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読書日記『どうして戦争しちゃいけないの?』と、ダニーさんの講演会

著者は、元イスラエル兵のダニーさん。徴兵制によって、空軍に所属。その後、来日。現在は埼玉県に移住して家具を作りながら、反戦や反原発を訴える講演を各地で行なっておられます。

その講演会に、この前行ってきて、会場で買った本です。中学生でも読めるように、ふりがなが付いていたり、内容も分かりやすいです。


感想です。

①歴史が分かる



 今、イスラエルやパレスチナ、ガザで起こっていることの背景をわかりやすく説明してくれています。ダニーさんはイスラエル人ですが、自分自身や家族の事を含めて、公平な目で書いています。(書こうとしてくれている)

歴史は、断片的に聞いていても、すぐに忘れてしまうのですが、手元に置いていて読み返せるなあと思いました。

②あくまでも非戦


ダニーさんの主張は、とにかく非戦、あくまでも非戦。イスラエルには娘さんが住んでいるけど、ハマスのやったことは許せないけど、でも、戦争はいけない。「話し合いで解決を」と言っておられます。

武力によって生まれるのはさらなる武力。憎しみによって生まれるのは憎しみでしかありません。

P45より引用

③戦争は最大の人権侵害


なぜ戦争がいけないか。「人は皆、幸せに生きる権利を持っている」と言います。イスラエルのことだけでなく、世界の問題も同じだと。

全く当たり前のことですが、日頃、いつのまにか諦めているかもしれません。もしくは人ごとだとしか思っていない。

④声をあげよう


最終章は、ジャーナリスト、土井敏邦さんとの対談です。

声をあげにくい状況といいます。それぞれ、歴史的に根強い国民感情がある。それでも、
・人間というのは歯止めがきかなくなる。そういう状況をつくらないこと。
・国民をコントロールするために、敵がいることはすごく楽。
・相手を「敵」ではなく、同じ人間だと見る機会をもつこと。

などなど、これも当たり前のことですが、当たり前のことができない社会を変えていかなければならない。そう思いました。

⑤講演会


講演会も、同じような内容で話されました。地球にとっても、戦争はいかにも損なことだと言っておられました。

私が印象的だったのは、質問タイムです。みんな関心を持って、真剣に聴いておられることが分かりました。

「今の考えに至ったエピソードを教えてください」という質問に、「イスラエル軍の航空兵だったときの同僚が、実戦に加わったと聞いた時」というようなことを答えられ、すぐそこに戦争があると感じました。

春から航空学校(?)に入るという若い人が、「正義をどう考えたらいいでしょうか」と質問されました。その胸に、さまざまな思いや葛藤があるのだろうと思いました。

(すみません、質問と答はうろ覚えなので、大意です)


 ★現在、停戦が行なわれています。この講演会も、この本の発行も、その前で、本や講演会の内容・感想も、その時点のものです。


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