマイシンがやむを得ない場合もあります。
しかし、時間的、もしくは患者の重症度から余力があれば培養結果を待つ、もしくは狭域で初めてその後の経過見ながらescalationしていく方法も十分効果的です。
自分たちで耐性菌を助長しておいて、「ほら耐性菌出ただろ?」は言わずに済むようになりたいものですね。
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