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映画日記~『悪は存在しない』わからなくていい

いつものミニシアターで、映画『悪は存在しない』のロングランをやっています。ずっとやっていると、行く機会を逃すので、思い切って行ってきました。



友達も「良かった!」って言っていたし、国際映画祭で賞を取っているし、期待していました。

わかんない

私の感想を言って良いですか?
「わかんない!!」

あ、ネタバレします。

ラストがわからないんです。
「えっ?なに?なんで?」

そう思っていると、エンドロールが出て、そのうち明るくなる。

映画の流れ

映画自体は、とてもきれいでした。森があり、木々がざわめき、冬の初めか終わりか、雪が残っていて、(終わり、ですね)水の流れ、鹿の水飲み場という沼の美しさ。

ストーリーも、わかる。便利屋をしている主人公は、森で娘と二人暮らし。森の権化のような娘。

そんなきれいな自然の町に、グランピング施設の話が持ち上がる。説明会にやってきた職員と住民の話し合い。

終盤は、ハラハラし出すんです。どうか、良い結末に、って思っていたら・・・。

パンフレットも読みました。この映画の成り立ちというか、どうやってできたかという話はありました。

『ドライブ・マイ・カー』でも音楽担当の石橋英子さん。その石橋さんの作る音楽のために作った映像。というのが、始まりらしい。『GIFT』という作品だそうです。

映画レビューを見ても、それぞれの意見でした。

わからなくていい


でも、でも、わかったことがあるのです。
「わからなくていいんだ」と。

映画に結論はいらないんだ。もちろん、結論のある映画もあるけど、「結論」は大きな問題ではない。

「タイトルの『悪』ってなんだ?」というのもわからないままだけど、その他も、あれから、あれこれ考えてみて、ラストも「そういうことかなあ」とか思ったりしたので、少し整理はできた気がします。

それも重要じゃないかもしれない。

見た人それぞれが、感じるもの、考えたことが大事なのではないか、と思いました。

(たぶん)濱口監督が、「CDは何回も聴くでしょ。映画も、そういうのもあると思うけど」と、どこかで言っておられて、なるほど、と思いました。も1回、見てみようか。音楽もちゃんと聴いていなかったし。

ま、いつか。

気に入ったところ

主人公の巧、娘の花。グランピング会社の女性の黛。良かった。

映像の美しさに感動する。カメラの長まわしが多いんです。最初のチェーン・ソーで丸太を切るところとか。しびれを切らしそうになった。でも、慣れた。森の中の映像も良かった。

グランピング会社の二人が、車中で交わす会話の感じ。好きです。

こんなの、ちゃんとした映画感想になっていないけど、映画日記だから、許して下さい。


わかるってなんだ?

そうそう、大事なことを忘れていました。
「わかる」ってなんだ?

この言葉を、最近、二人の先生から聞きました。
一人は、古典を読め読めと言っておられる先生。「わからないまま読んでいて良いんですか」という質問に、「わかるって何?」と言われたのです。

もう一人の先生。「宮沢賢治の詩はわからないからいい」と言われました。
「あ!」と思いました。

世の中、わかりきったことばかり。そうじゃないといけない世界。

「わからないからいい」
「わからなくていい」

そうなんだ。
この投稿のタイトルは、何日か前に書いたのだけど、繋がったので、自分でビックリしました。


*ヘッダー、お借りしました。映画と雰囲気がちょっと似ているかな。


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