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ハナと金木犀~看取り篇

看取りはやはり大変でした。夏くらいから弱ってきました。外犬でしたから、裏のストックヤードに入れたり、庭に出したり。熱中症になったり、ガレージと車の間に挟まれたり。

当時のブログより。

ハナが とうとういってしまいました。二晩苦しそうな声を出していて、今朝は もう水も飲めませんでした。お湯でおしりを洗ってあげて 新しいシートに移そうと抱えたら、「ぐーー!」という声を出し、体の力が抜けるのがわかりました

 娘は ちょうど今日から3日間旅行の予定で もうすぐ出るところだったのですが、「帰ってくるまで 持たないかもよ」と呼びました。

 看護師の娘は泣きながら 足をさわり 首を触れ、「いっちゃった。息していない 脈も触れない」と言いました。

 それは もう分かりました。

 前に買ってあった 綿入りの布団みたいなものに 入れてあげようと思っていたのに 間に合わなかったです。

 とにかく私も仕事で 娘も出ないといけないので、その布団に入れて 家を出ました。

 昼休みに急いで帰って足を触ると 冷たく、 硬直が始まっていました。涙があふれました。  

 

                    

 引き取ってくれる市立霊園に電話をして どうしたらよいか聞きました。娘が旅行から帰って来るまで待つことができないか とも思いましたが、娘に電話をすると それはいいとのことでした。どう考えても無理ですしね。

 その日に霊園に行くことになりました。何とか仕事を切り上げ 午後5時に家に帰ると 夫がちゃんと用意をしてくれていました。もらってきた段ボールに、ばあちゃんが適当な布を引き 頭にも枕をしてくれて きれいな布で包んでくれていました。

 「お花を買ってきて」と頼んでいたので、それが箱の上においてありました。

 5時半までに行かなければならないので 夫は「行くぞ」とせかします。私は急いで 庭の金木犀を何本か手で引きちぎり 手に持ったまま車に乗りました。

 霊園には誰もおらず 係りのおじさんが一人事務所にいるだけでした。手続きを済ませると、そのおじさんが台車を持ってきて 優しく「ここでお別れですので・・・」と言います。(そのおじさんは とても優しく 電話でも親切に教えてくれて 本当に良かったです)

 箱の中に お花と金木犀を入れると とてもきれいでした。私は 布に包まれたハナの頭を もう一度なでて 「ありがとうね」と言いました。おじさんがいても涙を止めることができませんでした。

 台車に乗せられて ハナは行きました。雨が降り続いていました。

 16歳と7ヶ月でした。


 ここまでです。
決して、めちゃくちゃ可愛がっていたわけではないんです。でも、ちょっと感傷的ですみません。リアル過ぎた表現もあって、すみません。

ハナは、市の動物合同墓に眠っています。ウチのお墓に近いのに、あまりおまいりしない冷たい元飼い主ですが、金木犀の季節になると、思い出します。

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