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ずー と ののの のANN VSイカロスさん

 こんにちは。先日、とあるソシャゲの現時点最難関のダンジョンを制覇し、深夜に叫んでしまいました、こまちです。

 2回目の投稿となる今回は、「ずー と ののの のANN」にお呼ばれされ、ゲストとしてイカロスさんと指した対局の自戦記になります。

 初めての自戦記です。稚拙な文章だとは思いますが、少しでも見てもらえたら嬉しいです。見どころは…イカロスさんの構想力の光る序盤と詰むや詰まざるや?の終盤…ですかね?

対局に向けて

 4日前、のののさんからDMが届きました。「8日の21時から配信内で対局していただきたいです!」とのこと。その時間は空いていて、お誘いしてもらったのが嬉しいのもあり即承諾。

 お相手は指す将順位戦A級3組のポラリスさんとのこと。もちろん初対局なので、ひとまず24の棋譜を漁ることにしました。

 30局ほど見て、オールラウンダーなのでちょっと作戦を練るのは難しいと思いました。相手の指し方に合わせて、こちらもいつもの指し方で対応していくのがベストでしょうということになりました。

いざ対局

 すぐに対局当日になってしまいました。最近の火曜日は20時半あたりまでやることがあるため、将棋の頭になれないまま臨むことになります。ちょっぴり不安。

 ANNが始まるのを待機していたところ、のののさんからDM。「合図を出すのでイカロスさんに挑戦してください!」とのこと。

…むむむ?

 なんと、対局相手は指す将順位戦A級1組のイカロスさんでした。この時、時刻は20時55分。私は急いで棋譜を漁る…東京道場…無い…大阪道場…あった、1局あった…!

 先日の指す将順位戦での棋譜でした。この対局はリアルタイム観戦していて、振り飛車側の陣形が面白いなあと思っており、居飛車側の陣形は私も似た形を対向かい飛車に用いるので、対局終了後に解析していました。このような感じになってくれ…!と願いながらいざ対局。

初手から
▲6八銀 △8四歩 ▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩
△8五歩 ▲7七角 △6二銀 ▲6七銀 ▲4二玉
△5六歩 ▲1四歩 △1六歩 ▲3二玉 ▲2六歩(第1図)

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いきなりやってしまいました

 私は向かい飛車、もしくはそれ以外の振り飛車がくるものだと思っていたので、▲2六歩には「え…マジ?」と心の中でポツリ。かなり緊張していたのもあって普通に動揺。

 もちろん普通に互角なのですが、私は飛車先の歩が突かれている状態での△3二玉という形をよろしくないと思っています。後の3三角・3二玉の形もしくは3三銀・3二玉・2二角の形が気持ち悪く見えてしまいます。普段はそれを警戒し王様の形を決めすぎないようにしていますが、今回は対振り飛車だと思い込んでいたためついついやってしまいました…

評価値:水匠3 5億ノード 互角(+4)

第1図以下の指し手
△4二銀 ▲2五歩 △3三銀 ▲4八銀 △5二金
▲3六歩 △4四歩 ▲3七銀 △4三銀 ▲7八銀
△3一角 ▲4六銀 △5四歩 ▲6五歩 △6四歩
▲同歩 △同角(第2図)

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悪くはない

 手が進み、先手の雁木模様+早繰り銀に後手の早囲いとなりました。先手の▲6五歩と角道を通して位を取ろうとする手に△6四歩と即反発。第2図まで進んだ局面は、右銀が使えていないけどまあまあの序盤ではあるのかなと思っていました。

評価値:5億ノード 後手有利(-336)

第2図以下の指し手
▲6六銀 △4二銀 ▲6八銀(第3図)

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驚きの飛車転換

 第2図では▲5五歩と指してくるのを読んでいたので、▲6六銀に手が止まりました。1分ほど時間を使って指したのが△4二金。正直に言うとらしくない手。固めるのなら△5二金と土居矢倉にするべきだし、それよりも△4五歩とするのが筋?というもの。本譜では、△4五歩のタイミングを誤っているために立派な手であるとは言えなくなっています。

 △4二金に▲6八飛と飛車の転換。この手は一切頭にありませんでした。ビックリです、パニックです。こういったのは普通にある手で、自分もわりと好きな手なのですが…

評価値:5億ノード 後手有利(-695)

第3図以下の指し手
△8六歩 ▲同歩 △同角 ▲8八歩打 △6三歩打
▲3八金(第4図)

