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花も咲かない、実もならない

新聞の投稿欄に、「自宅の観葉植物に、30年ぶりに花が咲いた」という投稿があった。トックリランというらしい。

我が家の庭にも、植えて30年くらい立つ木がある。ヤマモモである。以前、働いていた福祉施設で、なぜか鉢植えをたくさん並べて、「どれでもいいから、持って帰って」というのがあったのだ。何も考えずにもらって帰って、庭に植えた。

初めは苗木だった気がする。それが30年の間に、だんだんと大きくなり、幹も太くなり、庭の主のように育った。今は、3mはあると思う。葉もどんどん茂るし、高いところは切れないので、庭を剪定してもらうときに、切ってもらっている。


どっしり

 これは雄木だと思ってきた。ヤマモモは、雄雌異株で、雄木と雌木がないと、実がならないとは聞いていたのだ。雌木は植えていないから、30年たっても、花も咲かない、実もならない。いや、どっちなんだ。わからなくなってきた。

 何の役にも立っていない気がする。シンボルツリーと言えばカッコいいが。

このところ、その座を脅かす木が出てきた。ジージの柿の木である。

ジージが植えた柿の種。柿を食べた後の種を植えたのだ。それが伸びる伸びる。ヤマモモと同じくらいの背になった。

こっちは、ジージがちゃんと雌木を買ってきて、隣りに植えた。いや、どっちが、雄木か雌木か。わからん。去年、ちっちゃな実が1個なったが、すぐに落ちてしまった。今年はならない。

桃栗三年柿八年。植えて何年たったかな。実がたくさんなり出したら、きっと食べきれない。どうしよう。ならないうちから、要らない心配をしている。
 秋になり、葉が紅くなってきた。目に美しく、それは役に立っていると言えるが、たくましさでは、ヤマモモに負けている。

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