語り部の役割~新聞より
昨日の朝刊、夕刊には、「なるほど」と思う記事がたくさんありました。趣旨と違うかもわかりませんが、私の感じたことを書きますね。①と②の太字は見出しです。
朝日新聞 2023年8月31日(木)朝刊
①「投下した側」が伝える被爆
谷口稜暉さんと出会い、「人生変わった」
アメリカ人のサザードさんは、37年前にアメリカで行なわれた、長崎の被爆者・谷口稜暉さんの講演会に出かけます。谷口さんは原爆で背中に大やけどを負っています。その写真は多くの人に知られるところです。H29年に亡くなっています。
谷口さんの講演を聞いて感動したサザードさん、それからずっと交流を深めてきました。そしてあるひっかかりが生まれました。「原爆を投下した側の米国人は、なぜ被爆体験を知らないのか」
アメリカの学校では「原爆が戦争を終わらせ、100万人もの米国人の命を救った」と教えられたそうです。それからサザードさんは12年かけて、被爆者の体験を「ナガサキ 核戦争後の人生」という本にまとめました。評価され米国で読み継がれているそうです。日本語版も出たとのことです。
【私】この記事を読んで私が一番に思ったこと。谷口さん、アメリカに講演に行って良かったですね。行った甲斐がありましたね。こんなふうに、体験を伝えていくって大事だなと思いました。誰かが受け取る。それが広がっていく。何かが変わる。
②夕刊より:特攻伝える初の女性語り部 鹿児島知覧平和会館 隊員の生と死や 遺族の思い「後世に」
図らずも、関連した記事でした。その方は47歳。もちろん戦争体験はありません。日頃は図書館の司書で、読み聞かせをされています。戦争をテーマとした絵本「ほたる」や「かわいそうなぞう」も取り上げているとのこと。ご自分の研究から平和会館を何回も訪れているうちに声がかかったそうです。
初めての日は、高校生を前に、太平洋戦争や特攻作戦の説明、隊員の遺書、戦死した息子のへその緒を寄託した母親の話などゆっくりと語りかけました。「遺族が託した思いを後世に伝えたい」「遺品に語ってもらう」
【私】戦争体験者が少なくなる中、お孫さんなど若い人が引き継いで語っていくという話を、時々新聞でも読みます。頼もしいなと思います。語り部も「伝達語り」になっていくのでしょうね。それでも貴重だと思います。
語り部の話、二つでした。
③原爆に消された「移動演劇さくら隊」
写真をさがしていたら、いつか見た大林宣彦監督「海辺の映画館」のポスターが。映画の中に「移動演劇さくら隊」(のモデル)が出てきます。たまたま広島にいて被爆してしまいます。
その中の一人、園田恵子さんの名前をこの夏、何回か聞きました。映画で園田さん役を演じた常盤貴子さんら、俳優仲間の働きかけで慰霊碑が建てられているそうです。そうだ、その話をどこかで聞いた。
「NEWS WEB」から。
8月6日に開かれた法要で、常盤貴子さんは
「戦争が起きると自由であるはずの映画も脅かされるかもしれないと感じました」
「この時代に桜隊を演じた俳優として劇団におきた悲劇を知ってもらいたい」と話されたそうです。
【私】みんなができることを少しずつ行動すれば道は開かれる。私も小さな一歩を。
*見出し画像は、戦没画学生慰霊美術館「無言館」の巡回展に行った時のポスター。