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感覚と評価値

 ▲6八飛に驚いた私は、2分20秒使って△8六歩。ここはもういかなければならないと思いました。△8六同飛までは進み、▲8七歩△8五飛、2筋の歩を守ろうと▲3七桂には△2七角があるのでそうなれば指しやすいだろうと。

 しかし、△8六同角に▲8八歩。また手が止まります。普通は角を取るものですが妖しさがあるので悩んでしまいます。2分48秒使い、角を取らずに△6三歩としましたが、これもらしくない手。

 第4図の時点で持ち時間の差はすでに6分。自分は10分離れる対局もそれなりにあるので時間差はそれほど気になりませんが、形勢は互角~先手寄りだと思っていたのでちょい苦しいかなーと感じていました。

 ですが、▲8八歩の局面はこちらに800点ほど振れていました。△7七角成▲同銀△4五歩と進み、▲3七銀には△5七角、▲5七銀には▲2七角があります。▲同銀に代えて▲同金には△7九角、▲同桂には△8九角が厳しいよねとのこと。確かにそう…言われればその通りですが、△4五歩の存在が抜けていたのでそれも水の泡。ソフトの示す手を指すことと自分の形勢判断を評価値とできるだけ近づけることは永遠の課題ですね。

評価値:5億ノード 後手有利(-575)

第4図以下の指し手
△7七角成 ▲同銀 △4五歩 ▲5七銀 △5五歩
▲同歩 △5六歩打 ▲同銀 △5七角打 ▲6七飛
△1三角成 ▲4五銀 △3五歩 ▲1五歩 △3六歩
▲同銀 △1五歩 ▲1四歩打 △同馬 ▲6八銀(第5図)

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主張

 はっきりとした手が見つからない…なので今さら感のある△4五歩を指して馬を作りにいきました。最善手ではないだろうと思っていましたが、このくらいしか浮かんできませんでした。

 対局後に放送を見返したところ、△3五歩とした局面はどちらを持つか意見の分かれる局面だったようです。先手の主張は2歩得(▲4五銀で3歩得)+持ち角、後手の主張は玉の堅さと馬といったところでしょうか…確かに悩ましいです。

 こちらも歩を持とうとしてお互いにやり取りをした第5図では、どちらかに形勢の針が振れているとは思っていませんでした。こちらも歩切れを解消できているのでいい勝負ではないでしょうか?

評価値:5億ノード 後手有利(-480)

第5図以下の指し手
△3五歩打 ▲同銀 △2五馬 ▲4六銀 △3四馬
▲4五角打 △同馬 ▲同銀 △8五飛 ▲7七角
(第6図)

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焦り

 △3五歩と叩いて馬を目覚めさせ、△3四馬として先手の飛車と金を睨む。▲4五角と指されたところで私は1分将棋に突入しました。再び角を持ち合って△8五飛。この手、意外と良いんじゃない?と思った矢先に▲7七角…ここで手が見えず、次に指してしまった手がよろしくなかった。

評価値:5億ノード 後手有利(-628)

第6図以下の指し手
△5三歩打 ▲1二歩打 △同香 ▲1三歩打 △4四歩打
▲3四歩打 △同銀 ▲同銀 △同金 ▲1二歩成
△3三桂 ▲8七香打(第7図)

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泳ぐ手、狙われる飛車

 △5三歩と焦りながら指したが、▲1二歩が機敏な一手。この手を指された後に十字飛車の筋に気付いて「やっちゃった…」と声が出てしまいました。

 手が泳いで指した△4四歩が実質的な敗着。改めて見るとかなりひどい手ですね。この手で、形勢の針が先手にどんどん振れ始めます。

 ▲8七香は一切気付いていませんでした。私もさすがに形勢が傾いたことを実感しました。

 しかし、十字飛車の筋があると書きましたが、後手に返し技がありました。香車を1四まで釣り出されても、▲6四歩△同歩▲同飛と進めば△5四歩!があるとのこと。もし▲6二飛成としたら△2六角…王手龍取りがあります(参考1図)。見えません。つらたん。

na6@3x参考1

評価値:5億ノード 先手勝勢(+1824)

第7図以下の指し手
△8六歩打 ▲同香 △同飛 ▲同角 △5六香打
▲4八玉 △6九角打(第8図)

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嫌味

 香車を取って即座に△5六香~△6九角…先手玉に嫌味を付けるとしてもこれくらいしか浮かんでこなかったが、確実に△4五桂(△2五桂)のほうが嫌らしかったです。劣勢の中でもそういった勝負手を指していけるようになりたい…

評価値:5億ノード 先手勝勢(+31111)

第8図以下の指し手
▲7九金 △5八角成 ▲3九玉 △3七歩打 ▲同桂
△3六歩打 ▲2二飛打 △4三玉 ▲3一銀打 △5二金(第9図)

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チャンス?

 ▲7九金に「お?」となりました。それなら先手玉もそれなりに危ない恰好になってきます。▲3一銀には△5二金があるので意外と捕まりません。これはもしや…まだ諦めるのは速いようです。

評価値:5億ノード 先手勝勢(▲6九金のみ+1897、それ以外は互角orそれ以下)

第9図以下の指し手
▲5四歩(第10図)

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詰むのかい?詰まないのかい?どっちなんだい!?

 先手は▲5四歩と突き出してきました。問題はこの手が詰めろになっているかどうかです。私は詰めろではないと思っていましたが、実際は▲5三歩成(▲5三角成)以下の詰めろだった模様。ここで適切な詰めろ解除の手を指せればまだ勝ち目はありますが…果たして。

評価値:5億ノード 互角(△3五金のみ+97、それ以外は先手勝勢)

第10図以下の指し手
△3七歩成 ▲5三歩成 △同銀 ▲同角成 △同金
▲4二飛成 △5四玉 ▲4三銀打 △4五玉 ▲4六歩
(第11図)

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逃げ道

 △3七歩成が、桂馬を消すことで偶然詰めろ逃れの詰めろになる手になっていました。しかし、先手もガンガン迫っていき、▲4六歩が絶品の一手。△同玉は▲3七金でダメなので△3五玉と逃げるよりないですが、▲3七飛がと金を払いながら王手をかける手になってしまいます。私が先手なら指がしなる手ですが、もちろん私は後手番。指されて唸りました。

 では、▲最善の詰めろ逃れの手は何だったのでしょうか。それは第10図の評価値でも書いた△3五金。▲5三歩成には3四の地点に逃げ道ができているため後手玉が捕まらなくなります。それなら、なぜ逃げ道を作る点で同じ意味の△2四金はダメなのでしょうか。それは、▲5三歩成に△3四玉と逃げると▲5二龍が詰めろになってしまうからです。もし△3七歩成と桂馬を消すと、▲4三龍△2五玉▲2六歩△同玉▲3七金△同玉に▲3三龍が桂取りの王手になってしまい詰んでしまうようです(参考2図)。△3五金なら同じように進んだ時に、▲2六歩に対して△同金と取ることができます。なるほど…ムズカシイ。

naI@3x参考Ⅱ

評価値:5億ノード 先手勝ち(詰み 30手)

第11図以下の指し手
△3五玉 ▲3四銀成 △同玉 ▲3七飛 △3六桂打
▲3五歩打 △2五玉 ▲2七飛 △2六銀打 ▲同飛
△同玉 ▲3七銀打 △2五玉 ▲2六歩打 △2四玉
▲3四金打 △1四玉 ▲1三と △同玉 ▲2二龍
△1四玉 ▲2三龍(投了図)
まで、134手でイカロスさんの勝ち

naJ@3x終局

と金のヒップアタック

 ▲3七飛がきれいに決まり、どう合駒をすればいいのか迷った挙句に△3六桂としましたが、▲3五歩からの詰み筋に入ってしまいました。当の本人は詰みに気付いていませんでしたが、▲1三との強烈なヒップアタックが炸裂…これを見逃していました。以降は詰みまで指して私が投了しました。

対局を終えて

序盤~中盤に向けて:弱気な手が多かったと思います。土曜日から始まる私の指す将順位戦ではもう少し強気にいきたいです。あと緊張しすぎ、そんな感じで土曜日大丈夫?

中盤:途中まで評価値は後手に振れていたものの、その「良さ」を把握して「良い」に繋げるのがまだまだ上手にできません。もっと読みの精度を上げていきたいです。

終盤:アツアツでしたが、△3五金を見つけられなかったのは残念です。ただ、パーソナリティーの御二方もリスナーの皆さんも盛り上がっていたようなので、脳に汗をかけていたのなら嬉しい限りです。

 うーーーーーーーーーーん悔しい!勝ちたかった!ですが、土曜日から始まる私の指す将順位戦の前に1クラス上の方と将棋を指せたのはとっても大きいです。イカロスさん、改めて対局ありがとうございました!

 最後に…お誘いしてくださったずーさんとのののさん、対局してくださったイカロスさん、対局を見てくださったリスナーさん、この自戦記を読んでくださった方に圧倒的感謝。


追記
祝!ANN内での最長対局時間更新?ちなみに、対局時間は58分59秒でした。

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